マガジンのカバー画像

読書日記帳

25
読書記録をまとめます。
運営しているクリエイター

記事一覧

人間標本 四原色の世界

 私の生活は近頃怠惰だ。  以前の自分を取り戻すきっかけになるかと思い、図書館に行き本を…

Momo
5か月前
2

読書日記:ムーン・パレス 語られる三つの物語

 ゲーム実況動画の「ファミレスを享受せよ」を視聴していると登場するムーン・パレスというフ…

Momo
8か月前
7

読書日記:すーちゃん 自分らしさを肯定する方法

 母の日にプレゼントした益田ミリのすーちゃん。  すーちゃんシリーズの一作目を知ってはい…

Momo
8か月前
4

読書日記:君と夏が、鉄塔の上 繋がれた手はまるで送電線

 読むきっかけはAmazon Prime Readingで読めるタイトルになっていたから。三人称のファンでは…

Momo
9か月前
11

読書日記:こっちをみてる。 この世界が僕に見せる顔

 有名な怪談えほんシリーズで伊藤潤二が絵を描いているものがあると知り、書店へ行った。  …

Momo
10か月前
10

読書日記:ハツカネズミと人間 忘れなかった約束

 この本は、図書館で購入リクエストがかかって購入された本で、装画がお洒落、手軽に読めそう…

Momo
10か月前
11

読書日記:六人の嘘つきな大学生 人は多面体

 私が地元の図書館で勤めていた頃、よく来館してくれる利用者さんがいた。 彼は毎週金曜日の夕方頃に来館し、本を借りていく気の良さそうな人だった。  本屋大賞の作品で、ミステリー小説はありませんか?     ある日たずねて来たので、私は読んだことはないが「六人の嘘つきな大学生」をすすめた。 この本は確か本屋大賞を受賞しており、利用者の希望通りミステリー小説だと記憶していたからだ。     彼はそれを借りて帰り、翌週の金曜日には嬉しそうに返却に訪れた。  この本とっても面白か

読書日記:夏への扉 求める未来へ

 前回の投稿が4か月前になり、随分と投稿の間隔が空きました。     私は2024/12/24に統合失…

Momo
11か月前
7

読書日記:52ヘルツのクジラたち 聴こえない心の悲鳴

 書店でよく見かけていた「52ヘルツのクジラたち」。 本屋大賞も受賞したんだっけ?曖昧な…

Momo
1年前
5

読書日記:告白 異なる視点の1つの物語

 私は家族の誕生日に本を贈っている。 妹の誕生日が近づいてきたこともあり、書店で贈る本を…

Momo
1年前
13

読書日記:宮辻薬東宮 人の記憶と物の記憶

 図書館勤務の私が本棚の書架整理をしていると、一冊の本が目に留まった。背表紙には「宮辻薬…

Momo
1年前
3

読書日記:一九八四年 過去や人をも変える権力

 それは一度友人から借りたことのある本だった。 「ディストピアな話だから読みづらいと思い…

Momo
1年前
12

読書日記:呪われた町 恐怖との対峙

 台風6号の接近に伴い、スティーブン・キングの呪われた町をkindleで購入した。 ダウンロー…

Momo
1年前
1

読書日記:同志少女よ敵を撃て 動機を階層化すること

 戦争映画を観るのとは違い、読むのは難しそうだと考え、本を手に取るのを一瞬ためらった。  しかし、いざ読み始めると、戦争で親と村を失った主人公のセラフィマがどう生きていくのか気になり、苦なく読み進めることができた。  少女セラフィマは親と村を奪った仇を討つことを目的とし、狙撃兵として訓練を受け成長する。 その仇こそ当時の彼女の撃つべき”敵”だった。  狙撃兵の訓練を終え、作戦に参加する前。 教官イリーナに戦う目的を明確にせよと言われ、「女性たちを守るため」だとセラフィマ答