雑文 #220 ハーベスト
「ハーべスト」という言葉が好きだ。
ビスケットのことじゃないよ。
やはり農民の血がDNAに入っているのだろうか。
しかも東北の農民。
まず黄金色に染まる稲穂の色が好きでたまらない。
それから順々に実りゆく植物たち。
食べられるものは収穫していただき、食べられない実も鑑賞して愉しむ。
この時期、いちばん田舎に帰りたくなる。
空気も空の高さも、移りゆく色のグラデーションも最高。
ああ、山に行きたい。山に行きたいなあ。
今日、秋田に初雪が降ったらしい。
もうそんな時期なんだな。
雪はきれいだけど、きれいじゃない側面もある。
北国の人は知ってるはず。
雪は汚い側面もあるし、かっこ悪い側面もある。
でもふわふわに積もる雪は圧倒的にきれいだし、初雪の情緒はたまらない。
一年も終盤なんだな。
ついこないだ、年初にコロナの恐怖が降ってきたんだよね。本当に今年は矢のようだった。
今年の収穫は少ない。
「家で楽しめる」なんて、発見したなんて言わないよ絶対。
私の場合、平時に充分おうちを楽しめていたんだから。
むしろ本を読めなくなり、音楽を聴けなくなった一年だった。
これをバネに、来年はたくさんの実りを獲得したい。
冬は好きじゃないけれど、春は必ず来るのだから。