苦節10年
ちゃ~は私が野良猫に餌をあげた最初の子です。
いつの間にか我が家の台所の外壁に設置してあるエアコンの室外機の上にちょこんと乗っていました。
我が家にはその頃タヌキ一家もご飯を食べに来ていましたが、時間帯が違うこともあり双方揉めることもなくお腹を満たして帰って行きましたよ☺️
ある日ちゃ~は子どもを二匹連れて来ました。しばらくは親子で食べに来ていましたが、その日ちゃ~だけ来ない❗
ははぁ~ん、子別れだなと思いました。
猫も野で暮らすと子別れします。自分の餌場を子ども達に譲って自分は来なくなります。
そこで私は子ども達に言いました。
子別れなんかしなくて良いから、お母さんに食べに来るように言いなさい❗と
驚いた事にちゃ~は翌日食べに来ました。子ども達が私の言った事を理解してちゃ~に伝えたのでしょうか?
かくして私とちゃ~の長い付き合いが始まりました😅
私が離婚してその家を出てから公園やテニスコートの裏等点々と餌場は変わりました。とてもきつい飼い猫に邪魔されちゃ~が怖がったためです😢
そうこうしているうち、6,7年過ぎた頃です。ちゃ~は私の足に体を擦り付けるようになりました。そして日を追うごとに、背中を触らせ、体全体を触らせ、少しならお腹に手を回し持ち上げることもできるようになりました。ある日からちゃ~は別れを惜しむようになりました。餌を食べ終わってからもその場からちゃ~は動こうとしないのです。
「ちゃ~、母さん帰るよ」と言うと渋々着いてきます。
そして私を送りながら人家の庭に姿を消すのです。
「ちゃ~、一緒に暮らしたいね~母さんの家はあの道を真っ直ぐ行ったところなの。ついておいでよ」と私は歩きながらちゃ~に話し掛けました。
でも私は迷っていました。
10年以上も外にいたちゃ~を家の中に入れて大丈夫だろうか?
先住猫に馴染んでくれるだろうか?
ちゃ~にとって本当の幸せはなんなのかと迷いながらも「ついておいで」と言っていました。
ある日買い物に行こうと車に乗りかけた時、私の住まいの周りでは見たこともないさび猫の胴体半分が見えました。しっぽはひょろひょろと長く天にのびていました。
「あっ、ちゃ~だ❗様子を見にきたんだ❗❗」
私は直感しました。そして決心しました。
「やはり連れてこよう❗❗」
ちゃ~を連れてこようと決心したその日から毎日一回はちゃ~のお腹に手を回し持ち上げる稽古をしました。
以前不妊手術をするために捕獲器は使っていますので再度使うのは難しい・・・・・そこで私はキャリーバッグを立てて、ちゃ~の後ろ足からストンと落とし入れることにしたのです。
何日も何日も傍らに立っているキャリーバッグを想像しながら稽古しました。
そしてその年の大晦日、除夜の鐘とともに私は遂に決行しました。
餌をいつもの半分くらい食べさせ、少しちゃ~がほぉ~っとしているとき、私はちゃ~を静かに持ち上げキャリーに入れました。ちゃ~は分かっているようで暴れはしませんでしたが、さすがに顔がキャリーに潜るあたりで、一瞬恐怖に襲われたようでシャーっと吹き付けました。
しかし難なくファスナーをしめ車迄まっしぐらです。
成功です。《*≧∀≦》
たった一回で成功です。♪ヽ(´▽`)/❗❗
これでちゃ~も暖かいお正月を迎えられる 😄
我が家には大きなケージがなかった為ちゃ~には少し小さめのケージを二個ジョイントして、猫用炬燵とトイレをセットし落ち着けるようにケージに布団を被せました。
家に帰りつき、無事にちゃ~をケージに移しかえましたが、それから4ヶ月ちゃ~はケージに潜ったままでした。
さび猫ちゃ~がケージから畳の上に足を下ろしたのは5月の始めでした。私は明るい日差しの中でちゃ~をみるのは初めてでした。薄暗い街灯の下でもちゃ~の顔立ちの良さは分かりました。しかし10年以上風雪に耐えたその体毛は艶がなくボソボソでした。
顔立ちが良いといっても、緊張しているちゃ~の目はきつくつり上がり、ボソボソの体毛で覆われている姿を見たとき、私は少しギョットしました。
しかしホッともしました。
これからやっと普通の家猫になれる☺️
ホッとしたのも束の間❗
始まりました😂
おしっこ攻撃〰️〰️💣️
私の家は昔から梅雨明けまでは炬燵の布団を掛けたままでした。その布団にちゃ~はおしっこをしまくりました。ちゃ~は腎臓が悪く多飲多尿です。一回の尿の量はテニスボールか、もう少し大きなときもあります。
そんなちゃ~を私は怒りませんでした。
自分の臭いが染み付いたら、おしっこ攻撃へ収まるだろうと思ったからです。
案の定梅雨明けぐらいには落ち着いて来ました。
私も炬燵布団を処分して部屋の中をスッキリさせました。
ちゃ~は頭って良い子です。この子は本当に10年以上も外で一人で暮らしてきたのかと思うほど人間の言葉を良く理解しました。
お水を飲み過ぎて戻したくなると自分のトイレに駆け込みます。
ある日がトイレの真ん中に座って項垂れていました。私が「ちゃ~、どうしたの?」と訊ねると、ん、なんでもないのと言わんばかりにトイレから出ました。と、とたんに床の上に戻してしまいました。
ちゃ~はすまなそうでした。私も声などかけなければトイレで戻せたろうにと、ごめんごめんと言いながら掃除をしました。
先住猫達とは決してうまく溶け込んでいるとはいえません。しかし双方威嚇する事もなく静かなちゃ~の生活は回っています。
ちゃ~が私の子になってから一年が過ぎた頃、少しだけ太った体で座布団にリラックスして寝ている姿を見たとき私は思いました。
10年間、ご苦労様。
お前達がにこやかに手を振ってお宙のお国へお引っ越しするまで母さん頑張るよ
それから一年後、ちゃは私の腕の中で静かに、静かに旅立ちました。
お宙のちゃ~へ
「#猫のいるしあわせ」このタグを見たとき母さんはちゃ~の事を書こうと思いました。
ちゃ~との穏やかな生活が愛おしく、皆様に読んで頂きたいと思ったからです。
ちゃ~は美人で賢くて思慮深く、母さんの自慢の娘です。
私の子になってくれて有り難う。一緒に暮らしてくれて有り難う。
母さん忘れないよ。ちゃ~のこと、ずぅ~っとずぅ~っと一緒だよ。
母さんより
長い長いものになってしまい申し訳ございません。
最後に先住猫達の紹介をさせて下さい。
最後までお読み頂き有り難うございます。
いつも感謝しております。
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