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立春に商店街でラムネと金平糖を買う
今日商店街でラムネ500gを買った。
金平糖も買った。
用事の後ふらっと寄ったのは
関西でも指折りのおおきな商店街。
阪神タイガーズ色強めの店の人もお客さんも個性が強いところ。
在阪テレビ局がこぞって
ステレオタイプな「大阪のおばちゃん」のコメントを求めに来る場所としてもお馴染み。
なんでもある、なんでも安い。
八百屋も魚屋も肉屋も総菜屋も
ペットショップも昔ながらのお茶専門店も。
串カツ屋も立ち呑みも
大手ドラッグストアも100均も激安スーパーも
飲食店もヤンキー味に溢れたアパレルも。
芝居小屋も2軒ある、もとい、出来た。
「この劇場(での公演)好き。とにかく安いから賄いの買い出し助かる。
ジャージとか服も安いよね」
話してくれた女優さんはひとりやふたりじゃない。
今日はスーパーの前で寿司屋が出張販売をしていた。
一家総出で売っていて、なんや、めちゃめちゃ人だかり。
息子であろう若いにいちゃんが居酒屋バイト並みのテンションで巻き寿司を売りさばく声が歩いているだけでも聞こえてきた。
「喜んで!」「かしこまりぃ!」「あーりがとうございます」
こうじゃないとお客が寄って来ないのもこの地域の特徴。
元気があって非常によろしい。
でもとてもひさしぶりに歩いてみてびっくりした。
店舗がかなり入れ替わっている。
シャッターが降りたままの店も少なくない。
「閉店セール」の札を貼りまくった店も次々に目について、
その多くは「マダムたちのちょっとええブティック」だった。
下町の雑多な商店街の中にあって店構えからして
「ちょっとええもん置いてますよ」感がある店たち。
ちょっとええ服着てるママ(って言うのかな)がちょっとすまし顔で店の奥にいるような。
間違ってもユニクロみたいな安い服は売ってない、というか、置かなさそうな。
目に宝石的なやつが入った豹のセーターとか極楽鳥みたいなふわふわ帽子は飾っていても。
そんな店たちが店の前に「特価 1000円」とか出している。一軒だけじゃない、何軒も。
一軒の前でママと常連マダムらしき人が会話をしてた。
「いやー、嘘やー。閉めるんかいなー。なんでぇー」「もうあかんわぁ、家賃が高いもーん」
歩いているうちにもうひとつ気付いていたこと。
それは韓国コスメやグルメやアイドルショップがちょっと増えたこと。
個人的にお気に入りの韓国グルメとコスメの店があるのはさておきまた増えていた。
不定期開店する激安コスメの店とかも増えていた。
本通りがそんな様子なら枝分かれしたその奥は?
一番奥はもう完全なるシャッター街。
近年ちょっとこれが違う理由で注目されていたりもする。
テレビドラマのロケ地にされているのだ。
『エルピス』、『ムショボケ』、『IMFORMA(インフォーマ)』
気持ちはわかる。「映え」るしムーディー。でもちょっと複雑な気持ちにもなる。
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さらに、枝分かれのまた別の道の商店街は?
昔ながらの雑穀屋果物屋おもちゃ屋、
がらんどうなブティック、
常連さん以外入りくそうな喫茶店、
コンビニ、謎の共有スペース、
日帰りデイサービス、ガシャポン置き場、
お菓子屋、お菓子屋、そしてお菓子屋。
全国チェーンの「お菓子のデパート」なる違う店舗が2軒。
これはまあいい。でも、その奥に大きな菓子屋が一軒ぽつんと健気に立っている。
問屋? 問屋じゃないが大きなお店。
所狭しと袋積みされたお菓子が平置きされてる、何種類も。
柿ピーとかポンスケ(って知ってる?)とかロッテチョコパイとかもある。
せやけどそれより目に付くのは透明なパッケージに入れられたインディーなやつ。
おかき、昆布飴、せんべい、金平糖、かりんとう、ポン菓子。
かんぱん、かたやき、インディーのキャラメル。まさに「おせんにキャラメル」。
あと、あれ、なんて言うのかな。
クッキーの片面にピンクや緑の色つき砂糖が塗られたやつ。
たべっ子どうぶつをカラフルPOPにしたある意味ちょっと毒々しい版。
いえいえ、意識高くない系アイシングクッキーだよ。
はさておき、勿論、本日の主役、福豆もめっちゃいっぱい並んでた。
でもなぜか目がいったのはラムネだった。
あの俗で素敵に毒々しいセロファン包み紙の色のせいかな。
ビニール袋に一年分くらい入ってる。
店のおばちゃんが元気に教えてくれた。
「おねーちゃん、ちっさいのんもあるで!」
ちっさいのんは一か月分くらい?
