雑文 #225 レトロもハイパーも
「人類の進化と調和」
そんな文句が高らかに謳われていた時を私は知らない。
高度成長期。大阪万博。
それから50年。
世の中はいろんな進化を遂げたり、案外まだまだだったり。
ハイテクノロジーには私はそんなに興味がない。
いまあるスマホの最新機器だって、VRだって、光の速度だって。
そんなに急いでどうすんだ。
ただでさえ、便利になって交通も速くなって時間ができてるのに、まだ時間を節約しようとしてるのか。
例えば電車の中の間延びした時間、君はもう忘れているだろう。もしくは若くて知らないだろう。
間延びした時間には、私たちはぼんやり車窓を眺めたり考え事をしたりしていたものだが、いまはほとんど全員スマホを見ている。
人類の進化と調和。
今で言うSDGs(Sustainable Development Goals)だろうか。持続可能な開発目標。どっから出たのか誰かが推してるキャッチフレーズ。
ずいぶんスローダウンしたものだ。
そのくせどんどん変えようとしているくせにね。
どんどん便利に・簡素に・手間少なく・面倒を避けて・人と人の交流をミニマム化し・AIなぞに任せて・スピーディにマニュアル化して・ハンコは無くして・おうちを満喫して。
しかし、外の空気は気持ちがいいね。
普段いる場所から離れれば離れるほど、気持ちがほぐれる。
日常にないような、特別な時間や空間、そこにアートがあるものなら、また遠くへ行かずともリフレッシュできるね。
気の合う友達と直接会って話すのは最高だね。
AIと話して楽しいわけがない。少なくとも私には楽しめなさそうだ。
古い時代が一概にいいとも言わない。
けれどもやっぱり信頼と懐かしさはある。
新しい開発が一概に悪いとも言わない。
何しろ私はSF映画や小説、未来を舞台にしたものが大好きだ。
「2001年宇宙の旅」
あの映画が1968年に公開されてもう50年以上経つ。
あのレトロでハイパーな世界観が好きだ。少し怖くて、いやかなりぞっとして。でもワクワクしてくすぐられて。
例えば私は今の最先端に馴染みがない。
スマホのBluetoothを使ってスピーカーに繋ぎ、それが案外小さくて安価な機械なのに快適な音が出るし別の部屋にも持ち運んで音楽が聴ける。
使ってるけど、いまだに不思議である。
考えてみればスマホの画面タッチだって不思議だ。
長くなったけど、そういう最先端・不思議・レトロ・懐かしさ・未来・過去・ハイパー・テクノロジー・不安定な時代・不気味さを、くるりの新曲「大阪万博」は表現していると思う。
同じくくるりの新曲「益荒男さん」もいろんなものをはらんでる。
まずは風刺。おふざけ。昔の時代と現代。おっぺけぺー。
中身については、今ここで語らない。
また語るかもしれないけれど、もうだいぶの字数になったのでおやすみなさい。