ほっこり話 in Tokyo

金曜の夜。終電の2,3本前の電車だっただろうか。ある女性は酔い潰れ、端っこの座席でぐったりしていた。何駅かすぎて、私は突然目の前が騒がしくなっているのに気付いた。先ほどのぐったりした女性が吐いてしまったようだ。

1つ前の駅で乗ってきた5,6人のグループが彼女を介抱し始めた。彼らは皆で濡れティッシュやティッシュ、汗拭きシート、そして袋などを出し合い、「しんどいよね、しんどいよね」と背中をさすりながら声をかけていた。彼女に行き先を聞き、一緒に新宿駅で下車する姿。電車を降りる際も、周囲の人に汚れがつかないよう、配慮していた。

おそらく、「酔いつぶれるまで飲んでいた彼女が悪い!」とか、「汚い!」とか、思う人がいるかもしれない。だけど何よりも、私は彼女を介抱する周囲の温かさ、優しさ、そして配慮に胸が打たれた。

これは日本だからなのかな?

当たり前かもしれないけれど、その思いやり溢れる行為ができる彼らは凄いな、と。どれだけ仕事ができても、人間味あふれる心というものは私も忘れたくないな、と思った。その日から、私はビニール袋とティッシュペーパー、濡れティッシュ、割り箸を持ち歩くことに決めた。さっと目の前の人を助けられるように。

#電車でのできごと #金曜の夜 #心温まるストーリー #東京 #日本

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