
雑文 #150
絶対に違うんだけど、世の中で自分が一番不幸で、私以外の人たちはみんな私より幸福なんだと思ってしまう。
そうではないだろうと、頭ではわかっているのだけれど、どうにもそう思えてならないのだ。
五月病にかかっているのか。万年五月病なのか。
つらいことがあるときのために、普段から小さな幸せを心に集めておいて、いざつらいときに引き出して思い出してつらい気持ちを和らげる、というやり方を心掛けていたのだけれど、最近なかなか効かない。
東京に引っ越したあたりから毎月くるりのラジオで岸田さんにメッセージを読んでもらっている。
これは、私がメッセージ送り魔だとか、下手な鉄砲数打ちゃ当たる的なことではなく、送ったメールを全部読んでもらっているのだ。
これまでは書くことが思い浮かばなくて年2〜3回しか送っていなかったんだけど、ここのところ思いつくので送っている。
先日、ものすごい暗い気持ちのときにものすごい暗いメールを送ったら、悩み相談のように答えてくれた。
真面目に答えてくれた。
とても感激した。
風に当てればいいらしい。
「五月の海」という曲を聴きながら、風に当たって歩いてきた。
五年前の五月。
涙で体が溶けそうになるほど泣いたこと。
あなたは昔のことだと言う。
私にはたいして昔じゃない。
忘れられないわけじゃない。忘れようとしてるわけでもない。
過ぎ去ったこと。
地図になっていく。
浮き沈み地図の端っこで
動かなくなって 待つことに疲れて
沈む夕日と一番星が
出会うように地図の真ん中で
(くるり「五月の海」より)
もうこのことでは泣かないけど、私は後悔している。
そもそもの、30代はじめの、自分にとってはとても大事な時期にしてたことのいろいろを後悔している。
しても始まらないけど、せずにはいられない。
悔しい。
だからちょっと意地悪を言いたかったけれど、可哀想なので諦めた。
こういうことを言いたかったのだ。
私はそもそも間違ったのかもしれない。
あのとき気づけなくて残念だ。
ごめんなさい。
さようなら。
そう思いながら、紫陽花の花と花の隙間にその言葉を放り込んだ。
五月が終わる。