太地スジイルカ絶滅危惧種
絶滅のおそれのある地域個体群
(今年3月の再投稿になります)
スジイルカの資源量推定値は
50万4,334頭
しかしこれは、30年以上前のデータであり
その殆どは太平洋東方沖合の系群です
伊豆半島周辺つまり
追い込み猟の行われていた静岡県富戸
そして和歌山県沿岸つまり太地
この2つの地域において
乱獲により1ないしは複数の個体群が
日本哺乳類学会により危急(深刻な危機)
と判定されています(1997年)
また、日本哺乳類学会のIUCN新基準仮評価では
CR(絶滅寸前)と判定されています
これらの判定は、スジイルカの種全体ではなく
特定の地域の特定の個体群についてなので
LP(絶滅のおそれのある地域個体群)
と判定されて然るべきものです
【沖縄オキゴンドウと太地スジイルカの深刻度の違い】
沖縄オキゴンドウは
2017年時点で3,300頭と
危急種の基準より遥かに少なく
緊急性が高いことは確かです
また、オキゴンドウという種全体が
準絶滅危惧種として国際的に認知されています
ただ、沖縄オキゴンドウの場合
近年の捕獲数は極めて少ないのに対し
太地スジイルカは
深刻度(危険度)としては2ランク上になる事に加え
毎年100〜400頭近く捕獲されています
2016年には
追い込み猟 625頭
突きん棒猟 10頭 でした
水産庁の弁明は
絶滅のおそれのある地域個体群(LP)について
太地沿岸と太平洋東方沖合の系群が
それぞれ独立であればLPと認めるが
独立しているかどうかが分からないから
LPと判定できない
というものです
更に水産庁が言う事は
太地スジイルカと伊豆スジイルカでは
頭骨の形態が違う、と
系群が独立している事を認めておきながら
季節によってスジイルカが回遊(移動)するので
太地の個体群と東方沖合の個体群が
交流しているから系群識別できない
と、しています
私には詭弁にしか聞こえません
いずれにせよ太地において
もはやスジイルカは捕獲してはなりません
沖縄オキゴンドウと太地スジイルカについて
LP(絶滅のおそれのある地域個体群)として
捕獲を禁止するよう
水産庁と交渉していかなければならないと考えています
2023.06.05