マガジン

最近の記事

「 」

ぼんやりと晴れてく朝靄が 野望みたいで虚しくなった ふんわりと湧き立つ喪失が 白く濁って 耐えられなかった この色のついた夢がもう壊れぬように 塞き止めていた 味のしない 僕の明日さえも狂気で覆い尽くすようになって 褪せていった あの未来が 嫌に輝く わたしの残骸を繋ぎ合わせる 舌触りの悪い 悪意が不足している! かつて鳴らした 警鐘さえ響かずに この心を鏡色に声をあげてる 決して純化されたわけではない なまじっか繋がってしまった 首の

    • きみの色

      映画は苦手、 暗いところが苦手だから 大きい音が苦手だから じっとしてるのが苦手だから でも、たまに人に誘われて見に行く、今回もそう 隣に安心できる人がいてくれたら楽しめる、ときもある 『きみの色』 スタジオに向かう乗り換えの駅に大きいポスターがあるから何となく名前だけ知っててギター弾いてるから何となく興味があった、くらいで 予備知識なく見に行った 青春物語のわたしのイメージは、多感で繊細な思春期の少年少女が誰かと衝突して、傷ついて、成長して大人になっていく

      • 蜜蜂と遠雷

        小学校高学年の時保健室でサボってたら家庭科の先生が教えてくれた、恩田陸 音楽が聴こえてくる小説 映像で見た方がいいのかと始め思ったけど、映像では伝えきれない文字でしか伝わらない部分もあった 天才たちのコンクールにかける青春 ピアノという音の世界を心沸き立つような描写で、泣きそうになる。 凡人の視点もある、勇気を与えてくれる  わたしはピアノで生きることはビビって挫折したから音楽で生きる人には本当に憧れる 音楽を捨てるのもできなくてサークルでぬくぬくやってる それ

        • いっぴき

          いろんな、いっぴき 全部いっぴきだけど全部違ういっぴき 音、歌詞、リズム、ひとつひとつが青春 好きだった人を思いながら聞いた曲、励まされた曲、 せつない気持ちになった曲 いろんな感情が、鮮明によみがえる言葉、愛おしい メロディーのない文章もどこかリズミがあって、声に出したくなる その瞬間の直感に全エネルギーを詰め込む強さ 反動で内側に沈み込む脆さ まるで自分の過去を振り返ってるみたい 眩しくていとおしくてこそばゆくて 直視できないけど大事に包み込んでおき

        マガジン

        • 読書感想文
          10本

        記事

          52ヘルツのクジラたち

          52ヘルツの鯨(52ヘルツのくじら, 英語: 52-hertz whale)は、正体不明の種の鯨の個体である。 その個体は非常に珍しい52ヘルツの周波数で鳴く。 この鯨ともっとも似た回遊パターンをもつシロナガスクジラやナガスクジラと比べて、52ヘルツははるかに高い周波数である。この鯨はおそらくこの周波数で鳴く世界で唯一の個体であり、その鳴き声は1980年代からさまざまな場所で定期的に検出されてきた。「世界でもっとも孤独な鯨」とされる。(Wikipedia) シロナガスクジラ

          52ヘルツのクジラたち

          一生のお願い

          大好きな人の書いた本 「書かない皆はどうやって自分に落とし前をつけて生きているんだろうと思うくらいに、私には爪を切るのと同じくらい、なくてはならない儀式だ。」 結婚指輪だって必要ないと思っていた。仏教徒だし、これみよがしに左手の薬指に輪っかを入れるのはなんだかこっ恥ずかしい。自由を愛する二人としては、何よりも束縛感が気になった。とまあ二人ともそんなノリで、柄じゃないからいらないよねーと一時はなしでいくことに決まったのだ。それがどうして指輪を買うことになったのか……。 「や

          一生のお願い

          勝手にふるえてろ

          普段表に出さないだけで、人にはだれでも「こじらせている」「歪んでいる」部分がある、と、おもう 「人のめんどくさい部分」「こじらせた部分」を、ヨシカの恋愛模様を通じてリアルに表現されててわわってなった 綿矢りかの「唯一無二の心理描写」を一気に浴びられる 二人の男性の間で揺れ動く女性の微妙な感情の動きを執拗に描いていく綿矢りさ 初恋の人と結婚に至る確率は1%程度という現実は、”わずか1%”と感じる一方で”1%もあるのか”とも取れる数字だとわたしは思う そんな『初恋の人を

          勝手にふるえてろ

          そして、バトンは渡された

          「楽しいときは思いっきり、しんどいときもそれなりに笑っておかなきゃ」 血のつながりはなくとも、互いを大事に思いあえる人たちに囲まれて生きてこられた主人公は幸せ ほっこり優しい気持ちになれるお話。 嫌な人もいるけどほとんどのキャラクターは本当にみんな良い人、、いいひとすぎる高校生を養うのにはお金が要るけど、そのあたりはまったく問題にされない優しい世界 全員が全員を想い合っている 本は、内容によっては読むタイミングを選ばないと心がすり減るものもあるけど これは心が疲れている

