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北海道ノート 7月の大雪縦走 Day2


2023年の大雪のお話
二日目のルートは
錦泉台→赤岳→小泉岳→緑岳→大雪高原温泉
昨日より長丁場のコース。

ガイドさんによると、今日の方がしんどい。
水場が無いので、たくさん水準備して下さい、とのこと。
よって、ゼリーも含めると3リットルぐらい背負った。
アイゼンもあるから重い。。


おおらかな裾野の錦泉台

少し登ると山様を一望できる登山道に。
なんとも広ーい眺め。
溶岩が広がって出来たんだろう、緩やかな山裾。
ここから見える一面の紅葉がとても綺麗らしい。
だから錦泉台と名付けられた。

ゆるやか~に広がる緑の海。溶岩ぶわ~って流れたんだな、ってわかる

でも、実際は結構な傾斜。
雪渓を横切るときは狭い道を踏ん張って歩く。
降りてくる人とここですれ違うのはドキドキ。
なんせ、滑ってしまうと谷底までひっかかるものが何もないからな。
少し緊張。

雪渓とお花のリプレイ

雪渓は結構ある。
横切るのもあれば、登り詰めるのもある。
その間にジンヨウスミレという大雪オンリーの子がいたり、
コマクサが現れたり、緊張と歓喜の繰り返し。
なので、コマクサ平まで、飽きることなく、というか一瞬だったような気がする。

他のスミレに比べて上の花びらが大きいジンヨウキスミレ。ネズミの耳みたいでかわいい。葉のギザギザが不揃いなテキトーさもなんかかわいい。

ちなみに、雪が少な目で、ツボ足で登ってこられた。
チェーンスパイクを持ってきた方は、例年の雪だと危ないから連れて行かない、とガイドさんに言われていた。
確かに傾斜がきつい雪渓もあったな。
でも今回はアイゼン着脱がなく、めちゃ楽。
のんびりペースでも予定より1時間ぐらい早め。

雪渓を登り詰める我々一行。

コマクサ平は楽園

その名にふさわしくコマクサがたくさん。
これまでちょぼちょぼとしか見てなかったので、
特有の変わった形の花がこんなにたくさん揺れているのを見ると、別の世界に来た気になる。

地上部よりもずっと長い根を張り、礫地を逞しく生き抜く。
さぞ強いのかと思いきや、解説によると、過ごしやすい条件では他の植物に勝てなかったので、ライバルが少ない過酷な環境を選ぶしか無かったらしい。
今の環境が無くなると簡単に絶滅してしまうような弱い子なのだそう。

群生て言ってもこんな間隔なのは、お互いを思ってか?

かわいいリスちゃん

前を歩いていたガイドさんが、急に立ち止まる。
めちゃ小さい声で、
「リス。。」

なんと、登山道のロープの杭にちょこんと座ってる。
私達を見つけて、ハイマツの中に隠れて逃げるけど、行く先が同じなのよね。。
出てきては私達に驚き、また隠れ出てきては私達に驚き、を繰り返し、さすがに悟って違う方に逃げて行った。
先頭の5人ほどしか見れなかったのよね。後ろの人に申し訳ない。

お腹真っ白ふわふわ。

赤岳から見える昨日の私たち

赤岳付近はハイマツもなくなり、一変して礫地が広がる。少し異星感が漂う。
そんな赤岳は、緩い丘に不思議に岩がいくつか鎮座した、奇妙な山頂。
なんでこの岩は噴火のときここに残ったんだろうか。

お鉢の辺りを見ると、昨日歩いた稜線が見える。旭岳も見える。
歩いていた私達は、点々の様に見えただろうな、と想像する。
こちらの道との間に谷があるのが、昨日は昨日、今日は今日、と区切られてるみたいだ。
今日は今日の行くべき道があるからね。

どれがどの山か、私にはわかる。と、偉そうに言ってみる。

チョウノスケソウにホソバウルップソウ

この辺りには、道外から来た私たちを歓喜させる花がたくさん咲いてる。
やはり皆がいちばん食いついていたのはチョウノスケソウとホソバウルップソウ。
特にホソバウルップソウなんて、北海道に来た!って実感する名前だし。

チョウノスケソウ、やっぱ名前がね。私的にはゲジゲジした葉が好き。裏は毛がビッシリで、なんか虫っぽい。
ホソバウルップソウ、やっぱ名前がね。遠いとこ来た!ってテンション上げてくれる子。

