雑文 #294 焦るな、私

久しぶりに二連休をもらったが、急な休みだったため、どこにも出かけなかった。
というか、予め決まっていてもどこにも出かけなかったのだろう。
仕事以外で外へ出ることはほぼなく、引きこもっている。
文字通り引きこもっていて、外に出るのはゴミを捨てる一瞬だけだ。

調子が悪い。

こないだ深夜0時まで仕事したが、ヨロヨロだった。
頭がうまく回らなかったので、歯痒さと疲れとで参ってしまった。

「年末はいつまでお仕事なんですか？」と度々訊かれる。
「さぁ…まだわかんないです」と私は答える。 そんな人もいるんだよね。

決して、仕事のストレスで調子悪くなっているのではないのだ。
私の中身の問題だ。

お休みをもらって、時間が余っても、何もする気にならない。
本当は、虎ノ門でやっている坂口恭平さんの個展が観たかったが、とてもとても出かける労力が足りなかった。
本当は、姪だけでなく、きょうだいたちにもクリスマスプレゼントを買い揃えたかったがそんな気力は起きなかった。
本当は、好きな喫茶店に行ったり身体をマッサージでほぐしてもらったり、新しい服を買ったりアップルパイとかスコーンとかシフォンケーキを焼いたり健康的なご飯を何品か作ったり、したいものだったのだが……
映画を観たり音楽を聴きながらちょっと念入りな掃除をしたり溜まったモノを整理したり、、、、

理想は尽きることはない。たとえ小さなことばかりでも。

「焦るな。まず焦らないことだ」
電話したら入院中の父が珍しく、心を落ち着かせることを言った。

ぶくぶくぶく。私はいま水の中でもがいているのだろうか。
静かにゆっくりゆっくり息を吐きながら体の力を抜いたら、ぷかぷか浮いてくるのだろうか。 
浮いてみたらきれいな青空と雲と空気を、心置きなく感じることができるのだろうか。

クリスマスがやってくる。