雑文 #157 この世界が私のものだった頃
春分の日。
春なのに、暗い気持ちで…とか思ったらそうでもなくちゃんとうららかで、近所のお寺からは線香の匂いがかぐわしく、桜は2分咲きくらいで晴れていた。風強く春風が吹いていた。
ところで今日はくるりの4thアルバム『THE WORLD IS MINE』が発売された日なんだそうだ。
Twitterで #あなたのTHEWORLDISMINEにまつわる思い出を教えて というタグがあって、思い出を思い出さなかったので、今一度聴いてみた。
最近アルバム通して家で聴くってことが前よりぐっと減ったなぁと思いつつ。
まずこのジャケットは好きだ(紙ジャケ)
こういう水色好きなんだよね。
かなりオシャレである。
しかし中身も確実にオシャレ。
ファッショナブルであるわけでもなくただただオシャレ。センスが抜群。それがくるり。
本当のオシャレというのは、中身がオシャレなことであると思う。
とにかく「WORLD'S END SUPERNOVA」という曲がかっこよくて度肝を抜かれたけど、私はこの曲を最初に聴いたのはベストアルバムのほうでだったから、後でこのアルバムで聴いたとき、その後「BUTTERSAND/PIANORGAN」というインストの曲に繋がって、踊れる、これはもう踊るしかないと喜び、ライブで観ながら踊ることを夢みたものだ(のちに体験)。
不思議な曲が多く、インストも多く、人は「エレクトロニカ」とか言う。
私は個人的にはもっと、プログレッシブだと感じる。
でも私はしょせん音楽ジャンルのこととかてんでわからないので、個人的な思い出を探すと…
まずこのCDが発売された2002年3月20日、今から18年前、私はまだくるりをぜんぜん知らなかった。
この種の音楽を聴いていなかったので、くるりというバンドの名前も聞いたことがなかったのです。
それで何してたかっていうと……海外に住んでいた。
1年間の留学の真っ最中だったのだ。
2001年9月にアメリカで同時多発テロが起きたことは強く覚えている。
その少し後に海外渡航ということで、周りから反対されたが決行した。
私は働いていたが、学生に戻り、わりと長く付き合っていたひとと遠距離になるのに、一人で誰も知り合いのいないメキシコに旅立ったのだ。
遠い昔のことだ……
私はなんて大胆だったんだろう。
好奇心が何にも勝り、マンネリをきらい、突如またスペイン語の勉強を再開し、彼氏にも両親にも納得してもらった。
その頃はいくらか貯金があって、日本より物価が低い地でなら自活していけると思ったのだ。
事実なんだけどこうして改めて書くとまるで別の人の人生みたいだな。
私は若く、まさに この世界は私のもの『THE WORLD IS MINE』 だったのかもしれない。
いまはどうだ。
この世界は誰かに支配されているようだ。
自分はとても小さな人間に思える。
そんなこと考えずに暮らしたいんだけどな。
私も変わってないようで変わったな。
メキシコで出会ったイグアナの写真が出てきた。