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投資の基本の前提条件【長期分散インデックス投資】 

【よく聞くNISAのあの方法】

お金を増やすために投資をする。
今回はこのプロセスというかフローというかを少し分解して、より理解しやすく砕いていこうという記事です。投資によってお金が増えていく仕組みと流れを理解することで、その先の目的に合った投資ができるようになるはずです。
投資には様々な手法がありますが、NISA入門としてよく聞くのが
「長期分散投資として毎月積立で全世界指数連動型投信を購入する。」方法です。このプロセスがなにを意味するのか、深掘りしていきます。

【そもそもの目的は?】

皆さんは何のために投資をするのでしょうか。
老後の資金、生活の安定、お金をほっとくのももったいないから、人によって様々だと思います。共通しているのは「お金を増やしたい」点でしょう。
お金が欲しいから投資する、改めて言うとあれですが、これに尽きると思います。

投資によるリターンは大きく分けて二つです。
・キャピタルゲイン(値上がり益):投資した資産の価値が上がることで得られる利益
・インカムゲイン(配当・利息)株式や債券などから定期的に得られる利益

株式投資に置き換えると
①今後成長していくから(企業価値上昇による株価上昇)
②配当金がもらえるから(企業が利益の一部を還元することで得られるお金)
のどちらか、もしくはその両方が期待できるかで投資判断をすることになります。
この点、当たり前と言えばそうなんですが、投資判断において非常に重要なポイントです。

例えば、過去に高配当を出し続けている企業があったとしても、将来的に成長が見込めなければもらった配当金以上に株そのものの価値が下がる可能性もあります。そして全く配当金を出さない企業の株でも、株の価値が2倍3倍と膨れ上がれば配当無しでも十分なリターンを生んでいると言えるでしょう。

【どこからお金を増やすか】

この視点は投資対象が株でも債券でも投資信託でも共通したものです。そして将来の成長に投資するか、配当金を狙うのかかで投資手法や投資先はガラッと変わります。すごく大事な視点なんです。
例えば、配当金を重視した投資をするなら日々の時価変動はある程度無視しても大丈夫ですし、今後の企業価値上昇を狙うなら配当金がいくらだとか、なんなら配当金が0でも構いませんからね。

では巷でNISAのセオリーとされる「長期分散投資」の考え方はどうでしょうか。これは基本的に成長投資に期待する方法です(もちろん配当も発生してはいますが)。
超ざっくり言うと、市場と言うものは拡大し続けるものです。どこの国が、どこの企業が、どの業種が発展していくかはわかんないけど、まぁ世界全体ひっくるめると世界の市場は成長し続けるよねってこと。この、世界市場の成長に期待する商品がよくNISAでおすすめされる「全世界指数連動型投資信託」(通称オルカン)です。

つまり
「長期的に、世界は成長するから、世界中に投資しときゃ間違いないよ論」です。
短期的には下落もありうるけど、長期、超長期で見ると上がるんだから気楽に上がるまで待とうね的な考え方ですね。

他によく聞く「S&P500」は世界全体じゃなくてアメリカ市場の成長に投資する方法です。この二つがNISA投資でよく選ばれる投資信託かと思います。(全世界といっても内訳ではアメリカが半分以上占めちゃうんですが。)

※為替変動リスクを回避するためのドルコスト平均法による購入はまた別の記事でと言うことでご容赦いただきたい。

【基本が基本である理由】

ここまでの内容で気づいて欲しいのは、
「長期分散投資として、毎月積立で全世界指数連動型投信を購入する」
と言う戦略は、一定の前提条件のもとで成り立っているという点です。

例えば、世界全体の市場が成長しないとしたら、この理屈は成り立ちません。アメリカの成長が見込めないのであれば、S&P500への投資は避けるべきです。
長期ではなく短期でしか運用を想定しない場合も要注意です。過去の実績として、長期で見ると市場は拡大し続けていますが、短期で見ると下落し続けることはザラで、タイミングによっては大きな損を抱えることになりかねません。それならば配当金を重視した運用も選択肢としてはありかもしれません。

例えば私が定年退職して年金も受け取っている親戚にNISAの話をしたときは「一括投資で高配当目的」での投資をすすめました。真逆ですね。
もちろん生活防衛資金の確保をして、値下がりにメンタルが耐えられるかを考慮して一括とはいえど余裕金の一部からという前提ですが。
高齢者の投資の場合、超長期の投資の前提がまず難しかったりしますし、退職金や今までの貯金でまとまったお金をすでに持っている方も多いです。人生のフェイズが貯めるではなく使うに移っているんですね。銀行貯金として利息もつかず円のインフレリスクを抱えるよりは年金にプラスして配当を受け取れるような運用方針を示しました。
この例にあるように前提が変われば投資の「基本」とされる戦略も、人によっては適切なものは異なるのです。
ちなみに、未来のことはわかんないから自己責任だよって話は最初に念をおしてます。一番大事なことです。

【まとめ】

ここまで書いておいてなんですが、私も投資初心者がNISAを始めるなら「長期積立でS&P500か全世界指数連動」が定石だと思います。
ただし最も大事なのことは「未来のことは誰にもわからない」「お金の判断は自己責任で行う」ということです。
絶対の正解を求める気持ちはわかりますが、投資には正解はありません。
だからこそ「誰かの成功パターン」ではなく、「その背景にある理由」を理解し、自分の状況に合わせた投資をすることが大切です。
先人の知恵や経験をフルに活用することは大切ですが、それに縛られないように。誰かが見つけた誰かの正解を参考にするときは、その背景にある理由こそが重要だったりします。

私のNoteでは私なりの考え方を記録し、共有していきます。私の考え方が誰かの考え方の参考になれば幸いです。

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