”ニーズに応え続けて今がある”株式会社スイッチ 代表取締役 恒次明宏さん
”相手が求めていることに応える”
お客様のニーズに応えていくことはビジネスでは大切な視点です。
株式会社スイッチ代表取締役の恒次明宏さんは一般論や情報で得た知識よりも、「目の前の人が何を求めているか?」をしっかり観察して俯瞰的に物事を見ることを普段から大切にされているそうです。
また恒次さんは、コーディネーターとして、ももスタでの起業支援にも関わっておられます。
恒次さんが起業に至るまでの経緯、ももスタでの起業支援についてインタビューさせていただきました。
Webデザイナーから起業へ
ーー株式会社スイッチの事業内容について教えて下さい。
今年の9月で創業13年のWEB制作会社になります。
現在、社員は約20名くらいでWebサイト制作から、ブランドデザイン、ロゴ制作、グラフィックデザイン(パンフレット、チラシなど)、広告戦略などをトータルにサポートしています。またThink Campというコワーキングスペースも運営しています。
ーー起業に至るまでの経緯をお聞かせください。
岡山の印刷会社でWebデザイナーとして働いていたとき、起業するから社長をしないかと仲間に誘われたんです。
創立当初は3人で立ち上げました。
メンバーの中では一番若かったんですけど、『やれる』という気持ちはありました。
クライアントが広告代理店なので、Web 制作以外の仕事もでてくるんです。Web制作だけしかできないとなると、他の部分は他の会社に担当となってしまいますよね。
だったら、全部出来るほうがよいかなと。
お客様目線で考えると都合がよいし、ラクに仕事が頼めますよね。
”何でも出来る”という言葉は一方で特徴のない”何にもできない”とも捉えられる。
何かに特化した方がよいという考え方もあるのですが、目の前のお客様はそこを求めていないというのを感じていました。
世間一般の意見よりも、実際に関わっているお客様が何に困って、何を求められているか?悩み事に応えれる会社にしたかったんです。
Webだけだと、この先を考えた時にどうなんだろう?と。グラフィックデザイン、紙のデザイン、チラシなど総合的にやっていかないと会社の価値がないのでは?と思い、経験のないジャンルだったのですが、仲間と切磋琢磨して新分野に挑戦してきました。
ーー起業直後はどのような気持ちでしたか?
利益とかいろいろ考える事もありますが、会社を立ち上げて駆け出しの時は、何でもするという気持ちでした。
うちの会社よりも信頼ある会社はたくさんありましたからね。
ただ、会社を立ち上げた瞬間にリーマンショックが起きてしまい、タイミングは最悪でした。そんな世相の中でも、困っている人は困っていたし必要とされるものはあった。
社名の”スイッチ”はスイッチを入れるという意味もあるのですが、変化していく、ピボットしていくという意味もある。
時代やお客様に合わせて変化していける会社でありたいと思っています。
メンバーを増やして、人材を育てていく
従業員を入れて育てて、人材の確保はどのようにしてきましたか?
創業4,5年経ったときに人材を増やしていきました。仕事ができる人が辞めてしまうと、ホント会社としても大変なんですよね。
採用活動も大変苦労しました。
今でこそ、会社の認知度もあがってきましたが、創業3、4年くらいは小さな会社だし、誰も知らない会社ですよね。
そんな中で応募が殺到するわけもない。
ただ、世の中が不景気で就活しにくい状況もあり、うちの会社を探して応募して来てくれる子がいてくれて。仕事を真面目に頑張ってくれて優秀な子が増えて行きました。
少しずつ従業員を増やして創業8年くらいで10数名まで増やしていきました。
ーー社員との関わりで大切にしていることはありますか?
いい意味で”期待しない事”を大切にしています。
期待に応えれる人は応えていけばいいですが、期待されて、期待に応えられないときが辛い。
ここまでやっているのだから!と必要以上のことを要求したり求めてしまいがちですが、今の時代はそういう時代ではないですよね。
”求められる”という行為自体に疑問を感じてしまう人が多くなっているなぁと感じています。日常会話やTVドラマなど、愚痴や仕事を辞める理由などを聞いていても、人の意識や感覚も変わってきているなぁと。
あとは、社員の成功は社員のもの。ミスは社長の責任というスタンスで接しています。
ーーなぜ、Webデザイナーの仕事を選んだのですか?
Web制作というよりインターネットに興味があり、それに手っ取り早く関われる仕事を探していた時に、Web制作会社に就職しました。作る側の仕事も楽しいかな?と。
実は、デザインやWebについては学校で学んだというわけでないんです。
大学は国際学部でしたし、25年前は今みたいにIT専門学校もほぼありませんでした。Web制作会社で働く人でさえ、Web知識ゼロからのスタートの人が多かったですね。
仕事しながら、知識や経験を身に付けて行きました。
岡山の印刷会社でWebデザイナー、広告業界の中のWebということで仕事をしていたので、HPの制作だけでなく広告視点でHPの位置づけを考えていけるようにして意識して仕事していました。
デザイナーをしていたのですが、コーディングも関わったり、なんでもやっていましたね。
ーーインターネットに興味を持ったきっかけはあったのですか?
