雑文 #168 くるりオンラインライブ in 磔磔
「オンライン○○」というもののブームの波に乗っていなくて、いちおうオンライン飲み会もセミナーも少し経験はしたがあんまり気が進まない私だ。
けれどもくるりがオンラインライブをやるとなればそれは観なければならない。
チケット代が発生して開催されるオンラインライブは、音や構成にこだわりもあって観る価値のあるものだということは知っていた。
知っていたが、そんなに気持ちは高まらなかった。
「どうせ、本当のライブに行きたくて行きたくてたまらない思いがさらに強まるんだろう」
そう思っていたが、結論を言うと、やっぱりそうなった。
そうなったし、最後に告知で「京都音楽博覧会2020オンライン開催決定!」っていうのが出たときは、またガックリきてしまった。
わかってたはずだった。フェスなんて開催できないだろうって。
でも現実に決まると、ガックリくるのである。
私はそうして「ライブに行くこと」を糧として、悪く言えば依存して、ここ10数年生きていたんだな。
本当にバカみたいだけど、この倦怠感くんと憂鬱ちゃんの大きな一因は、ライブに行けない、という現状と未来なんだよ。
まるで子供みたいだけど、私はそうなんだよ。つらい…
でもやっぱりくるりのオンラインライブは、ただ話しているツドイという無料の動画配信より何倍も何十倍も、心に力をくれるものではあった。
その前のワクワクと、どんなセットリストでやるのかというドキドキ、メンバーがライブハウス磔磔に集まっていくのがSNSで見え、私も万全の準備をしてPCの前へ。
くるりの音を聴けばやっぱり安心し、次は何の曲が来るのかと前のめる。
ドラムのボボさんと3人でやってた頃のサウンドが聴けて、それは去年ぐらいにくるり好きの友人に私が熱弁していていた希望であったので、いま叶ったということに気がつく。
くるりの音は、現在のバンド編成が見事に完璧で、いろんなことができる。けど、シンプルにヴォーカルギター・ベース・ドラムスの編成でゴリゴリした音で、また観てみたいなって、ここんとこ思っていたのだ。
要望書を書いたわけじゃないのだが、叶ってしまった。
ボボさん風味の「鍋の中のつみれ」(初聴き!ベース素敵!)から「麦茶」(久しぶり!)、「温泉」(くるりにしか成し得ない世界観)、「目玉のおやじ」(この曲のイントロがいちばんテンションあがった)、「コンバットダンス」そして「東京レレレのレ」(なぜか泣きそうになった)…この辺が個人的に良かった。
「Liberty&Gravity」を演奏してくれたのは私のマインドにも良かったし、「心のなかの悪魔」初聴きで震えたが、これ生で観たらどうだったんだろう…と考えずにはいられなかった。
きっとものすごく元気や活力をもらえていただろう。
伝わったと思う。ちゃんと伝わっていると思うけど、やっぱり現場の何分の一とかなんだなぁ。
というわけで、毎年行ってる音博がオンラインで東京から観るものと決定してしまったとき、私はガッカリすることしかできなかった。
他のファンの人たちは「開催の知らせうれしい!」とばかりつぶやいているのにね。
私が子どもなんだか。だから私は仕事でも好きなものしか売れないんだろうか。
正直でいいと、それが生きる道だと、誰か言ってほしい。