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雑文 #273 8月も終わる夜
外に出ると、秋風が吹いた。
昼間はぎらぎら暑いけど、夜は正直なのだ。
植物も正直。ヤブミョウガの白いかわいい花は、実になると、いろんな色に変化して、最後は世にも美しいブルーとなる。
へんな夏だったけど、海にも行ったし(夜中、仕事帰りに)、花火もしたし(妹の家のガレージで)、ビールもいっぱい飲んだ(ひたすら家で)。
相変わらず食事は作りたくなくて、家事をするのがいやで、買い物もきらいで、困ってしまう。
ネットショッピングすらいやなのだ。
この夏洋服は一着しか買わなかった。
変わったことといえば、友人と一緒に博物館に行ったこと。
友人と会うのが久しぶりだし、美術展や映画や音楽ライブのようなものは普段ほぼ一人で行くからだ。
東京国立博物館へ「聖林寺の十一面観音展」を観に行った。事前予約制。
特別展の内容は少なかったが、常設を観て満足を得た。国宝の刀とか、漆工芸とか、焼き物とか。
その後博物館のショップで買い物をした。別の友だちへのプレゼントを買って、久しぶりに買い物を楽しむことができた。
長時間ではなかったが、友だちと会って話すことができて縮こまっていた心が少し開けた気がする。家族や仕事関係の人と話すのとは違うのだ。私はおしゃべりな方ではないけれど、気の合う人とのおしゃべりを愛している。普通の会話を愛している。