死にたいが口癖なわたしたち
"わたし"
そう遠い過去ではないが思い出せないところから始まった口癖
と言っても声にのせるわけではなく
そして、
本当に"死にたい"わけでもないのだ
正確に言うと"死"ではなく"無"になりたい
"地球上からしばらく消えたい"ということで、その状態が1番近いのが"死"であった
ただそれだけ。違う言葉でも良かった
"死にたい"はただの口癖で
"死にたがり"ではなかったから
ただの口癖のそれは
わたしを楽にすることはただの一度も無く自分の精神状態が良いのか悪いのかがざっくり知れるくらいのものだった
"駅前広場の女の子"
大きい駅の目の前の広場の片隅で
おそらく10代であろう女の子2人が
ウォッカと剃刀を持ち寄って
すぐそばにたくさん人がいる中でリストカットをしていた。
彼女たちはとても静かだった
5m先にはストリートミュージシャンが歌を歌い、近くのサラリーマンは仕事の電話をしていて、後ろには忙しなく行き交う人々の影があった。
"悪いことはこっそりとやる"
という概念がぐるぐると回った
"悪いこと""こっそり"
"悪いことはこっそり"
どこが私と彼女たちとは違うのか
なにもかもがわからなかった
どこかで生きてる実感がほしくてリスカをすると聞いたことがあるが
それは彼女たちの話ではなかった
世間的には
"死にたいと願うこと"はタブーだ
すぐに"メンヘラ"だのと
くくろうとしてくる
だけど、私たちは
それぞれに違う思いを持ち
"死にたい"を
使いながらも生きてきた
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