遠い昔、子犬だったころの話。 #6 子犬から妹へ。そして・・・
あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いいたします。
ということで早速年末に書いていたシリーズの続きです。
・・・前回の有頂天からどん底へ落とす出来事が。
ある日、バイトで先にシフトに入っていた私は「あとちょっとで浪田さんが出勤する♪」とるんるんでした。
そして、「あ、浪田さん!」と声をかけようとしたところ・・・
浪田さんの横には、ロングヘアー・長身の美女が。
一瞬、モデルかと思った。
美女に笑顔で手を振ってわかれてバイト先に入ってきた浪田さん。
・・・そう、浪田さんには彼女がいたんです。しかも超絶美女。
私はショックで家に帰って泣きました。
まぁ思えば別に彼女がいてもそれを公にする必要はないし、彼女がいても別に私を遊びに誘うことに対して罪はないですよね。
でもやっぱりショックでした・・・・。
さすがにあんな美人な彼女から浪田さんを奪うことはできないし、浪田さんのことはあきらめよう、と思いました。
しかしバイト先は同じなのでそれ以降も浪田さんと顔を合わせることはあったし、浪田さんはいつも通りに接してくれました。
ですが、遊びの予定は自然と流れ、二人で遊ぶことはなく、大勢で飲み、などでした。
それでも浪田さんと話すたびに彼のやさしさに惹かれ、諦めたくてもどこか諦めきれない・・・。
そんなもどかしさと戦っていました。
私は浪田さんのことを異性として好き、と思うけれど、
浪田さんは私のことを異性として接しているのだろうか。
異性としてというか・・・私はバイト先で歳が一番下ということもあり、全体的に妹のような感じで見られていた。
実際に別の先輩から「妹みたい」と言われたことがある。
私は浪田さんにとっての妹のような存在なのだろうか。
そこから変わるにはどうしたらいいのだろうか。
気がついたら私は浪田さんに振り向いてもらいたくて、必死だった。
それから数か月。
浪田さんはバイトを掛け持ちするようになり、あまりこっちのバイトに入らなくなった。
シフトが合うことも減り、普通なら悲しみところだがこれは逆にいいことなのかもしれない、と浪田さんのことをあまり考えないようにしていた。
そんなある日、数か月ぶりに浪田さんとシフトが被った。
その時に突然、浪田さんからこんなことを言われた。
「俺と付き合わない?」