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雑文 #239 くるりのマーチ

くるりのトランペッター・ファンファン(以下・ふぁんちゃん)がくるりから脱退した。

私はそれを岸田繁さんのnote 近況と雑感 で知った。2日前だったかな。

正直心底驚いた。
岸田さんの文章は、次回出るアルバムの『天才の愛』のことに終始していると思って読み進めていたので、最後の文章にびっくりし、ショックを受けた。

くるりからファンファンが去ります。3人で作り上げた『天才の愛』は永遠の記録です。


この文章、次の新譜ができたことの喜びや聴いてほしい気持ちを綴られたのだと思って読んでいたので、最後のところで驚きで心が膠着してしまったのだ。

何しろ、SNSとか情報をマメにチェックしなくなっている昨今の私なので、ふと岸田さんのnoteが更新されていることに気づいたタイムリーさで、読んでみたらとても重要なことが記されていたのであった。

「もしかして、私の読み違いなのかもしれない」とくるりオフィシャルを見てみて、ふぁんちゃん自身の心のこもった文章を読むにつけ…いやその前から、涙は否応なく流れてた。
「私なんでこんなに心が揺れているのだろう?」と思ったが、結局それは私がふぁんちゃんを大好きだったことの素直な現れだったように思う。

個人的に、ふたつ、思った。
ひとつは単純にとても残念だということ。
「soma」「最後のメリークリスマス」「loveless」のふぁんちゃんの鳴り響くトランペットの音が私は切なくなるほど好きだし、他にもいっぱい彼女の印象的な音がある。

次回作『天才の愛』は是非彼女の音色でライブを聴きたかった。

ふぁんちゃんはすでに脱退したのだから、叶わない。
(すでに、というのが悲しい)

でも辞めることやそれを告白するのには相当な覚悟が要ったと思う。

かつて吉田省念さんが脱退したとき、ふぁんちゃんは岸田さんと佐藤さんに向かって
「私はずーっとくるりです」と泣きながら言ったと言う。
これはいつかどこかで岸田さんが言っていた記憶があるが、私は随分心強く思った覚えがある。

ずーっと好きでいてくれること、想いは消えない。
だがずーっとくるりにいてくれることは叶わなかった。

私は岸田さんの 近況と雑感 を読んで最後に愕然としてすぐに泣き、泣けてきたことで、自分がふぁんちゃんのこと、大好きだったことを痛感した。

大好きだから、自分の道を行き、後悔しないでほしい。
これがショックの後に、浮かび上がってきたふたつめの気持ち。

思えばこの大事なことを、岸田さんの口(文章)から初めて聞いたのはよかったのかもしれない。
SNSのザワザワとか友達からの情報じゃなくて、あの文章で知ったからこその重みと実感。

くるりはまたカタチを変えて、くるりらしさを根底に潜ませつつ変わってゆくだろう。
それが楽しみだという意見はあるようだけれど、私はまだ今はふぁんちゃんの脱退が残念で悲しい。
彼女の吹く姿勢、笑顔、照れ、演奏中のかっこよさとかわいさ。
すべて記憶しているよ。
良い家庭を育んでいってください。

最後ライブでお別れをしたかったのが残念でならない。
できれば生で観て最後にしたかった。
拍手で送り出したかったのだ。

来月出る新しいアルバム、どんな気持ちで聴くのだろう。

新しいくるりに、なおいっそう期待したい。



#雑文 #日記 #散文 #くるり #春 #沈丁花

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