さよなら御鉢

なだらかな稜線を歩いて小泉岳まで来た。
小泉岳もまた山頂らしくなく、道の途中に標識だけ立っている感じ。
ここからは白雲岳がよく見える一方、御鉢は少し遠く見えた。
ここから御鉢をそれて、違う山塊に向かうのだ。
御鉢をもう見納めかと思うと急に淋しくなる。
さよなら御鉢。
また来たい。

小泉岳から旭岳がくっきり。何気にここは2150mも標高があることにびっくり。

礫地じゃないよ、お花畑だよ

道はまだまだ続いてる。
一見礫地に見えるけど、小さい花がたくさん咲いている。

よく見てね。点々は全部お花

リシリリンドウ、エゾオヤマノエンドウ、エゾタカネツメクサ。

前から伝令で教えられた花は○△×□ヨモギ。
え?
○△×□ヨモギみたいな。。モニョモニョ
○△×□ヨモギ、、ですね?

正体はシロサマニヨモギ。あまりに聞き慣れない、由来も想像できない名前に、覚えられずみんなモニョモニョ唱えてた。
さすが北海道っぽい名前。
白いサマニ(地名)ヨモギ、だった。

毛深くフサフサ。大雪で見た子は毛が生えてる花が多い。やはり寒いから?

ヒグマに注意・・

唐突にこの看板。
ちなみにこの記事は2023年のを今頃書いてます。
2024年の事じゃないよ。
ややこしくてすみません。

それにしても、白雲岳避難小屋の制限は、トムラウシに行く人にとっては痛いだろうな。
写真で見る限り子熊かわゆい。

ヒグマの写真を撮ってる人たちを撮ってる写真。

すばらしい眺めの緑岳

高根ヶ原が一望できる、すごいダイナミックな景色。
トムラウシへ続く道も見送れる。
緑岳から下って行く道が、これまたすごい眺め。
ハイマツ帯だから下までズドンと見える。
変わりゆく高根ヶ原の見え方を楽しみつつ、
トムラウシに最後の別れを告げつつ、
でも急な上に岩ゴロゴロなんで四苦八苦しながら降りた。
好きだわ、緑岳。

その先の雪渓を渡る道まで見える

ナッキーの声!

ここはナッキー(ナキウサギ)スポット。
最後尾であるのをいいことに、耳をすましながらゆっくり歩いていた。
後ろのガイドさんも、同じく遅い。

すると、キー。
(だか、ジー、だか、ギー、だか)

ガイドさんへ振り向くと、ウンウン。

思わず、
ナッキー!
と声出してしまった。
これがいけなくて、姿どころか、鳴いてもくれなくなってしまった。

反省しつつも、ナッキーが近くにいてくれて
めちゃんこ嬉しい!

ふりかえって、さよなら緑岳

その先の雪渓で、歩く練習してたら雪解け水にはまって片足びしょ濡れになる、という失態を犯しつつ、最後の木道まで来た。

振り返って緑岳を見ると、でんとした雄大な佇まい。
こんな落ち着いた様子の山だったんだ。
この先はもう見ることができない。
緑岳も大雪山もさよならである。
楽しかった。
感動した。
ありがとう。

さよなら、バイバイ。また来るよ。

着いたところは地獄窯

やっと終点に着いた!
ホントお疲れ!
って清々しい気持ちになったのも束の間、
硫黄臭い、、モクモクしてる。って驚き。
本当に硫黄が立ち込めてる。

泥が沸騰している地獄窯みたいなところもあって、
なんかすごいところだな。。
この泥には絶対に落ちたくない。。
大雪山二日間の感動と達成感が一瞬吹き飛ぶぐらいのインパクト。

着いた着いたと歓声も束の間、何ココ!?ってなった

おまけ のヒグマセンター

大雪高原温泉にはヒグマ情報センターがあって、
沼めぐりをするときはここでレクチャーを受けていくらしい。
奥の沼から高根ヶ原にかけてはヒグマスポットで、
遠くからヒグマを見ることができる。

ここのお姉さんに、ヒグマにはよく会いますか?

ってきくと、

ええ、昨日も会いましたよ。

えええーってなった。
そんなときはどうするのか尋ねると、
すぐ近くだったので、
ウワゥ、ウワゥ、って声をだして、私いるよって教えたらしい。
教えず立ち去りたい気分だが。。
お互い一定の距離を保ってスーって離れました。って。

お姉さん、大人しそうな方なんだけど、
めちゃ肝が据わってる。。
私は同じように振舞える気が、これっぽっちもしない。

この子は雄で、結構大きい方らしい。手の大きさが。。子熊はとってもかわいいのに。


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