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雑文 #124
テレビの連続ドラマにハマることなどもう(ファンであるクドカンの作品以外は)ないだろうと思っていた。
それはかの「逃げ恥」を試しに観てみたら、なんかつまらなかったので(コメディのセンスが合わなかった…)、おそらく私はもう恋愛ドラマなど興味が持てなくなってしまったのだろう、枯れたのだろうと落ち込み気味に考えたからだ。
でもこのたび「カルテット」にガチハマりした。私としては珍しく、一度も逃すことなく観ている。よかった、枯れてなくて……
昨日観ていてはっと気づいたのだが、このドラマの根底には「寂しさ」が流れてる。それが私をまずは惹きつけているんだと思う。
ストーリーや台詞がいいのも、展開が大胆なのも俳優が生きているのも私を惹きつける要因だが、底にこんな寂しさがなけりゃ私はそう夢中になるまい。
寂しさと優しさだ。
昨夜はついに泣いてしまった。すずめちゃんの優しさに泣いてしまった。大きな嘘をついていたことを正直に謝罪する巻さんに、すずめちゃんは激しくストップをかけた。
「もういい」「どーっでもいいそんなの」と、半ば切れ気味に。とてもぶっきらぼうに。
優しい人って「優しくしてる人」と「心根が優しい人」のふたつがあると思う。態度だけ優しくて心が冷たい人ってたくさんいる。態度も心根も優しければわかりやすいが、本当に優しい人って得てして照れ屋だから、普段ぶっきらぼうな態度で優しさが隠れちゃってる人が多い気がする。そういう人って誤解を受けやすい。それに本当の優しさは、時には突き放すことだったりする。
まあそれは置いといても、このカルテットの4人はそれぞれ心根が優しいなぁと思った。それで泣いてしまったのだった。
考えてみれば私は音楽にも本にも映画にも絵画にも、あらゆる芸術の中に優しさを探して生きているのかもしれない。
それと私を惹きつけているのはミステリー要素だ。ユーモアのセンスも私の好みだ。あと一回。笑って終わるのか泣いて終わるのか。
ひたむきで愛情深くて大事な時には男前なすずめちゃんの私はファンだ。
すずめちゃんがんばれ。