リノベーションをした話 序章その2
リノベーション(以降リノベ)をするにあたって、一番最初の大きな選択が「施工会社探し」である。今回ちょっと長いよ。
踏み外した「リノベはじめの一歩」
本格的にリノベすると決めた随分前に、「とりあえずリノベセミナーでも行ってみようか」となった時があった。
当時はたくさんの会社が毎週のようにリノベ関連セミナーを開催していた。
とりあえず私達は、リノベした人達の120%が名前を知っているであろうという有名会社が主催する「リノベを考えている人のための〜〜」のような内容の初心者向けセミナーに、軽い気持ちでネット申し込みした。
申し込んだ数時間後に電話が鳴った。
「セミナーのお申し込みありがとうございます!それで、いつ頃をお考えですか?どのあたりにお住まいになりたいですか?ご予算は?」
まさかの営業電話だ。
服屋に一歩入った途端、店員が張り付いて「今日は何をお買い求めですか?コートですか?靴はどうですか?何色がお好きですか?」となった気分。
普段から店員さんに話しかけられるのすら苦手な私は、かなり面食らった。
そして「まだセミナーに申し込んだばかりなので、電話はやめていただけますでしょうか?」とお願いし、電話を切った。
直後からSMS(メールではない)で、営業や質問が毎日のように来るようになった。
「そういうことじゃないよ!!」
辟易した私は、速攻セミナーをキャンセルし、SMSも電話もすべてブロックさせていただいた。いくら有名会社とはいえ、私にはあわない。
家なんて、一生のうちで最大級の買い物だ。
それをお願いする会社の温度感が合う合わない…というのは、大事な判断材料だと思う。
おそらくそのうんざり体験のせいで、リノベ会社探しが頓挫した。
コロナ禍での活動開始
そして昨年の春すぎ、新婚旅行も終わって一段落したところで、
「(コロナ禍で)あまり外出もできないし、こういうじっくり考えることを今やるべきじゃない?」「仕事もきっと少なくなるだろうし、今のうちにやっとこうか」となり、もう一度リノベ会社探しをすることになった。
わたしのリノベ情報収集は主にSNSか雑誌だ。
以前から私がずっと読んでいたリノベーション雑誌は、こちら。
この雑誌、Kindle Unlimitedで過去のものがほとんど見れるため、実際に施工が始まるまで、何度も何度もiPadに穴が空くほど読んだ。
いい特集のものは購入した。
紹介されている事例で好みの部屋をキャプチャし、その部屋の施工会社さんを、ウェブサイトなどの情報と共にリストアップ(8社ほど)。
施工会社さんにもいろいろあるけれど、絞り込むための条件はたった1つ。
・物件探しからリノベまで、まるっと引き受けてくれること
色々なリノベ情報でよく見たのが
「物件を買ってからリノベーション会社と契約したら、その物件がリノベにまったく向いていなかった」
というお話。
これは物件の構造やルールが大きく影響するらしい。
壁が一切壊せない、水回りの位置が動かせない、そもそも改築やっちゃいけない物件…などなど。
それだけは絶対避けたかった。
あとは効率の問題。関わる会社は少ないほうがいい…という私達夫婦の性格によるこだわりだ。
そんなわけで、サイト上に掲載されている事例などもじっくり見て、最終的に2社まで絞り込んだ。
そのうちの1社が、今回お願いした「nuリノベーション」(以下nuさん)である。
コロナ禍とあって、どの会社も対面のセミナーや面談が開催されていなかったため、2社ともZOOMでお話を聞かせてもらうことに。
先にnuさんとの面談があり、会社の特徴や、リノベのフローなどを詳しくお話いただいた後、こちらの希望条件を聞かれ、おおよその進め方を教えてもらった。
リノベの説明を聞くのは1社目なのです…と言うと「ぜひ他社さまともお話しされてから、ゆっくり決めてください」と言われた。
翌日にもう1社さんとの面談。
開始早々、フローや会社説明の前に、いきなり私達の年収や、希望条件などを詳しく聞かれた。その際の音声が悪かったようで、2人あわせての年収が100〜300万くらいと捉えられたらしい。すごいトーンダウンで話が進んだ。
しかし、あまりにも希望しているものがその年収にあっていなかったからか、もう一度収入を聞かれた。え、まさかその年収でこんな色々やりたいっていうわけ?みたいな感じ(笑)
誤解は解け、そこからは軽快に話が進んだ。
最後に、「今すぐ仮契約したらこれだけ安くできます」とか、「今からすぐにローンの仮審査通しておきましょう、そのほうが早いです!」などと勧められたが、考えさせてくださいと濁して終了。
まぁ、うん。
そういうことで、最初のnuさんに決めたのだった。
中古マンション探し
面談をしてくれたお姉さんが、不動産担当だった。
とても美人なお姉さんだったので、幸先がよい予感しかない。
まずは希望物件の条件を「理想のおうち条件」という名前で、書き出した。
「犬が通れるドア付きのドア」と「5階以上」以外は全部叶えた。
(最低でも3階以上)の3階になった。
犬ドアは最終的に「いらんなあれ」という結論になっただけ。
これをこのまま不動産担当のお姉さんに送り、希望エリアとあわせてマンション探しがはじまった。
これまで賃貸しか探したことがなかったのだけど、中古マンションの探し方は見るところが大きく違った。
なぜ安いのか、なぜ高いのか、設備や管理費や積立金のバランスは…など、考える事が多い。
そしてコロナ禍ということもあり、なかなか内見にさくっと行けない。
もたもたしているうちに、すでに申し込まれてた…ということが、2回くらいあった。
理想の予算でおさまる物件は、ハザードマップ的に赤いエリアが多かった。
我が家には犬が2頭いる。
先の大きな震災などで、犬連れの避難の難しさ、ライフラインの重要さが身に沁みていたので、ハザードマップクリアは重要条件だった。
お姉さんも連日、希望に近い物件情報をメールしてくれた。
気になった物件があると、即座にかなり突っ込んだ状況まで確認してくれる。親身に、いろいろなことを教えてくれた。
そしてある日、中古マンション売出し新着メールで、今の部屋を発見。
大きな公園の近くで、ハザードマップは完璧に緑。築10年で、駐車場もついている。もちろん犬もOKだ。
すぐさまお姉さんに連絡し状況を聞いてもらったところ、その週の土曜日に1組めの内見が入っている…というところまで聞き出してくれた。
「じゃあその前日の金曜日に内見入れてください」
こういう時、自営業で良かったと思う。いやらしい!なんて思わないでほしい。物件探しとは、一刻を争う闘いなのだ!
