アメリカ大統領選 #30 トランプ元大統領の大統領候補指名の受諾演説 7/19 後半
アメリカ大統領選 #28 トランプ元大統領の大統領候補指名の受諾演説 7/19で、演説の前半を紹介した。今日は、後半を紹介しようとしたが、バイデン大統領の立候補辞退のニュースが入ってしまった。”今更何を”、という感じがすると思うが、演説の前半と後半ではトランプ大統領の話しかた、表情がかなり変わっていた。またその変貌には意味があるように思うので、あえて、これから紹介したいと思う。
その前に、この演説の後、アメリカ左翼メディアがどう報道したか、左翼代表のCNNから紹介する。オバマ元大統領の代弁者と目されているアクセロッド氏が、クリス・ウオーレス氏の以下のポストを紹介した。
”この演説は、民主党にとり過去3週間で初めての歓迎すべき良いニュースだ” この発言の意図は、この演説はトランプ支持を減らし、民主党側に有利になるはず、を期待したものだった。しかし実態は、私の記事#29で紹介したように、ミシガン州でトランプ陣営が7%リードする、という民主党にとっては絶望的な結果に終わった。しかし、うがった見方をしたら、この時(7/20)アクセロッド氏はバイデン大統領辞退を知っていたのかもしれない。
クリス・ウオーレス氏は、元FOXニュースキャスターで2020年大統領選でトランプ氏対バイデン氏のディベート(FOXが配信)司会者を務めた。私はそれまでウオーレス氏は保守派キャスターだと思っていたが、その司会ぶりが露骨にバイデン有利だったので、その時初めて、おかしいなと気づき、後に実は民主党とベタベタの関係にあったことが分かった。後にウオーレス氏はFOXを退社した。
さて、演説後半のトランプ元大統領の変化は、一言でいうと、前半のまるで伝道師かのような宗教的なオーラが、後半は姿を消し、これまでのトランプ節が復活していた、という事だ。
私は、実は前半のトランプ前大統領の言動に感動はしたものの、一抹の不安も覚えた。暗殺未遂事件で、確かに危機一髪で銃弾を免れた体験から”神”の存在を感じた、としても不思議ではない。
しかし、言い方は適切ではないと思うが、いわゆる”神がかった状態”では、とても大統領選を乗り切れないし、ましてや、大統領職という激務はこなせないだろう、と私は心配した。
しかし、後半にこれまでのトランプ節が復活したことで、私の心配は杞憂に終わった。これまでの攻撃的な演説に比べて、かなり柔らかくなったようには感じた。
先に紹介した、クリス・ウオレス氏の発言(民主党に有利になる演説だった)は、この後半の変わりようが、”やはりトランプはトランプだった”、というのを自分達に都合よく解釈したものだと思う。
演説後半では、バイデン政権の失策によりアメリカがどれほど傷ついたか、具体的に列挙して、”いかにバイデン政権がダメだったのか”、を訴求した。そしてバイデン大統領はアメリカの歴代の最悪大統領10人の中でも最低の大統領だと罵倒した。(表現は今までよりも抑え気味だったが)
インフレーション: ガソリン代は54%、住宅ローンの利率は60%値上がりした。平均的家族の生活費は年間で$28K(約4.2百万円)値上がりした。
南米、中国等からの犯罪者を含む不法移民がバイデン大統領の国境開放政策(と保守派は非難する)で、大量にアメリカに流入した。そのため、アメリカ国内での凶悪犯罪が急増し、婦女子のレイプ殺人が毎日のように発生している。逆にベネズエラでは犯罪率が72%、エルサルバドルでは70%も減少いているではないか。これはそういった南米諸国で、服役者を含めて犯罪者を大量にアメリカに送りこんでいるからだ。今ではベネズエラのカラカス(大都市)は安全になり、アメリカが危険になった。これは全てバイデン政権のせいだ。レイプ殺人の被害者を具体的に名前をあげて、暗に国境問題担当のカマラハリス副大統領の無能無策を非難したように感じた。
こうした不法移民は、犯罪と社会不安を起こしただけでなく、アメリカ国民、特に黒人、ラテン系の仕事を奪っている。(不法移民は安い時給でも働くので、実質的な平均時給は下がり、かつアメリカ国民の失業率が上がっているのは事実。トランプ政権下で3%台だったのが、すでに4%を超えたと記憶する)また、さまざまな病気が蔓延している。(トランプ元大統領は言及しなかったように思うが、麻薬密輸も増えている)
国際的な紛争の頻発と、安全保障の不安定化:
