30歳になっただなんて、君も僕もすごい。
読み応えのあるnoteを毎日更新している人が「30歳になった」と本日のnoteに書いているのを電車内で読んで、そんなにお若い方だったのかと驚いた。
そして自分が30歳になった時の事も思い出した。
その頃は「若さ信仰」的強迫観念に突き動かされ、ちょうど彼女もいない29歳は、どこでどう20代を終えようかと東京中をうろつき回った末に、疲れ果てて投げやりにそこに投宿したのだった。
確か、去年くらいに潰れて、それがニュースになっていた西武新宿駅そばのホテルだ。
私はその時に始めてカプセルホテルというものに泊まった。
カプセルは棺のようでも蛹のようでもあり、死と再生を想起させるという意味では誕生日にふさわしいような装置だった。
でもまあ文学的な修飾を剥げば、男色家の気配とイビキでまんじりともできない空間だった。
毎日、本格的な読書レポートや本職に関する知見を投稿し続けるお人の30歳の誕生日を祝いつつ、私は自分のその頃を思ってマスクの下の口を歪めたりすぼめたりしていた本日の電車内だった。