旅芝居、恋する客席~っていうか劇場讃歌~

昼夜3時間ずつの舞台でお芝居をみせ舞踊をみせるのが旅芝居・大衆演劇です。
終演後には「送り出し」と呼ばれるお見送りタイムがあります。
少しだけではありますが役者さんと話せる訳なのですね。
そんな元祖「会いに行けるアイドル」な旅芝居だから
お客さんはこの距離感の沼にはまります。
さらに役者さんによってはそれ以上に距離を近くしお客さんと仲良くする人もいる。
そんなこんなで客席の女性たちはいろんな情で舞台を観、ハマります。
いろんな人に出会いました。時に巻き込まれたりもしました。
アホな私は頭でっかちで根性悪のくせに情がわくというか放っておけないのです。
決してネタにしようと思って近づいたのではないのですほんとに。
今ではちょっとだけオトナになり無鉄砲さも(ちょっとは)なくなり学ぶようになりましたが。
けれどアホだからアホすぎるからいろんな人に出会いました。

お金に困っていたのかな、
私を含む何人もの人にお金を借りたり借りようとしたりしている人にも一人だけじゃなく出会いました。
役者さんとそういう関係になった人もいました。
恋にはお金がいったのでしょう。しんどくなっていったのでしょう。
関係のない私をライバルだと思っていやがらせしたり陰口を言ったりしてくる子もいました。
役者さんのお世話やファンの集いもお世話をするおねえさん(がこっそり涙を見せたこと)、
たくさんのジャンルにハマって旅芝居にハマって有給使ってがんばっているおねえさん(の悩み)、
共に健康ランドの温泉で一緒になってお聞きしました。
自慢したい人もいました。
役者さんと仲がいいことを自慢する人もいれば
私は何年も観て詳しいのだ見る目があるのだと自慢したい人もいました。
なんか「テスト」されたりもした!
「女形芝居が一番と思う役者は誰かね?」それ答えあるん?(笑)
長年Blogをやり仕事としてもかかわっていたので「会いたい」と言ってくる人もいました。
ばかだったのでご丁寧に時間を作りました。
ら、「私の方があなたより・・・」みたいに言うてこられたこともありました。
でもそう思わす私が悪いってことやねんなあ。とほほ。がんばる。今思うと素敵な思い出ばかりです。

しみじみ、ほんまに。皆いろんな想いで劇場に来ているのやと思います。
芝居が好きな人、役者に恋する人、居場所を求めてくる人。様々です。
でも、誰が偉くて誰が間違っているなんてきっと、ない。本当にそう思います。
勿論演者は舞台をやるのが仕事やねんから
舞台を観て欲しい芝居を観て欲しいが一番やと思います。そりゃ。もう。
けどだからって客席の誰が優れてて誰が正しいとかはたぶんないと思うねん。
もしあったとしても
だからって誰かを差別したり否定したり自分とは違うと言ったりは
ええことではないと思うねん。
ちょっと傲慢になっていた自分のことを反省してもそう思います。

お恥ずかしながら私自身アホになっていた時期がありました。
(今もなくなったとは言えないのかもしれませんが)
「観る目がある自分」に酔っていた(というか、そこにすがる?!)とでも言うといいでしょうか。
自分はミーハーじゃないのに。自分は芝居をちゃんと観ているのに舞台が好きなのに、と。
なんて傲慢なんだ。最低だ。おまえなんぼのもんやねん。
けれど自信を持っていました無駄に。そんな観る目ぜんぜんないのに!
自信がないから他人を見下すことでプライドを保っていたのかなあとも思います。

距離の近さゆえに惑ってしまうのかなあとも思います。
距離の近さゆえに余裕(お金もやけど気持ちも)がなくなって
とかく自分を正当化し、そのため他の人自分の仲間内とは違う人を
見下したり否定したりしだしたりするのかもしれない。
特に、女性は(という言葉を使いたくは決してありませんが使ってしまう。。)
なんだか群れるので。仲良しグループを作りたがり、
グループで「そうよそうよ」とか肯定し合ったりも多いので。
(※他人事ではないぞ。こんなに群れるの嫌いな己でも。と、自戒をこめて)
でもこれも大きな意味でのヤキモチであり余裕のなさですよね、悪気があれどなけれど。
でもそんな私だからこそストリップ劇場で気付かされ学ばされました。
劇場(と酒場)はみんなの場所。
みんなを包んでくれるあったかいやさしいちいさくもおっきな場所。
みんながいて今日今の劇場の空気が出来上がるんや。だからきっと素敵なんや。と。
そうしてやっと(まだ頭でっかちは治らない、、けど)
いろんな人たちのことを頭だけじゃなくほんまに心からええな素敵やなと思えるようになりました。

そんな今だからこそ彼女たちのことも書き残していきたいなと思ったりします。
もちろん誰かの迷惑になったり足をひっぱって劇場に来づらくさせることは絶対にないように考えながら。
そして、ちょっとずつ、自分のとほほ話もさらけだしながら、ね(笑)

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