⑤大学病院へ

遺伝カウンセラーさんに話を伺う
大学病院は人でごった返していた。嵐のコンサートですかと思うほど。
皆、紹介状をもらってここに来ていて、ここでないといけない理由がある患者さんばかりだ。健康第一だなと実感。

かなり待ってようやく遺伝担当の先生の診察室へ。
産院の先生から聞いているお話を教えてくださいますか?と聞かれ、順を追って話すうちに、涙が止まらなくなりティッシュをもらう。

カウンセラーの先生も22torisomy mosaicの対応は初めてらしく、文献から得られた情報を伝えていただいた。
産院で先生から聞いた情報とそうは大きく変わらず、分かっていたけれど確かなことがないというのが確かなことなのかなと思った。

悲しい帰り道
帰りの車で、主人と話し合う。
エモーショナルな部分では、会いたい。大きくなってゆくのを見たい。

でも、思考を巡らすと。どんな障害がどの程度現れるのか不透明。
主人が探した英語の文献を読むと、世界で報告されているのはほんの8例。
その最初の人が現在生きているとしてもまだ40歳。どのような一生を歩んでゆくのか、分からない。

この子の持つ障害が、本人が死にたくなるほどのコンプレックスとなり苦しんだら。なぜあの人が、と驚くような方でさえ自ら命を絶つ昨今だ。
今19週のエコーで顕著な異変はみられなくても、成長とともに現れてくる可能性は大いにある。あるという前提で考えたほうがいいだろう。

自分たちが死んだ後に、施設など世の中に存在するサポートを受けて生きていくことを前提に私たちも準備をするべきだ。時間もお金もその使い方が大きく変わり、長女にも負担をかける。

心臓など重要な器官に異変が出てきた場合、短命のこともあるだろう。それが一番辛かった。怖かった。
諦めようという結論に至る。ただ悲しかった。

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