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オフシーズンの冬の京都だからこそ愉しめる温かい“蒸し寿司”を待ち焦がれて

 
 私は、根っからの名古屋人です。
 そういうと、関東、関西の人たちから、「ああ、味噌カツね」とか「味噌煮込み食べたことあるよ」と言われます。でも、「美味しかった」という声はほとんど聞かれず、ちょっとせつない気分になります。
 「名古屋人は、なんにでも八丁味噌を付けてたべる」などとからかわれることもありますが、まさかそんなことはありませんので、ここで声を大にして否定しておきます。
 でも、味噌汁は八丁味噌の赤だしが一番好きです。
 かといって、旅に出掛ければ、そのご当地の味を楽しみます。
 
 
 そんな私が大好きな京都へ足繁く通うようになり、出逢ったのが「蒸し寿司」でした。どんぶりのちらし寿司を熱々に蒸したもので、これは名古屋では食べる習慣がありません。
 「え?!お寿司を温めるだって?」
と、正直、びっくりしました。
 なぜなら、お寿司は「冷ます」というイメージがあったからです。
 
 幼い頃、よく母親が、ちらし寿司やお稲荷さんを作ってくれました。
 炊いたばかりのご飯を寿司桶に入れて、そこへ酢を混ぜます。
 「手伝って!」
と、言われると私の出番です。
 酢飯を、うちわを仰いで冷ますのです。
 すると、フワ~と酢の匂いが鼻孔を抜けて、食欲をそそりました。
 そんな記憶があることから、お寿司を「温める」ということに違和感を覚えた訳です。
 でも、同時に、「きっとイケるはずだ」という確信も持てました。
 なぜなら、間違いなく温かいお寿司は、「フワ~と酢の匂いが鼻孔を抜けて」美味しいに違いないと思ったからです。
 
 そして、その通り。
 「蒸し寿司」の美味しいことといったらたまりせん。
 何より、寒い中を歩いてたどりつく食事ですからよけいです。
 
 フロントの写真は、四条河原町からほど近くの「ひさご寿司」の河原町本店でいただいた「蒸し寿し」の「むしむしセット」です。12~2月の冬季限定のメニュー。
 
 「おっ!蒸し寿司が始まったか。もう師走だねぇ」
と、寒いのは苦手だけれど、冬の到来が楽しくなるのです。
 この気持ち、ラーメン屋さんで「冷やし中華始めました」と貼り紙を見た時の気持ちに、どこか似ている気がするのでした。


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