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幽霊の会話

終電に乗ってうとうとしていたら、ふと小さく話し声が聞こえてきて眠りと覚醒の合間で耳を澄ました。

「君や僕の苦悩だっておそらく逆回転の力なんだ。」

「ロックンロールだね。」

「だから、これからも勝ち続けるよ。」

「それは良かった。先に死んだら私が君をぶっ殺してやる。」

「本当はほとんど毎日死にたいと思ってる。」

「絶対だめ。置いてかないで。」

「置いていかないといいなと思ってるよ。」


どんな人達が話してるんだろうと薄っすらと目を開けてみた。おや?会話をしていそうな人間など何処にもいないではないか。繁華街から田舎へ向かう最終電車は相変わらずガラガラで、数人がぽつぽつと車両のシートに埋もれて朽ち果てているだけだった。おかしいな、寝惚けて夢でもみていたのだろうか。

窓の外は真っ暗で、寒い寒い冬。

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