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美術展感想:「走泥社再考 前衛陶芸が生まれた時代」

 少し足を伸ばして、岡山県立美術館で開催中の展覧会「走泥社再考 前衛陶芸が生まれた時代」を鑑賞してきました。
↓公式HP
https://okayama-kenbi.info/events/event/20240227-sodeisha/

全体を見て思ったこと
 今まで、陶芸に興味を持ったことはなく、陶芸についての展覧会を鑑賞したのも今回が初めてなのですが、とても楽しめました。
 私は現代芸術が好きなのですが、現代芸術に欠かせない(?)イデオロギーというか、自分たちはこういう団体だ!という信念のようなものの、世界観が出来上がっていて、いいなあ、と思いました。走泥社新発足宣言の1フレーズがとても刺さりました↓

「我々の結合体は、“夢みる温床”ではなく、まさに白日の下の生活それ自体なのだ」

 「結合体」とか「夢みる温床」とか、用いられる言葉がどこか詩的で好きです。詩的な宣言文を見ると、「ああ、この人たちは確固たるイデオロギーを持っているんだな」という気になります。皆さんもなりませんか?

 また、いいなと思ったところの1つは、前衛を目指すあまりに、陶芸の本質を置き去りにしていないところ。
 あくまで、陶芸の材料や技術をしっかりと認知したうえで、前衛を目指しているところが好きだな、と思いました。

 作品たちからは、エネルギーを感じました。どの作品も、何だか、今にもぶくぶくとうごめきだしそうな、そんな創造の力強さを感じました。

好きな作品  
 ここからは、実際に見て、面白い、これ好き、と思った作品の紹介を、会場を見ている時の私のメモの共にお送りします。

・出品番号4 八木一夫《春の海》→ふぐみたい
・出品番号9、10 八木一夫《白化粧鉄象嵌花生→生き物みたい、想像力がかき立てられる
・出品番号14 八木一夫《ザムザ氏の散歩》→よちよちしてそう
・出品番号62 山田光《二つの塔》→猫みたい 仲良しそうな塔たち
・出品番号74 森里忠男《作品B》→小さくてかわい
・出品番号76 森里忠男《作品》→一際目をひくね かわいい
・出品番号89 藤本能道《童話》→夢の中のいきもの
・出品番号126 熊倉順吉《暦日》→マヤにいそう
・出品番号130 熊倉順吉《座》→なんかホットドックみたいでおいしそう
・出品番号161、162 三輪龍作《LOVE》→ヌメっと感好き 歪幸い
・出品番号168 里中英人《シリーズ:公害アレルギーIーVI》→「連作」「陶芸」「伝えたいこと」の3つの特徴を活かしている
・出品番号170 緑川宏樹《くすぶる》→焼かれる紙飛行機が新鮮

 八木一夫作品常に先をかけていく感じ、森里忠男作品の漫画に登場しそうなチャーミングさがツボでした。陶芸だけに


《LOVE》が襲いかかる!

 ぜひ皆さんも見てみてください!4月7日(日)までです!

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