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雑文 #269 イジメ
私はいじめられていたのか?いまだにわからない。
小学校5年生と6年生の頃、クラスに友達がいなかった。あの頃「クラスに友達がいない=友達がまったくいない」な世界だったから、今考えるとアホくさいけど、私はそれを恥じていた。
女子は女子とつるむから、20名しかいない中で、友達になりたい人がひとりもいないというのは、今ではごくごくあり得ることだと思えるのだけれど、普通は、とりあえず一緒にいる人を見つけたいから、妥協して友達作りをしたりするのだろう。
私はそれをしなかったから、2年間変な子だと思われ、ソフトないじめの対象になった気がする。
たとえばよく一緒に帰る子がいて、一見友達みたいだけれど、その子が私を家に呼ぶのは難しい算数の宿題を(私が解いて)書き写すという目的があることを私は知っていた。
他の集団の前ではおとなしいその子が、私の前では上から目線の口調で、ナメられていると感じていた。
けれど大人になって一度その子と会って話したとき、心から懐かしそうで、悪びれず、あぁいじめてる側は気づいていないのだなと思った。
音楽の時間2人組を作りなさいと先生が残酷なことを言い、もちろん友達がいなかった私には組んでくれる人がいなかった。
学校の帰り道、私とふたりきりになったところで「momongaちゃんと組みたい人なんてひとりもいないよ」とネチネチ言ってくる女子がいた。その女子のことは心底きらいで、そのとき心底軽蔑した。くだらないと思って無視をした。
私は泣いたりしなかった。
記憶の奥底に、下駄箱の靴を隠されたことがあるようなないような、それは夢だったかもしれないと思うようなうっすらとしたエピソードがあるけど、もし現実だったら、私は泣かずにくだらないと思ってスルーしたのだろう。大した記憶じゃない。でももし本当だったら、いじめだな。
中学になったら友達ができるようになり、笑うことも増えた。中学時代はわりと楽しかったというイメージがある。
そう思えば、私の小学校時代の学校は暗黒だった。ずっとじゃないけど、その2年間があっただけで、暗黒のイメージが深まるのだ。
いじめられてたのかどうかも微妙な、自覚のない暗黒というのもあるのだ。