ブッシュ(息子)時代には、ロシアがジョージア(旧名グルジア)に侵攻し支配下においた(ブッシュ大統領は今では共和党の中で、RINO(Republican in Name Only 名前だけ共和党で、実態はグローバリスト、ネオコン、という意味)と位置付けられ、今回の共和党全国大会には来ていなかった。
オバマ大統領時代には、ロシアがウクライナのクリミア半島に侵攻し勝手に住民投票をしてロシア領土にした。
私の時代(トランプ政権)には、大きな紛争もなかった。
バイデン大統領は、アフガニスタン撤退に失敗し、アメリカ兵13人が殺され、45名が負傷した。さらに、戦略拠点のバーグラム空港を放棄し、巨額の武器まで放棄した。結果、空港は中国が支配し、放棄された多くの武器はテロ国家を始め、世界中に販売されている。さらに、ロシアのウクライナ侵攻まで許した。またハマスはイスラエルにテロ攻撃を行った。これは、イランに資金を与え(米国内で凍結されていた資金を開放)イランからテロ国家への資金と武器が供給されたことが原因だ。また北朝鮮はミサイル発射実験を繰り返し、原爆開発を進めている。これらの国際情勢は、全てバイデン政権になってからの事だ。今やキュバーにはロシアの原潜と戦艦が配備されてしまった。今や世界は第3次世界大戦の状態にすでにある。
そしてトランプ政権が復活したら、上記の課題に対して、
大幅な税金カット(バイデン大統領は、アメリカ歴代の大統領の中で、ただ一人税金カットを言わなかった大統領だ)。例えば、レストラン、ホテル、タクシーで働く人々のため、チップへの課税は全部廃止する。(参考:今は、レストランの食事ではチップは食事代と合計してクレジットカードで支払うので、チップにも税金がかかる。チップはウエイター・ウエイトレスにとっての給料と同じなので、彼らの収入は税金分目減りすることになる)
またシェール・ガス/オイルの採掘を再開し、再びエネルギーの自立体制をつくり、エネルギー輸出国になる。アメリカにはエネルギー資があるが、中国にはないではないか。グリーン・ニュー・ディールは、ニュー・グリーン・スキャム(詐欺だ)我々は、道路、橋、そしてダムを建設してインフラを整備する。(私見だが、大都市間の高速鉄道建設が本格化するのでは、と期待するし、その場合、我が国の新幹線、リニアを、米国内生産を条件に勝ち取っていただきたい)
またEVの購入強制の即時中止については、私の記事#28に紹介したので参照していただきたい。中でも、ハイブリッド車を担ごうとしている発言は我が国自動車産業にとり、救世主になるものと私は期待する。
そして製造業をメキシコからアメリカ国内に引き戻す。また中国製品には思い関税をかけ、国内産業を守りぬく。(私見だが、すでに我が国の自動車メーカは北米向け車種はほとんど米国設計、米国組み立てになっているが、今後は部品メーカも積極的にアメリカ向けはアメリカ生産にし、文字通り地産地商にするべきと考える。大きな部品メーカはすでにアメリカ生産に移行しているが、中小企業はまだではないか?そのためには、グループとして各種手続き、工場敷地の共有、等々工夫が必要と思う)
不法移民は、これまでになかった大量の国外強制退去を実施する。穏健派とみられているが、アイゼンハワー大統領は不法移民の大量国外退去を行った実績がある。(トランプ元大統領は言及しなかったが、確実に警察・消防、国境警備隊、コースト・ガード、さらに軍事費の予算を大幅に増やすはず。)
そして私は、ロシアのウクライナ侵攻をとめさせ、イスラエルの独立も確実に守れる。(ただしウクライナ停戦条件、例えばクリミア半島自治等については具体的には言及していない。おそらく、ウクライナには戦争に勝つのではなく、ウクライナの独立存在を守る事を条件にするのではないか。またイスラ和平についても、腹案はあると思うが、まだ公開はされていないので分からない)
人質解放については、私の記事#28に紹介したので参照していただきたい。
イスラエルのアイアンドームは、ハマスのロケットをほぼ全数撃墜した。(400数十発のうちうちもらしたのは1発だけだったとのこと)このアイアンドームをアメリカ全土に張り巡らせるつもりだ。他の国ではなく、アメリカが作るのだ。(私はこのアイアンドーム計画には日本も絶対に参画し、研究・開発・製造で、アメリカの国土防衛に貢献し、かつ、我が国も同じ防衛システムを導入すべき、と考える。それが我が国の防衛産業育成と活性化につながると思う。)
最後に、”Success will bring us together. We will Make America Great Again!"と, MAGAのフレーズで演説をしめくくった。