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雑文 #267 夏を待つ
百日紅の花が咲いていた。
夏が来るのだ、と思ってハッとした。
毎日ぐずぐずした天気だけれど、夏はちゃんとやってくる。
私の心もぐずぐずしているけれど、そのうちぱっと晴れるだろうか。
待つしかない。
天気も気持ちも、晴れるのをじっと待つしかないのだ。
毎日、いろいろ、めんどくさい。
前にも書いたが、食事を作るのがいやになってしまったのがショック。
お弁当を作って持って行っていたのに、いまではほとんどコンビニだ。
飽きながら、食べている。
栄養的にも気分的にも、なんか損しているような気がする。
だけどいま壮大な「めんどくささ」には勝てない。
もはや私は何もしないでボーッとする時間ができた。
これまでは、家での時間も何かとあくせく、画面を見たり本を読んたり家事をしたりしていたのに。
それを全部放棄して、ただひたすらボーッとする時間。
ボーッとしながら、ちらほら、とりとめもなく、何かを思い出したり考えたりしている。
そういうの、良い景色を見ながらやったら清々しいんだけど、所詮は小さな部屋の中。
箱の中で考え事をしている。
まるで缶詰だ。
健康的でない。
少しは行動に出ないと。
でも時期じゃないんだよなぁ、きっと。
夏がくれば、きっと。
新しい思い出だってきっとできる。
夏草のにおい。夜の虫の声。
くさくさした気持ちだってどこかへ飛んでいく。
暑さは苦手だ。湿気も苦手。
私は夏が好きではないのに、いまはこうして夏を待っているのだ。切に。