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”プリセプター制度”がうまくいくために

医療業界、特に看護師さんにおいては、プリセプター制度というものがあります。

新人に一定期間マンツーマンでプリセプターと呼ばれる指導者が付いて、教育を行う方法です。

臨床工学技士の自分も新人のときは、プリセプターがついて教育してもらいました。

自分が指導される側、指導する側、指導する側を指導する側になってみて、最近思ったことは、「新人もプリセプターもひとりの人間、合う合わないもある」ということです。

新人にとっては、プリセプターは、雛鳥に対する親鳥、人間に対する神のような存在。逆らったり、合わないなんて口が裂けても言えません。

プリセプターにとっても、年齢が離れた新人に指導することが、難しいと感じる時があるかもしれません。

でも、お互い人間なので、合う合わないはあって当然だと思います。

習得しやすい、指導しやすい方法のマッチング

まずは習得しやすい方法、指導しやすい方法のマッチングが重要です。

例えば、新人はやってみて体で覚えるのが得意なのに、プリセプターの指導が、まずはマニュアルを読ませて覚えるという方法だとミスマッチが起こります。

自分の弟は新しいテレビゲームで遊ぶとき、すぐに電源をつけて遊んで覚えるタイプでした。でも、兄の自分は説明書をある程度読んで、頭で理解してから遊ぶ。

得意な習得方法がまずは違います。そして、得てして自分がうまくいく方法で人は教えたがります。

プリセプター側から、新人を見たときにやりにくそうと見えたら、指導方法を変えてみるのは重要なのかもしれません。自分がやりにくい方法で指導しなければならない場合は、新人に任せてみるのもいいのかもしれません。

新人側からはやりにくい方法で習得していることは、表出しづらいものです。まずはプリセプターのやり方で習得は目指してみて、難しいと思ったら勝手に習得方法をかえるのではなく、プリセプターと積極的にコミュニケーションをとることが重要です。

気が合うか合わないか〜メンターという考え方

人間誰しも、気が合う人、合わない人がいると思います。

気が合わない人に指導する、指導されるというのは、なかなか難しいものだと思います。

そこで自分が導入したほうがいいと思ったのが、メンターという考え方です。

メンターとは、仕事、あるいは人生の助言者という意味ですが、主に新人の精神的なサポートをする役割のことです。

プリセプター=メンターであれば、一番ベストですが、気が合う合わないは誰しもあること。

プリセプターの他に、メンターという役割をつけて、業務習得の指導者と、精神的なサポートを分けることで、バランスをはかることができるのではないかと思います。

プリセプター側で、新人が話しやすい人にメンターの役割を頼み、相談に乗ってもらうこともできます。

新人側であれば、制度を導入してもらうことは難しいので、自分が話しやすい人、尊敬できる人をメンターとして、相談に乗ってもらうことは可能です。(プリセプターにはちゃんと配慮しましょう)

お互いハッピーに

自分の現在の直属の上司が、新人のときのプリセプターなので、9年目になった今でも非常に緊張します。

看護師さんの世界はもっと厳しいようです。

ある看護部の上層部の人が、ものすごく緊張して病棟のパートさんと話をしているのを見かけました。あとで話を聞くとそのパートさんが新人の頃のプリセプターだったようで、20年経って立場が逆転しても、プリセプターと新人の関係は継続しているようです。

良い関係を築ければベストですが、指導する側も、指導される側も、教育が原因で仕事が嫌になったり、精神的に病んでしまうことは悲しいことであり、どの病院でも非常にありがちなことです。

プリセプターだから、新人だから、こうでなくてはならないという思い込みを外して、柔軟に対応できるのではないかと思います。

プリセプター制度はあくまで、手段であって、目的ではありません。

お互いがハッピーに仕事ができる方法を、探し続けたいと思います。

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