私は和気町で生まれ育ったのですが、高校卒業する時に、これからはインターネットの時代でMacやアップルとかそんな言葉を耳にすることがありました。
根拠もなく、よくわからないけど漠然とした『すごい!』という気持ちが湧き出ました。
『これからの時代、インターネットによって何か変わるのでは?』と和気の片田舎に居ながらワクワクしていたのを覚えています。
大学に入ってパソコンを購入して、ちょうどWindow95が出始めた頃だったと思います。
同時にインターネットへの関心も深くなりました。
ーー学生時代からビジネスに興味があったのですか?
凄く興味あります!とかそんな気持ちはありませんでした。
ただ、求人広告のアルバイトをしていた時に、社長さんに可愛がってもらって色々な場所を教えてもらったり、不動産業で働いてる友達の話を聴いたりなど、色々な方と出会い、いろんな場所に出かけることで、お金を生む流れを知っていきました。
25歳くらいの時はイベント会社に勤めていたのですが、とにかく社員に何でもさせるという会社でした。
『カブトムシを販売することになったから!人、繋げるからよろしくね!』とか、唐突なんです。
カブトムシを車で運んでる際に、車中でカブトムシが逃げて、ブンブン飛び回り大変だったときもあります(笑)
やったことのない事をたくさん挑戦させてもらいました。
でも、それが凄く面白かった。
そこで経験したものが今も役に立っています。
起業して感じたこと
ーー起業して苦労したことはありますか?
苦労したことはありすぎですね。起業してから今もずっと苦労はあります(笑)
起業から2年で年商1億を最速で達成するという夢のような事業計画立てていました。
そんな無茶な計画、上手くいくはずないですよね。
会社を立ち上げてからは、歯車がまわっていたから進むだけ、辞めれない状態。起業当初はしんどかったけど、意地でしたね。
辞めるのは簡単。
”辞めるならやらなければ良い”と自分に言い聞かせながら進んできました。
起業当初の目標は数年前に叶えることはできましたが、まだまだ満足はしていません。
ーー起業して嬉しかったことはありますか?
嬉しかったことといえば、うちの会社から独立して会社を立ち上げたスタッフや県外に行ったエンジニアのスタッフと、今でも仕事で取引したりなどの関係が続いていることですね。そんな時は会社を立ち上げて続けてきて良かったと感じます。
ーー今後の展望についてお聞かせください
会社を立ち上げたときに、毎年会社で新しい取り組みをすると決めていました。
起業当初は小さな取り組みから、例えば、スタッフを入れたので、自分は○○をやらないようにする!とか。
今は事務員さんがしてますけど、昔は雇用保険の手続きとか全部してましたから。経理をしないとか、そんなことも決めていたこともあります。
創業13年目の今年は営業を強化してクライアントを増やし、商圏を広げていこうと思っています。
会社としては、お客様のニーズに応えていく会社にしていきたいです。
自分のためのものではない、BtoBの商売なのでクライアントさんの利益を考える事が大切。利益が出ないと仕事の発注もきませんからね。
有難いことに、いろんな活動の中で様々な方から声を掛けていただいています。
その声に応えて行きたいです。
声がかかったらやる。やらなければいけないし、考えて、やらないといけないから
”やる”
出来ない事は断るけど、言われること、頼まれたことは出来る事。
みんな理由をつけてやらないだけだと思っています。
出来るだろうと人に思われてることは ”出来る”ですよね。
求められることに応え続けていきたいと思います。
ももスタでの活動について
ーーももスタコーディネーターとしてどのような業務をされていますか?
コーディネーターとして、実務のところの悩みを聞くことが多いですね。
ファイナンス、資金計画やお金のやりくりはとても大切。
13年の経営で酸いも甘いもいろいろ感じています。自分の経験を活かして考えてお伝えしています。
アクセラレーションなど成長していくための必要な知識をお伝え出来たらと思っています。
ーーももスタを利用する方へメッセージ
行動する前に悩みすぎては何もはじまらない
なんでも気軽に相談してもらえたらと思います。
今の岡山の雰囲気は、若手経営者だったり、社歴が浅い人に対して昔よりは寛容になっている気がします。
学生の起業家の方など、自分よりも大きくなっていく姿をみてみると、
『よし、自分も頑張ろう!』と励みになりますし、私にできることで、様々な事をバックアップできたらと思っています。
共に頑張りましょう!
おわりに
酸いも甘いも経験したエピソードは盛りだくさん!動じることなく淡々とお話される姿を拝見していると、「あれっ、何に悩んでたんだろう?」と悩みがスッと消えて、そっと背中が押される気がします。
恒次さんの印象について、株式会社スイッチの社員さん、ももスタで起業相談をされている方にお伺いしたところ
社員さんからは
「全て任せてくれるので、自分も責任を持って仕事できるし、何かあったら守ってくれるので安心して仕事が出来ます。」
起業相談をされた方より
「冗談も言えたり面白い方です!でも必要な時にすごく本質を突いたアドバイスをしてくださるんです。頼りになる人生の先輩のような存在です。」
というコメントをいただきました。
自ら行動し、様々な経験をされてるからこそ、全てのことを寛容に受け入れ、時には厳しく、縁の下の力持ちのように社員や起業家の成長を支えてくれる存在なのだと感じました。
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アイキャッチデザイン:株式会社スイッチ 藤田剛史
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