ももきち

MIT SloanでのMBA留学や、英語の苦労などを書いていこうと思います。

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MIT SloanでのMBA留学や、英語の苦労などを書いていこうと思います。

最近の記事

MITとバイデン次期政権幹部

バイデン次期大統領の指名により、ゲンスラー教授が米SEC(証券取引委員会)の次期委員長に決まった。SECは独立した監督官庁として強力な権限を持つ組織で、その委員長はFBI長官と並ぶ法の強制執行者だ。 (日経新聞)バイデン次期米大統領によるSEC委員長起用発表記事はこちら (前の記事)ゲンスラー教授によるブロックチェーンの講義の様子はこちら 「ももきち、それはGood questionだね。君が言いたいのは中国の一帯一路構想に伴う過剰債務が次の世界金融危機の遠因になりかね

    • MIT x ハーバード - ボーゲル先生

      米ハーバード大名誉教授のエズラ・ボーゲル先生が年末に他界された。日本でベストセラーとなった「Japan as No.1」で知られる知日家である。 (先生のご逝去に関する日経新聞記事はこちら) 先生にはボーゲル塾で大変お世話になった。ボーゲル塾とは、ボストン における松下村塾をイメージして先生が主宰していた私塾である。 (ボーゲル塾での議論内容はこちら) ハーバードの閑静な住宅街にある先生の自宅でボーゲル先生は言った。「ももきち、Big Pictureが大事なんだよ。日

      • 半沢直樹の世界 - パワハラに打ち勝つには

        半沢直樹の世界は誇張されているが、日本の金融機関では「恩返し」と「倍返し」は確実に存在すると思う。というか、日本のサラリーマン社会では非常によくある話なのではないだろうか。 僕には恩返ししたい人がいる。この人には仕事人としての命を何度も救ってもらった。 慣れない英語と初めての業務で全く仕事が分からず途方に暮れていた20代後半。何をやっても大したパフォーマンスをあげられず、できることからコツコツと、誰にも褒められない小さな仕事をやっていた。誰も僕を相手にしない。でも彼は違っ

        • 海外留学に必要な英語力② - 英語コンプレックス

          How are you doing, Momokichi? 南フランスのニースに豪華な別荘を持っているイタリア系のダニエルが微笑んでいる。丁寧にセットされたグレーヘアーはいつだって乱れることはなく、そして、今日も高そうなスーツとネクタイを身につけている。彼はDebt Capital Marketsという債券引受の部隊を率いるマネージング・ダイレクターだ。 ロンドンに着任したばかりで英語がヘタクソな僕は、いつだって"Fine, thank you, and you?" だ

          海外留学に必要な英語力③ - TOEFL103点では通用しない

          ロンドン駐在で英語力は自然と向上したが、努力も怠らなかった。社費MBA留学の候補者になるためにはTOEFLの点数が必要だからだ。最初のスコアは70点台だったが、駐在後半になると100点を超えるようになった。 が、日本に帰任すると英語を使う機会がめっきり減り、MBA受験の準備を始めた頃にはTOEFLは80点台に下がっていた。過去の100点超えが単なる瞬間風速のまぐれだったという可能性があるが、英語環境ではなくなると、一気に元に戻ってしまう側面は大きい。 錆びた英語を元に戻す

          海外留学に必要な英語力③ - TOEFL103点では通用しない

          海外留学に必要な英語力① - TOEIC500点からのスタート

          新入社員の時のTOEICの点数は500点台だった。 高校生の時、オゾンホール拡大のニュースを見て、将来は環境保護に関わることをしたいと思った。そして環境保護には国境はなく、グローバルに活躍できる能力を持たないといけないと思った。だから大学時代に、警備員のアルバイトで貯めたお金で初めて海外に行った。オレゴン州ポートランドでのホームステイだ。ただ、短期の滞在で英語ができるようになるわけもなく、コミュニケーションがとれずに打ちひしがれて帰ってきたことを鮮明に覚えている。 幸いグ

          海外留学に必要な英語力① - TOEIC500点からのスタート

          MITで学ぶ次の世界金融危機

          Simon JohnsonはMIT Sloanの名物教授の一人で元IMFチーフエコノミスト。彼のグローバル経済の授業は極めてエキサイティングだったが、今日は彼の著作のひとつ "13 Bankers" について。 2008-9年の金融危機では、オバマ大統領は「あなた方を助けるのを助けてほしい」と米銀CEO13人に要請した(本書タイトルはこの13人のこと)。この言葉が米国における政治と金融の特殊な関係性を物語る。政府が支援するにもかかわらず、政府は米銀に助けてもらわないといけな

