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小説「京都祇園もも吉」とコラボ。半兵衛麸の『Cafeふふふあん』さんで、新作スイーツの試食会に招かれる

  うれしいお誘いをいただきました。
京都の麩の老舗「半兵衛麸」さんが営まれる「Cafeふふふあん」さんで供される新作スイーツの試食会に招いていただいたのです。

 これには、理由がありました。

 

拙著「京都祇園もも吉庵のあまから帖」シリーズで、心温まる物語の「肝」となるエピソードで、半兵衛麸さんの家訓「先義後利」を書かせていただいたことがあります。それがご縁で、たびたび友人らを伴って食事に訪れていたのですが、今回、びっくりするような提案をいただきました。

 

「主人公・もも吉がもも吉庵でお客様に出される名物の『麩もちぜんざい』を再現して、メニューに加えたいのです」

 

なんということでしょう!

作家冥利に尽きるではありませんか!!

 

「なにしろ、物語の中に、毎回毎回登場する名物のメニューですから、志賀内さんにはその味のイメージが出来上がっていると思うのです。スタッフも、小説を読み込んで作らせていただきました。忌憚ないご意見とアドバイスを賜りたいのです」

 

そんな・・・アドバイスだなんて。

これは大事になったぞ、と思いました。

何しろ、江戸時代から続く330余年の歴史ある老舗です。そのカフェには、長年の常連・お馴染みさんが大勢通われているはず。そうそう、気安い意見など口にできないと思ったのです。

 

そこで!

助っ人を二人頼みました。

一人は、

「京都グルメタクシー」の岩間孝志さんです。

フランスで修業を積んだ元フレンチの料理人で、京都のグルメを案内するタクシードライバーです。「おいしい京都」「もっとおいしい京都」(PHP研究所)という本を出版しておられ、テレビの情報番組の常連で、なんと地元ラジオ局ではレギュラー番組まで持ち、京都府文化観光大使も拝命されています。

今までに、4.500軒のお店を食べ歩き、いつでもお客様に案内できるオススメのお店が800軒にも及ぶそうです。いつも持ち歩く「黒革の手帖」に、そのお店の詳細がびっしり。

以前、noteでも紹介させていだきました。↓

https://note.com/momokichian/n/n495ba0fb6df1

 

もう一人は、志賀内の本を20年以上も担当していただいている大谷泰志さん。
あんこが好きで好きで、大好きでたまらないという方。

それが嵩じて、あんこ好き200人の「あんこ倶楽部」の和菓子好き委員会あんこ部が編集し、あんこの歴史、基本知識、東西27の名店のあんこ職人の心意気、自分でつくるおいしいあんこのつくり方までを徹底網羅した、あんこ好きも唸るあんこのすべてを知る、

「あんこ読本 あんこなしでは生きられない」(PHP研究所)

という本まで作ってしまいました。まさしく、「あんこ」に一家言を持つ「甘いもん」大好き人間です。

https://www.php.co.jp/books/detail.php?isbn=978-4-569-81850-4

 

さて、当日。

目の前に置かれた「麩もちぜんざい」を頂き、

「これは美味しい~」

と、声を上げてしまいました。岩間さんも、大谷さんも頬を緩ませて食べています。

 それでも、半兵衛麸さんから、

 「何かアドバイスを」

と求められて困りました。充分美味しいのです。でも、心配になり、

 「いかがですか? 岩間さん、大谷さん。私はちょうどいい甘さだと思うのですが、あくまでも個人的な感想なので・・・」

と意見を求めると、二人とも、

 「美味しいです」

 「ちょうどいい甘さだと思います」

とのこと。ホッとしたものの、ただ食べて帰るだけでは申し訳ありません。

 

 しかし、この後、舌も心も甘いもんで和らいだせいか、「あんこ談義」が盛り上がります。

 勝手に三人が、「あそこのぜんざいがおいしい」「粒あんかこしあんか」「季節ごとや、月替わりメニューのお店もあるよね」などと、試食会であることを忘れてしゃべくりまくりの90分。その間、チラリとそばに立っておられたスタッフさんは、ずっとメモを取っておられました。

 

 さて、完成品は、どんな「麩もちぜんざい」になるのでしょうか。

 完成したら、マスコミを招いてお披露目をされるようです。

 「京都祇園もも吉庵のあまから帖」から、思わぬ展開ではありましたが、新しい「京名物」が生まれたらいいな~と願うばかりです。

 

 ということで、残念ながらまだ中身を公開することはできないので、ふたを開ける前の器の写真でお許しのほど。

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