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行きたい地域に味で赴く、のカフェ

 不謹慎な話に思われるかもしれないけれど。私が行ってみたいと思う国は、悉く情勢がまずい。チベット、ウィグル、ロシア、イスラエル…。 
 勿論、各国が直面している今の問題には向き合わないとダメだ。し、現に調べてもいる。けれど私が好きになったのは別に揉め事があるからじゃない、その地域の文化が好きだからだ。
 地域が直面している問題だけを知るだけじゃなくて、その地域の文化についてもよく勉強すれば、もっと「ああこんな素敵な文化が危機にあってるんだなあ、何とかしなくちゃ」という思いが強まるんじゃないか、と思う。
 (実際には、行こうとすれば行くことのできる地域もある。ただこれは、私の勇気がないだけ。一度も海外旅行をしたことがない、というのを理由に踏ん切りがつかないだけ。)

 そう、文化。文化といえば芸術とか、文学とか、あとはなんといっても食。
 で、最近、ウィグルの概念食が食べられるかもしれない、ということで訪れたカフェがある。

 それが「喫茶シファカ」。以前noteで投稿したことのある、岡山県立美術館内にあるカフェだ。

 現在岡山県立美術館では、特別展「世界遺産 大シルクロード展」が開催されている。そのシルクロード展に関連した期間限定メニューが、喫茶シファカにあるというのだ。
 喫茶シファカには何度か行ったことはあるけれど、実は常設メニューしか食べたことはなく、見た目がかわいいなー美味しそうだなーと思いつつも、期間限定メニューは食べたことがなかった。
 しかし今回はシルクロード=(?)ウィグルの限定メニュー。これはウィグル文化好きとして行くしかなかろう。
 店に入って、一目散に限定メニューのメニュー表を見て、即注文。今回はシルクロード展関連の4品中、2品を頼んだ。



・ゴールデンアワーのオレンジアイスティーフロート ¥750
・デーツ入りのスコーン(正式名称を忘れた…分かったら加筆する) ¥650


 オレンジアイスティーフロートは、日没前の夕日がイメージされているとのこと。確かに、こんな美しい茜色をバックに歩くラクダ、よくイメージされるような。
 オレンジとアールグレイティー、どちらも喧嘩することなくすっきりと感じられる。フルーツティーとか普段飲まないけれど、こんな華やかな味だったなんて。最近美味しいお茶ばかり飲んでいて、コーヒー派からティー派に傾きそうだ。


 上のアイスクリームが溶けていくと、図らずも?砂漠の土の色のような。


 デーツは人生で初めて食べた。お店のメニュー表によれば、栄養価が高くて、砂漠の民に愛されてきたのだとか。何だか、レーズン×小豆のような…?(ジャムらしいから、そのものの味というよりは味付けの可能性あり)まったり甘くて、かつ果実味もあってめちゃくちゃ美味しい。 
 そこに濃厚で少ししょっぱいクリームチーズ、サクッと甘いスコーン。合わないわけがない。
 ちなみに、何気にスコーンをお店で食べるのも初めてだった。ナイフとフォークでいくのか?手でいくのか…?ググって、臆せず手でいくことに。外食経験の少なさゆえ、食べる時にはマナーを調べるときにスマホが欠かせない。
 考えてみれば、アジアで食べられたデーツをイギリスといえばのスコーンで挟んで、日本で食べる、ってのも何だか面白い。

 なかなか行くことは難しい、でも大好きなウィグル。
 いつか訪れた暁には、前日本でこんなウィグル(風の)ご飯食べたんですよーって、現地の人に話せたらいい。

 ところでお気づきだろうか?喫茶シファカは美術館併設のカフェ。その美術館では現在特別展「シルクロード展」を開催中。あれ、美術館レポは?
 なんと私、まだシルクロード展は見ていないのである!今回喫茶シファカに寄ったのは、たまたま近くに来たから。自分でも思う、まさかシルクロードを、視覚より先に味覚で味わうことになるとは…。
 また今度、絶対シルクロード展は見るつもり。そしたらまたフロートとスコーンを頼もうかなあ…やっぱり見るより食べるが好きなのかなあ、私…。

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