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雑文 #105
10月は音楽をあんまり聴かない日々だった。
ラジオと、店にいるときのBGM、またそれすらラジオになることも、時には無音のときもあったくらい。
でもここのところ、THE AVALANCHESの『WILD FLOWER』に夢中だ。
新譜らしいんだけど、全然知らなかったんだけど、完全に岸田繁さんの影響で、買った。
ラジオで流れ、「こ、これは…‼︎」と思って、9月ぐらいにポチって、毎晩聴いていて、やがて東京滞在中聴かなくなり最近また毎晩聴くんだが、これがもう…何も言えねえ…
てか、言うけど、どれもこれも素晴らしく気持ちよく、「私は寝る前にこれを聴く時間があるからひょっとして生きていけるんじゃないか?」と思えるほど。
毎晩そういう幸せな気になっては、毎翌朝リセットされるんだけれどもね…
私はこういう、(ど素人だから何と表現するのが的確なのかわからないけれど、)ジャンルがイマイチわからないような、ワールドミュージック的な、幾分黒人的リズムが入った、でもコテコテではない、どこか民族音楽的で懐かしい、でも決して古くさくない、トゲトゲしてなくて柔和で、これ見よがしにかっこつけないのに心底かっこよい音楽がすきなのだ、たぶん。
書いててよくわからなくなってきましたが、これ、たぶんももんが的2016年イチの名盤です。
アヴァランチーズはしばらくアルバム出してなくて、十何年間振りかに本作を出したみたいなんだが、他のもこれくらいいいのだろうか。
いいのなら、買わねばならない。
くるりがニューアルバム出さないから(『THE PIER』2年以上前だぜ?ほんと忙しそうだから仕方ないにしろ)、『琥珀色の街、上海蟹の朝』がいかに素晴しかろうと付属CDが信じられないほど豪華だろうと、私はやはり、ニューアルバムなんだな。
『くるりの20回転』出してくれたにせよ、やはり新曲いろいろ入った一枚の渾身の、アルバムなんだ。
読書はエッセイではなく短編小説ではなく断然長編小説がすきであるようにね(例えちょっと違う?)
ところでWILCOの『SCHMILCO』もいい。
この紙ジャケの質感がものすごくすきだ。
気づくと撫でたりしてた。
デザインもいいし、さらりとしていながらレトロ感ある紙質?…私はちょっとした素材フェチかもしれないと前々から薄々気づいていたのだが。
ちょっと曇ったような画風が、紙質にも反映されているのだ。
音楽は、安心感があり、ソフトにロックで、狙ってないだろうにオシャレだ。
そう、オシャレと言えばアヴァランチーズはこの上なくオシャレだと思う。
いちいち洒落てるんだけど、なんか鼻につく〜みたいなとこが私には感じられない。そこがまた本当に、オシャレだ。
日本語の歌はダサい、とか思わない。まさか。こんなにくるりがすきなのに。
でもここのところ、日本語詞がちょっとキツい。あんまり聴いていたくない。できれば身にスッと入ってこない外国語詞の音楽を聴いていたい。もしくはインストゥルメンタルを。そんな時期なのだ。
そんな今日この頃、次のライブが岸田繁交響曲第1番だというのは、なんてグッドなタイミングなんだろう。
私はとくにクラシック音楽ファンではないが、これも岸田繁さんの影響でちょこちょこ聴いていたら、オーケストラの演奏とかピアノ曲とかってわりと聴いてた時期があったと思い出した。
吹奏楽部に所属していた中学の頃に演奏していた曲や、それをきっかけに他にも興味を持って聴いていたので、ずいぶん昔だが、やはり耳の成長期に聴いていたからか妙に残っていて、すきなフレーズにわくわくしたりする。
なんか、岸田さんや指揮者の広上さんがおっしゃっていたことを自分なんかが言うのは恐縮だが、私は昔からジャンルの垣根なしに音楽を聴いていた人間なのかもなあと思う今日この頃です。