好きと理性
多分好きかもしれない。
少しでもそう思ってしまう、またそのような自分の意思を認識してしまうとその思いは本当に少しであったとしても物凄い勢いで大きく膨らんでしまい、自分の頭の中を占領してしまう。
それが凄く嫌だ。
恋をすると当然のことなのかもしれないが私は凄く嫌。
それに囚われてしまうような、意識し過ぎてしまうような。なんだか恥ずかしくて苦虫を嚙み潰したような顔をしてしまう。
なんでこんなにも嫌なんだろうかと考えた。
好きは好きでいいけれどそれで終わりだから。好きになると大抵もっと仲良くなりたい、相手のことを知りたい、付き合いたい、などと考えるのだろう。私はそうならない。好きだとしても別に何もない。それに十中八九相手は私に対して興味を持っていない。というか持たないでいて欲しい、とまで思う。私が勝手に相手を良い人だな、と思い、私の中にいる私が私に「好きなんじゃないの?」なんて問いかけてきただけ。
こういうことを考えたり思ったりすると私は非常に拗らせた人だと痛感してしまう。
心臓をえぐられるような。みぞおちから手を入れられて肋骨には触れずに心臓だけを確実に狙ってみちみちと圧縮するかの如く握り潰される感覚になる。