迷わず、嘘、ちょっと迷ったけれど大を手に取った。
「おっきいのんがええわ」「ええんかいな!(笑)」「うん、大人やから(笑)」
「うん、あと、これももらう」「それ懐かしいやろ」
戦国時代には生きてへん、でもなんか懐かしい南蛮渡来の金平糖。
ポップでカラフル、でもなんか切ないこの2種類が妙に気になり、
よく考えたら高いのか安いのかはわからないけれど買って帰った。
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ラムネ500gて。
ブドウ糖入りの脳が活性化するやつとたぶんちゃうし。
たぶん体にはよろしくはない。金平糖とかめっちゃ砂糖のカタマリやし。
でも思いました。また行こう。出来たら通お。楽しかった。
今度はハッピーターンの切れ端ばっかりの詰め合わせがいいな。
酢昆布一年分くらいのやつがいいかな。
いや、やっぱりたべっ子どうぶつがいいな。
調べました。正式名称は「動物ヨーチ」なんやて。買お。食べよ。福は内。
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*
商店街とか、銭湯とか、
なくなったらあかん、なくしたらあかん。
めちゃ思います。考えます。
そして、劇場も。
特に、大好きで大事な皆の気持ちの拠り所、全国のストリップ劇場も!
*
お菓子屋で思い出すこと。
地下鉄御堂筋線「動物園前」駅を出てすぐ、
西成・オーエス劇場に行く商店街の入口にあった
お菓子屋兼おでん屋兼西成JAZZオープンカフェ(現在は閉店)、
若き日よく行っていた。いろいろお世話にもなった。
博識なマスターと店で開催された路地裏写真家(立ち呑みの師匠)の写真展や前衛舞踏の公演たち。
思えばこの時期から大衆演劇は勿論ですがストリップとストリップ劇場のことを話してた。
マスターからいただいたカラフルなお菓子箱(空箱)、まだ持ってます。
◆
以下は、ちょろっとですがいつもの自己紹介 。
と、苦手なりにもSNSあれこれ紹介、連載などなどの紹介!!も。
よろしければお付き合い下さい🍑✨
ご縁がつながったりしたらとても嬉しい。
大阪の物書き、中村桃子と申します。
構成作家/ライター/コラム・エッセイ/大衆芸能(旅芝居(大衆演劇)やストリップ)や大衆文化を追っています。
普段はラジオ番組の構成や資料やCM書きや、各種文章やキャッチコピーやら雑文業やらやってます。
現在、lifeworkたる原稿企画2本を進め中です。
舞台、演劇、古典芸能好き、からの、下町・大衆文化好き。酒場好き。いや、劇場が好き。人間に興味が尽きません。
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簡単な経歴やこれまでの仕事など書いております。パソコンからみていただくと右上に連絡用のメールフォーム✉も設置しました。
現在、関東の出版社・旅と思索社様のウェブマガジン「tabistory」様にて女2人の酒場巡りを連載中。
と、あたらしい連載「Home」。
皆の大事な場所についての話。
2023、復活。先日、新作が出ました🆕
以下は、過去のものから、お気に入りを2つ。
旅芝居・大衆演劇関係では、各種ライティング業。
文、キャッチコピー、映像などの企画・構成、各種文、台本、
役者絡みの代筆から、DVDパッケージのキャッチコピーや文。
あ、小道具の文とかも(笑)やってました。
担当していたDVD付マガジン『演劇の友』は休刊ですが、
アーカイブがYouTubeちゃんねるで公開中
(貴重映像ばかりです。私は今回のアップにはかかわってないけど)
あなたとご縁がありますように。今後ともどうぞよろしくお願いします。
皆、無理せず、どうぞどうぞ、元気でね。
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