
仕事のアニメと個人制作のアニメ
アニメーターのやまだももこです。
アニメをやりはじめてからそこそこ長いのですが、昨年初めての個人制作アニメと言える作品を作り、発表しました。
「プリマ・らびっと」
かわいいうさぎがモチモチぷにぷに踊る作品です。ぜひ見てください。
仕事のアニメーションと個人制作のアニメーション両方をやってみて、色々と感じたことがありました。
仕事でアニメーションする時の気持ちとして、監督さんや演出さんなど、上流工程の人たちの意思を可能な限り汲みながら、自分なりに噛み砕き、視聴者に意図がしっかり伝わるかを大切にしているつもりです。
そして、その後の作業工程の人たちに内容が間違って伝わらないように情報を整理することも大切です。
上記の必須項目は崩さず、自分なりの挑戦や工夫を加えていくことでなんとか小さな自分の創作性と向き合っていました。
私は基本的に0から1を生み出すのが得意なタイプではないので、1から100を育てる力を重点的に磨いてきました。
そもそも、絵を描く仕事の中でなんでアニメーターを選んだかと言うのも、一人で作品を作ることは無理だなと感じたからという理由も大きいところです。
そんな私が、個人制作ともなるとやっぱり0から1を生み出す力が必須になってくるみたいで、この時点でかなり脳みそをフル稼働させたのを覚えています。
自分の中にないものを捻り出そうとしても無駄なので、まず自分と向き合うことから始めました。
自分は何が好きなのか、どんなことが得意でどんなことが不得意なのか、どんなことができるようになりたいのか、今の自分に作れるもののラインはどの辺なのか…などなど。
改めて考えてみると、それまでいかに自分に向き合ってこなかったかというのを実感しました。
この個人制作の最初の目標は、まだ使いこなしていなかったクリップスタジオのアニメーション機能を使えるようにすることでした。
あとは、憧れていたバレエをテーマに作り始めました。
アニメーションを描くことはそれほど難しいことはなかったのですが、誰かの指揮のもと作っているわけではないので、最終的な良し悪しというか、これでOKというラインを決めるのは自分になるのが新鮮でした。
仕事だと、イメージをもらう→考える→イメージを共有する→作成する、というステップを踏むのに対して、個人制作はイメージを考える→作成するという2ステップになるのです。
逆に、個人制作しかしたことがない人が集団作業をする場合、この足りないステップを補う意識を持てばいいのだと思います。
この作品は、随時アドバイスをもらいながら制作しました。客観的な目があることも、とても助けになりました。
次第に、色はどうするか、背景はどうするか、という課題が出てきてなんとか見栄えがするように形にしたのですが、自分の中の力不足を発見し、次の目標となりました。
できないと決めつけていた個人制作ができて、自分の中の可能性が大きく広がったのを感じたのもあり、今ではやろうと思えばなんでもできるな!!という気持ちで日々取り組んでいます。
人生で今が一番色々挑戦している自信がありますね!
やまだももこ