そんなわけで金曜日にこの部屋と、もう1軒の気になった物件の内見を予約した。
初めての内見
梅雨空の金曜日、2人ともカメラ片手にワクワクしながら、初内見。
見つけた第一希望の部屋は、3LDKで3階の角部屋。角部屋なら西側より東側がいい…と思っていた私の小さな希望も叶っている。
当時住んでいた賃貸が、真南向きの5階で、東京タワーもスカイツリーも富士山も見えるというスーパー眺望だったため、、そこは少し下がってしまう。が、生活的には特に問題なし。日当たりが良ければそれでいい。
内見にはお姉さんを含め2人の社員さんが同行し、各部屋の壁や柱など、くまなく確認していた。
「すごくリノベしやすい、よい物件ですね。壁、ほぼ全部壊せますよ。」
おお……いいじゃん…
とはいえまだ1軒目。せっかくなので次も見ましょう、とのことで、2軒めに移動。
こちらも南向きの5階。すべての部屋が横に1列に並んでるという、変わった間取りだった。窓の外は公園で見晴らしはとてもよい。
ただ残念なことに、そのエリアはハザードマップがオレンジ。そしてちょっと希望の間取りが難しそうな形をしていた。
「最初の物件に申し込みます」。こういうのはご縁だ。
「明日内見申し込んでる人、ごめんなさい」とちょっとだけ思いつつ、人生最大級の買い物を決めた(ローンが通ればだが)
別に適当だったわけではない。
その日まで、仕事が終わって寝るまでの間、ご飯を食べながら(お行儀悪い)、トイレの中ですら物件サイトを見まくっていたのだ。
中古マンション情報サイトに登録したり、メルマガを購読したり、物件探しアプリなんかも入れて、仕事と寝ている時以外は常に物件を探していたのだ。
躊躇なんてしていられない。
一日、いや一時間遅れただけで、欲しかったものが一生手に入らなくなる、熱き闘いなのだ!
そんなこんなで、結構長かった気がするけど、物件探し自体は1ヶ月もかからずで終わったと思う。
毎日が濃かっただけだ。当時、私はかなり寝不足だった。
恐怖のローン審査
私たちの場合、リノベ会社が物件の契約から施工まで全部やってくれるので、住宅ローンに物件費用とリノベ費用がまるっと入る。
つまり、前回の記事の施工事例に掲載されちゃってる金額+物件費用がローン金額だ(まぁ頭金はちょっと入れたけど)
実はリノベをはじめるにあたり、一番心配していたのがローン審査だ。
何しろ我が家は、2人ともほぼ自営業。いや実際にはちょっと違う。
夫は家探しを始めた8ヶ月ほど前に、それまで取引していた会社に社員として所属しはじめたばかり。そして同時に自分の会社も立ち上げホヤホヤだった。私は完全なるフリーランス。
私たちの周りには、経営者や自営業が多い。
マンションや家を買った人たちから、なかなかにローン審査で苦労したという話を、たくさん聞いていた。
いい物件が見つかってもローンが通らないのではないか…、審査が苦労するのではないか…と、ずっと不安だった。
税理士さんにも相談したところ、「え、大丈夫でしょ。確定申告ずっと見てる感じ余裕余裕!」と言われたが、心配性のわたしは毎日胃をキリキリさせながら、メールをチェックしまくった。
「仮審査通りました」の連絡が来たときは、ケーキを買いに行った。
次回予告
ようやくリノベの話書くよー
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ちなみに、最初の目論見の「コロナで仕事少ないだろうからやるなら今」ってのは大きくあてがはずれた。
2人共めちゃくちゃ仕事忙しくなった。過去最高レベルで忙しかった。
そのため気持ちが大きくなり、あれもこれも付けてしまえ!!!の結果が、あのリノベ施工費用である。
後悔はしていない!ガンガン働いていこ!
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