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近況報告(数年前の下書き)
母上様
未就園児2人を抱え、とにもかくにも夫婦で仕事を始めて、15回目の春がもうすぐそこまで来ています。当時の未就園児たちもすでに高校生。
我々だけが老化の魔手から逃れられるわけもなく、しわ・しみ・しらがの三拍子取り揃えて、人生も円熟し始める頃・・・のはずが、なぜか未だに少2の悪ガキを追い回している日々。
こんな生活をしていて、あと数年で本当に天命を知り得るのか??それこそ、神のみぞ知るではありますが、なにはともあれ、おまちかねの孫通信です。
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科学部の高2♂はダンスに熱を上げつつ成績を下げ続けていますが、そろそろ心入れ替える気配もありそうななさそうな・・・。ただ、将来の目標がぼやけて来て、というか、逆に別な方向への視野が拓けて来て(?)、もっか迷走中の様子。急かされることもなく焦らされることもなく、ただただ待ってもらっていた事にすら気付かずに浪人生活を謳歌していた私としては、決してその生活は心底楽しいものではないし、人生に必要な時間だともゆめゆめ思わないのだから、大事な可愛い長子にそんな無駄な時間を悶々と過ごさせたくはないのだけれど、自分が親に受けた寛容を子にも与えてあげたい気持ちも無くはないわけで。『早く気付きなさい、自分で気づくしかないんだよ』という祈りを込めて、日々ぐちぐち文句を言い続けているのです。
ま、ウザい母親だよね。
他称「筋トレ部(?)」の高1♀は、あの『物理』と『数学』を楽しいとのたまうリケジョに育ちつつありますが、新結成した女子チームでの陸トレ活動や、中学時代からの仲間との交流もあり、多忙を極めております。入学当初は一番前の座席で人見知りの本領発揮、(想像するにおそらく)一人で黙々と弁当を食べる昼休みを過ごしながら「学校がつまらない」とか、山より高い宿題を抱えて「こんなに勉強しなきゃならないのなら高校に行かなきゃよかった」とか、とにかく不満の連発で私を心配させていました。
憂う私に息子曰く、「あいつはどこに行ったって、不満を言っただろうよ。そのうち慣れるって」と。さすが、双子同様に育った年子の兄の言葉通り、いや、それ以上の順応力を、近頃の彼女は発揮してくれています。どうやら一緒に昼食をとる仲間も出来た様子で、先日持たせた弁当に
「なにあれ!『野球部のお弁当みたい!』って言われた!」とクレームを入れる始末。ちなみに真ん中に玉子焼き、右半分に豚肉の甘辛焼き、左半分に牛肉のチリチリというボリューム満点&手抜き感満載のお弁当でした。
14年前にはオタマジャクシにすらなっていなかった小学生たちの近況も少々。
かつて冒険家を夢見ていた少5♂、近頃は
「北大医学部、いや、東大でもいいや」なんて暴言を吐きながら、親も含めた我が家初の「中学で1番」を取る事を目指して、日々勉強中。ただ、言葉の大きさと比較して、持続力の小ささにと返却されるテストの点数の低さには、それなりに不安を煽られるのですが・・・。
とはいえ、発言だけでも前向きなのは彼の良いところ。オリンピックにも出るし、仕事でも活躍するつもりだし。上の子らが見向きもしない地方新聞をおもむろに拡げて、 市内で連続して起きた殺人事件の記事を、熱心に読んでいたとの情報もありましたね。
お勉強が嫌いな小2♂は、お勉強だけが嫌いなわけじゃないんです。歯磨きも嫌いなので、朝、時間がなくて磨けないというシチュエーションをあえて演出している風。起きてから登校するまで、3世代3人の女(祖母・母・姉)に急かされ続ける日々。
やりたくない事をやらないための言い訳が、いちいち7歳の少年らしくない。ラーメン屋に歩いて行くんだよと、パパに言われ、
「えー?嫌だなぁ。日焼けしちゃうから」と、乙女チックなセリフを吐き、怒る気力をそいでしまったり。明日の準備をするのも嫌だから、小2にしてすでに全ての教科書を毎日持ち歩いているという・・・そのくせ、連絡帳に「本日の忘れ物マーク」が無い週は無いのは何故??
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それでは今日のところはこの辺で。
そうそう、太宰治の「晩年」の初版本をめぐるミステリーを読んでいるうちに、晩年そのものを読みたくなり、中古を取り寄せ、本日届きました。久しぶりに文学史に出てくる作者の著書、すぐには手をつけられない重みがあるように感じます。でも、いつも読んでいるような今風の軽い調子の本だって、この子らが大人になる頃には文学史に列挙されるかもしれませんからね。残るものは残るのでしょうね。