          MITで学ぶ次の世界金融危機

          MITで学ぶ「これぞMBA」

          Pozen教授は、元ハーバード教授、フィデリティインベストメント社長、MFSインベストメント会長、ブルッキングス研究所シニアフェローなど、華やかなキャリアを持っているアメリカ金融界のエグゼクティブだ。 彼の教える授業は、まさに「これぞMBA」である。思いつくポイントを3つ。まず、豊富な実例や経験に裏打ちされている。自らが書きおこしたHarvard case studyを多用、また、自身の人脈を活用したゲストセッションも数多く行われる。 次に、極めて論理的に授業が構成されて

          MITで学ぶ「これぞMBA」

          MIT x ハーバード - 日本企業の国際競争力

          第4次産業革命に向けて、データ量やハードウェアの処理性能が指数関数的に増加・改善、またAIの非連続的発展が見込まれる中、企業の国際競争力はイノベーションを産み出す力に依存する。世界をより良くするイノベーションを、日本がリードするための課題はなんだろうか。 人材、教育、文化、事業会社、金融。どの切り口から見ても課題は盛りだくさんだ。具体的対応策の議論に向けたGuiding questionsはなんだろうか。 ボストンのような「大学を求心力とする産学エコシステム」をつくるには

          MIT x ハーバード - 日本企業の国際競争力

          MITに日本の大学が勝てない理由

          2018年の秋、MITに関する驚きのニュースが走った。1,000億円相当の資金を投入して、コンピュータサイエンス、AI、データサイエンスの新しいカレッジ(日本で言うところの学部かな)を新設すると発表したのである。しかもその資金のうち、350億円相当は、米資産運用大手ブラックストーンのシュワルツマン創業者兼CEOが個人的に寄付するという。 (当時MITが発表したニュースはこちら) https://news.mit.edu/2018/mit-reshapes-itself-st

          MITに日本の大学が勝てない理由

          Why MIT - MIT Sloanの志望動機

          受験のために提出しなければならない書類はいくつかあるが、今日はCover Letterについて。何を書いたか思い出してみる。 短期・中長期のプロフェッショナルゴールは何なのか。MIT Sloanのプログラムはそのゴール実現に資するのか。MIT Sloanのメンバーにふさわしい能力を持っていることが分かる事例をあわせて示して欲しい。要すれば志望動機である。これを500 wordsで書く必要がある。 アマゾンはインターネットの力でリテールビジネスの世界にパラダイム転換をもたら

          Why MIT - MIT Sloanの志望動機

          MITで学ぶデジタルトランスフォーメーション(DX)

          "Digitization"と"Digitalization"、この違いが分かるだろうか?デジタイとデジタライの違いである。 "Enterprise Transformation in the Digital Economy"では、企業がどのようにデジタル化を実現しうるのか、ケーススタディや理論枠組みを学ぶことができる。 ビジネスをデジタル化していくためには、まず、会社の事務プロセス(Operational backbone)を自動化・オンライン化していく必要がある。いく

          MITで学ぶデジタルトランスフォーメーション(DX)

          MITで学ぶブロックチェーン

          ゲンスラー教授はオバマ政権でCFTC長官(日本で言えば金融庁長官のようなもの)、ヒラリー・クリントンの大統領選挙CFOとして活躍、その前はゴールドマンサックスでパートナーも務めた米規制当局及び金融界の大物だ。MITの凄いところは、そんな大物がブロックチェーンの基本をレクチャーし、世の中への技術適用について学生と議論してくれるというのだ。 https://www.nytimes.com/2018/04/22/technology/gensler-mit-blockchain.

          MITで学ぶブロックチェーン

          MITで学ぶデータドリブン経営

          経験と論理的思考に基づく経営判断。これは正しいだろうか?例えばあなたがグローバル大企業の社長だったとして、経験と論理的思考だけで、グローバル且つ広範な業務領域をカバーする組織をリードすることができるだろうか。 ドイツ帝国の宰相ビスマルクが言った。「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」、つまり人間の経験には限界がある。もしビスマルクがこの情報化社会の時代に生まれていたら、「賢者はデータに学ぶ」とも言うだろう。デジタル化が進む現代には、膨大なデータを処理しうるプラットフォームと

          MITで学ぶデータドリブン経営

          MITで学ぶイノベーションドリブン経営

          イノベーションはどのように生み出すべきか。イノベーションプロセスを担う人材をどのようにmanageすべきか。イノベーションのベストプラクティスとはなんだろうか。 フランス系のアゾウリー教授による”Innovation-Driven Advantage”では、そうした問いへの答えを探求する。Google、Netflix、Disney/Pixarなどの事例や、著名起業家によるゲストレクチャーを通じた具体的且つ実践的な授業である。 例えば、Google(アルファベット社)のイノ

          MITで学ぶイノベーションドリブン経営