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オーバーツーリズムの大混雑を避けて、冬の京都の花めぐりを楽しむ

「もううんざり」
というほど、京都は人、人、人であふれかえっています。
社会問題にもなっている、まさしくオーバーツーリズム。
拙著「京都祇園もも吉庵のあまから帖」の取材で訪れる花見小路は、その中でも格段にすごいのです。
海外からの観光客が、ぞろぞろ歩いていている。
それだけならならまだいいのです。写真を撮るので、団体で道の真ん中で止まってしまって動かない。ここは、車も通る公道です。
 
お茶屋のお母さん(女将)から、びっくりするような話を伺いました。祇園をテーマパークと勘違いしているのか、ガラリと格子戸を開けて、勝手に土足で家の中に入って来てしまう人たちがいるというのです。お茶屋は、住居も兼ねています。もし、自分の家に他人が入り込んで来たら卒倒してしまいますよね。
それだけではありません。
これからお茶屋に出勤する舞妓・芸妓さんをぐるりと取り囲んで写真を撮る。これは営業妨害です。
 
親しいタクシードライバーさんからも、こんな話を伺いました。
京都駅八条口から、「清水寺まで」と言われたとたん、「ああ~」と溜息が出るのを堪えるそうです。花見や紅葉の時期だと、清水寺近辺は大渋滞を起こしています。まず、五条通から坂を登ろうとしても、信号で曲がれません。ようやく曲がっても、前に進まない。お客様を観光駐車場で降ろした後がまたたいへん。折り返して、一方通行の清水坂を下ろうにもまたまた進まないというのです。
歩けば、往復の坂道20分のところを1時間ではすみません。
 
さて、そんな大混雑の京都ですが、オフシーズンの冬は比較的空いています。
また、人が押し寄せるところは、清水寺、二条城、金閣寺、銀閣寺など決まっています。でも、あまり名前が知られていないけれど、素晴らしい神社やお寺がたくさんあるのです。
「でも、やっぱり桜や紅葉の時期に行きたい」
と言われる方も多いでしょう。
たしかに、丸山公園の枝垂れ桜や嵐山の紅葉は美しいです。
しかし、京の冬には、美しい「花」の名所がたくさんあります。
 
等持院、詩仙堂、金福寺の山茶花。
圓徳院のツワブキ。
大蓮寺のロウバイ。
そして2月になれば、北野天満宮をはじめとしてあちらこちらで梅が咲き始めます。
 
中でもオススメなのが、千両。
これは花ではなく実ではありますが、
京都、妙心寺の塔頭・東林院さんのお庭では、千両が真っ赤に色づきます。
その後、同じ妙心寺内にある退蔵院の「大休庵」でお抹茶とお菓子をいただくのは格別です。


 

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