見出し画像

【投稿企画】新人教育って難しい。

私の職場は異動や入れ替わりがなく、私は入職から10年以上を下っ端として過ごした。

先輩たちは優しかったので不満はなく、「ここはこうやるんだよ。見ていてね」と言われながら仕事を教わってきた。
業務マニュアルはあまり整備されていなかったので、メモを取りながら先輩の作業を観察し見返しやすいようノートにまとめたりしていた。
仕事とはそういうものだと思っていた。

そんな職場にも環境の変化が訪れ、たまたま人員増の要望が承認されたのと先輩の退職が重なり、ここ数年で3人の新人が入職した。
いよいよ自分も仕事を教える側になるのである

当然私や私以外の先輩達は今まで通り、自分が教わったとおりに仕事を教えようと思うわけで、「見ていてね。ここはこうするんだよ。分からないところはメモしてね」と教えるわけである。

すると、新人たちが仕事を覚える速度に差が出てきた。
ある子は物覚えがいいし、ある程度器用に仕事をこなし始める。
またある子は不器用で作業が遅く、メモを書く割に同じことを何度も聞いたりして覚えが悪い。

そうすると先輩達は悪気なく(もちろん本人に直接言うわけではない)「あの子と比べるとあの子は覚えが悪いね。仕事もゆっくりでミスも多いし任せられる業務が少ないな」なんて話し始めるわけである。

できる子はどんどん任せられる仕事が増え、不器用な子はとりあえずこなせる仕事を日々繰り返すようになる。
するとある日、「私はこの仕事に向いてないのかもしれません」とポツリと相談されたと所属長から伝えられた。

そこで我が身を振り返る。悪いのは不器用(と思われている)なあの子なのだろうかと。

今まで自分が教わった通りの、古い慣習に習った教え方しか出来ていなかった自分を含めた先輩達、職場の風習に原因はないのだろうか?
業務マニュアルがしっかりまとめられていないのが悪いのではないか?

そんな事を考え始めると、先輩としての自分の行動も変わり始める。
PCの画面をスクリーンショットして見やすいマニュアルを作ったり、同じことを聞かれても丁寧に答えるようにした。何度でも教えてあげればいいと考えたのだ。
時にはただ教えるだけではなく、新人なりにどのような解決方法が思い浮かぶかディスカッションを行うようになった。

そのように対応しながらよくよく働きぶりを観察してみると、彼女(不器用な新人は女性であった)は要領が悪く仕事がゆっくりはであるが、裏を返せば丁寧な仕事をしており、人当たりがいいので患者さんの採血などは器用にこなしている姿が見えてきた。

任せられる仕事が少ないからと採血をたくさん行った彼女の手技はいつの間にか上達しており、採血に限れば私より上手いほどだった。
「たくさんこなしたからとても上手になったね。」と声を掛けると褒められて嬉しそうである。

そうか彼女はこうやって伸ばしてあげればいいんだ。
まだまだ安心して任せられないことはたくさんあるけれど、彼女に向いた仕事を割り振りながら丁寧に覚えてもらえばいい。なにより最低限任せられる仕事をしっかりこなしてくれているだけで充分に職場に貢献してくれている。

いつしか彼女は「自分は向いてない」と言うことはなくなった。まだまだ落ち込むことはあるようだけれど。
彼女と比べられていた他の新人達も、なんだかホッとしているようである。って君らも人ごとじゃないけどな!

一連の意識改革で気付いたことがある。古い慣習に縛られることなく自らの意識を変え、新しい世代の成長を促す。いつの間にか自分もそんな役割をこなす立場になっていたということを。

おはようございます。ももたろです。
本日は投稿企画に挑戦してみました。お題は『仕事での気づき』

私の職場にもいわゆるZ世代の若者達が入職してくるようになりました。彼らは表面上あまり仕事に情熱的ではなく、「気が利かず言われたことしかやらない」等と言われがちです。でも言い換えれば、言われたことは素直に淡々とこなしてくれます。
彼らがうまく行動できないのは言葉足らずな先輩にも原因がありそうですよね。

自分の若い頃は言われる前に全部やったんだよぉ!
なんて事を言う先輩にはならないように、気を付けようと思うのでした。

今日も良い1日を。

#仕事での気づき

いいなと思ったら応援しよう!