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免疫力が高まる生活習慣を。東洋医学式・体内時計生活

コロナと戦うために体内時計を整えよう

新型コロナウイルスとの長期戦化が濃厚となっています。

そんな今、私たちが最も意識したいことは、
「免疫力を高める生活習慣」

・ウイルスに接しても感染しにくい防衛力
・感染しても軽症ですんだり、早期に回復できる自然治癒力

この2つの力を高めるべく、生活習慣を見直すことが、
今最も優先して取り組むべき重要事項だといえます。

ではどうしたらいいか?
そのひとつのカギは「体内時計」です。

体内時計とは、体温調節やホルモン分泌などさまざまな生体機能のサイクルを約24時間周期で調節する体のしくみ。
西洋医学では免疫細胞と体内時計には密接な関係があるといわれ、免疫力を高めるには体内時計を整えることが重要とされています。

また、メンタルヘルスにおいても体内時計を整えることが大切です。
日本うつ病学会は「コロナうつ」対策として、体内時計が乱れない生活を推奨しています。

日本うつ病学会HP「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的大流行下における、こころの健康維持のコツ

特に外出ができない環境下では、日光を浴びる量が少ない、昼間の活動量が減る、昼と夜のメリハリがつきにくくなる、夜ふかし朝寝坊の生活になりやすいなどの理由で、体内時計が乱れやすくなります。
すると、免疫力の低下、不眠、ストレス、うつなどを引き起こしやすくなると考えられます。

こうした問題を乗り越えるために、今私たちが重要視すべきことが
「体内時計を整えるライフスタイル」なのです。

東洋医学で考える体内時計「子午流注」

東洋医学でも「子午流注(しごるちゅう)」と呼ばれる体内時計の考え方があり、古くから鍼灸治療や漢方治療に用いられてきました。

子午流注は、自然界のサイクルを人体のサイクルに照応させて見出された「東洋医学式・体内時計」

自然界のサイクルと人体のサイクルは次のように照応していて、
自然界のサイクルに体のサイクルが同調していることで
防衛力や自然治癒力が高まるという考え方です。

【自然界のサイクル】

自然のサイクル


【人体のサイクル】

人間のサイクル

細かく12分割されている東洋医学の体内時計ですが、
大きなポイントが3つあります。
ここではその3つのポイントを押さえたいと思います^^


ポイント① 「陰」と「陽」のリズムを意識する

東洋医学では、昼間を「陽の時間」夜を「陰の時間」と考えます。

陽とは活動性や熱エネルギー、陰とは休息性や修復・回復などのこと。

つまり「陽の時間」は活動的に、
「陰の時間」は休息的に過ごすことが基本となります。

陰陽リズム

「陽の時間」になっても寝ていたりダラダラと過ごす・・・
「陰の時間」になっても過剰に活動をしたりいつまでも起きている・・・

こういった生活は体内時計を乱し、免疫力低下につながります。
陰と陽のリズムを意識することがまず重視すべきポイントです。


ポイント② 「陽がピークになる時間」と「陰がピークになる時間」

「陽の時間」の中でも、最も陽の勢いが強いのは正午
「陽がピークになる時間」です。

南中

太陽が南中する正午は、太陽エネルギーが最も強い時間。
自然のサイクルと人体のサイクルは連動しているので、
人体においてもエネルギーが最も強い時間となります。

そしてここから陽の勢いがだんだんと低下するため、
正午は陽の勢いが変わる時間、「折り返し地点」でもあります。

正午を過ぎたら活動ペースを徐々にスローダウンさせることを
少し意識してみて。
すると、夜からの「陰の時間」にもスムーズに入ることができます。


一方、「陰がピークになる時間」は深夜0時

深夜0時

「陰の時間」は日中の活動で疲労した肉体を修復し、
生命力を蓄える時間なので、
陰がピークを迎える0時までには就寝することが大切です。
可能であれば、23時までの就寝を目指せると理想的です。

深夜0時をすぎても起きていることは
生命力を低下させることにつながるので、気を付けたいですね。


ポイント③ 「陰→陽」「陽→陰」に切り替わる時間

体内時計を整えるためには、メリハリを付けることも大切です。
そのメリハリをつける時間は、朝5時夕方17時
どちらも"切り替え"の時間です。

切り替え


まず、朝5時は「陰の時間」から「陽の時間」に切り替わるとき。
多くの人はまだ寝ている時間なので、朝目覚めたときが切り替えの時間だと考えれば大丈夫です。
このときにぜひ実践したいのは、数分間の朝日浴
朝日を浴びることで、体は「陽の時間」の始まりを認識し、
同時に朝日自体が陽のエネルギーに満ちているので
1日のエネルギーチャージになります。

そして夕方17時は、「陽の時間」から「陰の時間」に切り替わるとき。
昼間の活動モードから、夜のリラックスモードに意識的に切り替えることがポイントです。
17時以降は激しい運動はしない、あまり頭は使わない、楽しいことや気持ちいことをする・・・などを意識するといいでしょう。
17時になったら部屋の照明を暗めにする、などの工夫をしてもいいですね。



12分割された東洋医学式・体内時計の各時間帯の過ごし方については
以下に随時記事をアップしていきますね。

朝7時、朝日を浴びて朝食を食べよう。~免疫力を高める体内時計生活~


まとめ&ひとこと

体内時計を整えるためにはまず、1日の陰陽バランスを整える。
陽(昼)は活動し、陰(夜)は休息する。
この両者のバランスが取れているかどうかを意識するといいです。

そして陽のピークである正午、陰のピークである深夜0時、
陰→陽に切り替わる午前5時、陽→陰に切り替わる夕方17時

行動を少し変え、メリハリをつける。

できることから少しずつ、取り入れてみてください^^


今、ネット上で日々コロナについての不安、批判、攻撃などが
繰り広げられていますね。
ネガティブな感情は免疫力を下げ、ますます不安になるという
負のスパイラルを生んでしまいます。
とはいえ、「ネガティブになるな」なんて言われたところで、
この状況ではどうしようもないよと嘆きたくもなります。

でも、体内時計を整える生活は、体にいいだけでなく
メンタルにもいい効果をもたらします。
少しずつでもいいので、生活習慣を自然のサイクルに合わせるように
見直していくことで、
自然とネガティブな気持ちが薄らぎ、前向きになれるかもしれません。

家にいる時間が長いからこそ、今まではなかなか叶わなかった
生活習慣の見直しもできるというもの。
これをいい機会ととらえて、自然のリズムに即した健康的なライフスタイルを実践していただけたらと願っています。
私もがんばって実践します^^

コロナ時代を、一緒に前向きに乗り切りましょうね!


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大坪モモ/国際薬膳師、東洋医学ライター
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