【掌編小説】あなたの苗字に変わる私
「私、あなたの苗字に、変わるのね♪」
彼からのプロポーズ。もちろん、返事は、
「Yes! 高須クリニック!」
……じゃなくて、
「Yes! We can!」
オバマかよ!
「今日は、もう一つ、大事な話があるんだ……」
彼は神妙な面持ちで、そう切り出した。
何だろう?
「実は……」
彼が話し始めると、お互いに、緊張の夏、日本の夏、……違うか!
私はドキドキして、
ー ゴクリッ! ー
生唾を飲み込んだ。
「実は……、僕の苗字、先祖代々『川留(かわどめ)』だと思っていたら、最近、調査したら『川留(かわる)』だったんだ!」
「……ってことは、私、苗字が変わる! 苗字が『川留(かわる)』ッ?! あなたも私も『かわる』に変わるッ!」
「かわるがわる、どうも、すいやせ~ん!」