私はこんなんだっけ やる気も覇気もない のんべんだらりと垂れ下がって 指の先からも節々からも 見えない糸が地面に伸びて 体中に絡みついて息ができない 時々糸は空に向かう 息ができないまま無理やり体を動かす 苦しいけど動けりゃマシかと身を任せてみるけど あっという間に糸は地中深く引っ張られる こんなんだっけ? 糸さん、あなたいつの間に生えた? もっと自由やったのに 何がこんなに不自由なんだろ 家もある 暮らせる金もある 冷蔵庫には食材が詰まってる ただ人間と話をしない1
得も損もない 喜びも悲しみも 有るとも無いとも言えず 証明することもなく 埃の付いたコートのポケットから出てくるレシートとか 卵焼きに入った殻の破片とか Tシャツの胸のシミも この世の始まりもこの世の終わりも知らずに これが正義だと立ち上がるほど何も持たない 意味を持たないこと 無駄な事
フレッシャーズというやつに、この春息子がなります。私の人生では関わりのなかった「企業」という未踏の地へ出向くために、アイテムとなるスーツを買いに行ってまいりました。 知らない間に大きくなったな。ってか、もう大人やん。 と、スーツを試着した姿に見惚れて。 片手で抱けるくらいの大きさだった息子に、餌をやり下の世話をし、文化と教養を与えた結果がこうなりました。 もう私にしてあげられる事はないね。 これからは世間様があなたを育ててくださいます。 どうかみんなに可愛がられますよう
と、書いてあった。 3.11のとある記事に。 震災支援をする芸能人の記事だ。 この震災に関する記事やらニュースやらが、ドバーッと溢れかえる日はあまり得意ではない。 テレビに出てくる被災者は、今も苦しんでいる。 生き残った喜びよりも、助けられなかった苦しみ。 共感しなきゃダメ? 共感したら私も苦しくなるよ。 そんな私を誰が救ってくれるの? 簡単に共感しちゃう私が悪いのか。そだね。多分きっとそうなんだね。 とにかく記事には「がんばっていますか?」と書いてあった。 「あ、わたし