
雑文 #260 SNS世界だった頃
マッチングアプリが流行っているようだけど、あからさまにマッチングではなかったにせよ、私の10年前はマッチングSNSだった。
いや、ピークはたぶん2007〜2010年頃だったから、11〜14年ほど前か。
いずれにせよ、私はその頃無職で毎日家にいて、夜更かしをして、さみしい思いをしていたのだ。
昼間は概ね体調が悪く、夕方からマシになってくる感じだった。
新しい友だちがなかなかできない環境にいて、SNSでできる新たな繋がりは、私の単色の生活をささやかに彩ってくれた。
そこで出会った人々とも幾人か会った。
だからマッチングSNSである。
その自覚はなかったし、私は既婚を公言していたから警戒していなかったし、その前にある程度仲良くなったからこそ会った。慎重なつもりだった。
男子も女子もいた。
年上も年下も、同世代も。
もちろん気の合ってそれから何度も会った人もいたし、一度限りの人もいた。
夜の帳が下りる頃、私は日記のようなものを書き、そこに幾人かが集った。
罪のないくだらない内容も、重たい内容もあった。
私が入眠障害でひどく遅い時間に更新してるのを、不思議に思ったり心配のようなことをしてくれた人もいたし、一緒に夜更かししてくれた人もいた。
今考えると、楽しかった。
現在はマッチングSNSのようなことはほぼ起こらない。
私がさほど求めてないせいもあるのかも。
でもあの頃楽しかったことを、十数年間経って、妙に懐かしく思う昨今。
あの頃に近いいまの心の状態。
戻りたい?と訊かれれば。体調的には戻りたくないのが本音だけど、楽しかった日々をともに過ごしたこと、あなた方のことは忘れない。