紫陽花と老人
老人は足をよろよろ引きずり歩いてきた。
立ち止まりぼきっと紫陽花の花を折った。
きのうの朝、7時過ぎ、雨の中の話です。
遅く寝たのに早く目が覚めて、
ちょっと散歩しようかと外へ出た。
しばらく歩くと、近所じゃないけど近所の幼稚園。
紫陽花がとてもきれいに咲いてる。
それも塀から〝わっ〟と乗り出すように。
なんかチビッコたちみたいに元気でいいな。
通りかかる時に思っていたのは、わたしだけじゃないみたい。
パシャリと写真におさめているひとを見かけたことも少なくない。
老人が歩いてきた。
よろよろと、からの、
ぼきっ!
「えーーっ」
枝ごと折った花を持ってよろよろと立ち去った。
なんだったんだろう。
土曜の朝に見た幻か。
いや、たぶん幻ではない。
桜切る馬鹿 梅切らぬ馬鹿とは昔からよく言われる。
念のため、改めて意味を調べてみたらいろいろだった。
飾ってるんやろか、家に。
そんなことを考えると、なんだか怖いような、切ないような、
底の知れないなにかも感じたりした、雨の中。
美で、罪で、幻みたいで、現実で、人間です。
*
最近、ホラー映画(?)の話をしていたせい?
目を背けながらも、好きというか、観てしまう。人間。
*
旅芝居の芝居にも、
『あじさいの花』という芝居がある。
最近よく取り上げる若葉さん(若葉しげる総帥、前回の記事)作の、
やはり、女性が主人公のお話。確か山本周五郎の短編が元だったはず?
かなしくって懸命でたくましい若葉さん描く女。
大事なセリフに「瀬戸際」という言葉が使われます。
お弟子さん(直系ではないが尊敬するというひと)が言っていた。
「おれも女形でよくやってた。あの「瀬戸際」って言葉がいいんだよね」
*
浅田次郎に『薔薇盗人』っていうのもありました。
浅田次郎っ、って感じの短編集、以下略。
その中の一篇は『あじさい心中』。
浅田次郎が描く「昭和の」ストリップ劇場とおじさんの話、以下略。
『天切り松闇語り』は好き。芝居にしたいと言っていた役者も居た。
『壬生義士伝』も旅芝居で観た。あの斎藤一は会長じゃないと、あかん。
*
というような、短いのんとそれで思い出した徒然も、
日々またアップしていくかもしれません。
◆◆◆
以下は、すこしだけ自己紹介 。よろしければお付き合い下さい。
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構成作家/ライター/コラム・エッセイスト
中村桃子(桃花舞台)と申します。
大衆芸能、
旅芝居(大衆演劇)や、
今はストリップ🦋♥とストリップ劇場に魅了される物書きです。
普段はラジオ番組構成や資料やCM書き、各種文章やキャッチコピーなども、やっています。
劇場が好き。人間に興味が尽きません。
演劇鑑賞(歌舞伎、ミュージカル、新感線、小劇場、演芸、プロレス)などの鑑賞と、学生時代の劇団活動(作・演出/制作/役者)経験などを経て、
某劇団の音楽監督、亡き関西の喜劇作家、大阪を愛するエッセイストなどに師事したり。からの大阪の制作会社兼広告代理店勤務を経て、フリー。
舞台と本と、やはり劇場と人間と、あ、酒も愛し、人間をひたすら書いてきて、書いています。
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lifeworkたる原稿企画(書籍化)2本を進め中。
その顔見世と筋トレを兼ねての1日1色々note「桃花舞台」を更新中です。
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5月1日から東京・湯島の本屋「出発点」で2箱古本屋も、やってます。
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旅と思索社様のウェブマガジン「tabistory」様で2種類の連載をしています。
酒場話「心はだか、ぴったんこ」(現在17話)と
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旅芝居・大衆演劇関係でも、各種ライティング業をずっとやってきました。
文、キャッチコピー、映像などの企画・構成、各種文、台本、役者絡みの代筆から、DVDパッケージのキャッチコピーや文。
担当していたDVD付マガジン『演劇の友』は休刊ですが、YouTubeちゃんねるで過去映像が公開中です。
こちらのバックナンバーも、さきほどの「出発点」さんに置いてます。
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