![石原豪人表紙](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/21000192/rectangle_large_type_2_b2b18a93e7f1c25f2916dd0790ce20aa.jpg?width=1200)
3月15日は怪奇と官能の日。石原豪人氏
今日noteに書こうと思った石原豪人氏について調べていたら、昨日書いたnote「夢の中の美しき蜘蛛女のはなし」を彷彿とする作品があったので、URLを貼らせて頂く。
「女郎ぐも」 (*怖い絵の嫌いな方は閲覧注意)
私の夢に現れた人とはだいぶ様子は違うが、怪しくて美しいという意味では一緒だ。『蜘蛛女』で偶然の一致が起きるなんてまさに怪奇ロマンの一齣みたいだ。
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そもそもなぜ石原豪人氏を調べていたかと言えば、私が本日誕生日だったので、同じく3月15日生まれにはどんな方がいるだろうと検索していて、石原氏のお名前を発見したのだった。
昭和の少年達に、週刊少年誌の巻頭特集の挿絵を通じて深いトラウマを与え続けた異能の絵師は、映画産業勃興時から映画看板なども多数手がけていた。
これは映画のポスターだが、人物の存在感、装束や時代風俗の現実感、そしてレイアウトやデザインの美しさに圧倒される。
その筆力を以て、昭和の子供らに生々しい恐怖を植え付けたのは、下に貼るような見開き絵の数々だった。
なんだかただもう、無茶苦茶こわい。
昭和のトイレの電灯の薄暗さや、田舎の親類宅の明かりの届かない四隅の感じまで、いま思い出してしまった。
けど一方で、R指定と云った規制のない時代は、それはそれでとても良かったな、とも思う。
また、このタッチから察することができるように、ゲイ雑誌やSM誌のイラストでも石原豪人氏の仕事は大人気を博していたようだ。
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私も、怪奇や幻想や官能性に、抜きがたく興味がある続ける身として、石原氏と同月同日に生まれた事を誇らしく思う。
怪奇というある種のカオス、そして生の根源に繋がるエロスという2軸は、『物語』というものの面白さそのものだと思う。
石原氏のような、人の根源に訴えかける仕事に多く触れる一年にしたい。