名前のない感覚
ちらりちらりと姿を現し、私を惑わしてくるこの感覚。
決していつも同じ感覚ではない。
いつも同じ形ではない。
いつも違っていて。
そしていつも名前がない。
名前はないけど初めましてではなく。
何度も会ったことのある感覚たち。
今は、さみしい、と自由だ!を混ぜて、
混ぜきらないマーブル模様のまま放置して、
オーブンに入れたもののスイッチを押せず、
生のまま、
「放置」とも「寝かせている」とも
決めかねているような感覚。
どこかにしがみついてしまいたい、
という感覚と、
このまま飛んでいってしまえ、
という感覚の狭間。
ちょうど真ん中というわけでもなく
不動的な。
名前のない感覚は、そこらじゅうに。
散りばめられて。
ひととき忘れられていても
すぐ呼び戻されるような。
そんな不思議な
名前をつけてみたい感覚。
美しく、そして
儚げな、
そんな感覚。
読んでくれてありがとう♡