          そして、バトンは渡された

          説明

          言葉を何かに変換した瞬間に全く別なものになる 自分のボキャブラリーでは表現・理解できない物事あるって怖いことなんだろうと思うばかり 世の中には「分かりやすいが正しくない説明」が溢れているので、正しさを大事にしたい だけど正しいけど理解されない説明は意味がないなと思います 正しくても聞きたくなくなるような難解な話じゃ意味がない それを聞いて理解してくれる人にだけ分かってもらえたらいいとも思わない 正しいことを正しいままわかりやすく伝えられる人になりたいと思います バラ

          にじゅうまる

          やらなきゃいけないことはわんさかあるのに、死にたいに支配されて何もできない だからもう眠らせて欲しい、ずっと こんな人生早く終わって欲しい 生きていることがどうにも苦しい だけど臆病なわたしはどーせ死ねないから自分を励ましてみる わたしが生きている場所は、死にたくない、生きたいことが当たり前という前提で作られすぎている 耐え難い、死にたいほどの苦しいという言葉自体が、耐えられる限りの苦痛は全部耐えるのが前提になっていると思う ただの深読みだと思うけど。 じゃあ

          にじゅうまる

          置き去り

          嫌でも今を見せつけられる、この世 過去は綺麗な気がして、今は汚い気がする 過去の記憶にはふんわりエフェクトがかかっていて、なんかめちゃくちゃ嫌で死にたくなったことも美しかった気がしてくる 過去をいつまでも左手に持ったまま、でも時は前に前に進んでいる少年 少年の大切な思い出、“ショーケースの中”にある思い出 キラキラ輝いていて素敵なことなんだなぁと思う “悲しい歌”、これは今。ショーケースの中にはキラキラ輝く思い出があるのに、それと比べると今は悲しいらしい、そんな今

          泣きたい夜の甘味処

          ほんの少し日常に『好き』を混ぜてみよう 昨日まで20時間くらい寝ないと身体が動かなかったしお風呂も4日間入れなかったのに 今日は目を瞑っても意識は遠のかないし気持ち悪い、なにもできない いわゆる躁鬱だな〜を実感して苦しい なにも食べられないし、食べても戻すを繰り返していたのでおいしい小説を読もうと思った その第一歩です、これは。 癒されているという感覚は確かにあるのにこんなに泣いたのは初めてかもしれない なぜかわからないけれどボロボロ泣いた わたしが躁で感情が

          泣きたい夜の甘味処

          舞姫

          割と内容はチープだと感じた ドイツへ留学した官僚の豊太郎は、踊り子エリスと恋に落ちる 免官されエリスと暮らし始めた豊太郎だが、友人の相沢に、出世の道に戻るためにエリスと別れるよう諭される 豊太郎は葛藤の末、妊娠したエリスを残し帰国する もっと簡単に言うと 大体将来有望な青年が美人であまり金を持っていない女性に言い寄られいい気分でいたけど身分違いなので捨てた 時代に翻弄された青年の苦悩 これだけ短い文章に幾つもの考察を抱かせる魔力があると、思った 明らかに上流階級の

          こどもとおとな

          わたしは、周りの方々に大人びている、精神年齢が高いと言っていただくことしばしばあるのでそれについて考えます 同年代人といると、もちろん楽しいときもあるが、なぜこれが楽しいのか笑えるのかわからないことも少なくなかった うーんでも、どんな状況でもうまくやっていけるのがきっと大人だし、精神年齢が高いんだと思います 考え方だけが先にあって、受け止め方とか流し方がまだまだ幼い、わたしは そこの処理とか受取がちゃんと自分の中で行えるようになったら仲良くなれる人も増える気がしていた

          こどもとおとな

          できちゃう

          学校には行けなくて ご飯も自分で食べられない 寝ても起きても体はだるくて お風呂も歯磨きも毎日できない 目は霞んでて耳は聞こえづらい 文字は読めないし会話もできない 人間関係はどんどん希薄になって 今でも思い出しただけで息がしづらくなるくらい辛くて仕方がなかった中高生の時の記憶 寛解、はしてないけど自分でコントロールできる日もここ2年くらいは多い 何事もなかった普通の毎日を過ごせている 見ないようにして忘れたふりをしているけれど確かにあの辛くて悲しかった毎日

          できちゃう

          よわい

          わたしはよわい 何かを始める時、環境が変わる時とてつもない不安と恐怖で寝込む 誰かの些細な一言や、素振りでその日の気分が決まる 少し嫌なことを言われると何日も何ヶ月も頭の中に残ってぐるぐる回っている これら全部わたしの日常 諦めてきたことはたくさんある たとえば、 高校まで場所が変わると眠れなかったから、小中の林間学校や修学旅行には行けていない 小中高は、行った日にちの方が少ない 跳び箱のテストで飛ぶのを失敗してから体育が怖くなって5年間体育の授業に出られな