68 BAD FEELING いや~な予感
私は、これまでアメリカ大統領選について、主に保守派論客や保守系メディアの論説を紹介し、トランプ有利との見方を紹介してきた。しかし本音では、”いや~な予感”、というか”虫の知らせ”、なのか、”ただの危惧”なのか、自分でもよく分からないのだが、手放しで楽観視できていない。
それは、ただの”危惧”だ、と思いたいのはやまやまだが、どうしても拭い去れない感覚がある。この項ではそのうちのいくつかの危険信号を紹介したい。
私は、イーロン・マスク氏が、民主党による”不法移民への投票権付与”、そして”Swing Stateへの移住”という強硬手段をとっている、との警告したことを参照した。
これは、Swing Stateでは、毎回ごくわずかの得票差で共和党と民主党が競り合っている。つまり、わずか数千票でも、大統領選の結果を左右しかねない、という事を忘れてはならない。
次に、ボンジーノ氏は、自身のRumble放送で、中国、ロシア、さらにはイラクからの大統領選への干渉(むろん、ハリス支持)を警告している。これを、ただの”Conspiracy Theory" 陰謀論、と片付けてはいけない。
さらに、米シークレット・サービス長官(全く頼りにならないが)は、イランがトランプ大統領候補の暗殺を画策している、とまるで他人事のような発言をしている。これは、見方によっては、万一トランプ大統領候補が暗殺されても、”それはイランによるもので、米シークレット・サービスとしては防ぎようがなかった”、と暗に責任逃れをしているようにも取れるのではないか。これまで報道されたものだけでも、トランプ大統領候補の暗殺未遂は計3回起こっている。4度目、5度目の暗殺が計画されていない、とは誰にも言い切れないだろう。極論すると、ニューヨークのトランプタワーへの小型機による自爆突入もないとは言い切れないだろう。飛行機でなくとも、爆弾を満載したトラックが突入することも想定はしておかねばならない。
”なんとしてもトランプ再選は避けなければならない”、”無能だろうが何だろうが、自分達の言うことをそのまま実行するハリスを担がねばならない”、という勢力が、アメリカの国内外に間違いなくいる。そして洗脳報道、教育、グローバル・ビジネスで巨万の富を満喫している国際金融資本、等々、彼らの力は決して侮れない。というより、そうした勢力に勝つのはまさに命がけで、事に当たらなければならないのが現実だ。
また山口敬之氏は、アメリカ保守派の知人からの情報として、トランプ再選に黄色信号がともってきた、とネット番組で報じた。その証拠の一つが、トランプ陣営が、あの忌まわしい暗殺未遂事件(第1回目)の起こったバトラー市で、再び選挙応援集会を開いた事。これはトランプ陣営の焦りのためだった、との見解を示した。
私は、山口氏のネット番組は無料部分だけ見ている。同氏の高市氏応援のスタンスには共鳴する。そして、”トランプ再選が実際に再選できるとの予測が立てられなくなってきた”、とのアメリカ保守派の見通しには、同じ思いがしてきている。
ただし、バトラー市での再集会については、私の意見は違う。それは、トランプ大統領候補は暗殺未遂事件の直後に、”私はもう一度バトラーに戻る”、と数回公言してきたからだ。決して、トランプ陣営の焦り、だったとは思わない。
むしろ、今回の集会は、ペンシルバニア州、バトラー郡、そしてバトラー市の警察と保安官事務所が総力をあげ、さらには、元軍人を含むボランティアのトランプ警護が万全の体制をしいた、と私は考える。
さらに、バンジーノ氏が指摘する、”Yesterday’s technology for tomorrow" 古臭い技術をいつまでも使い続ける(新しい技術には投資しない)という、米シークレット・サービスでさえ、ついにドローン偵察を実行した。
その米シークレット・サービスは、前回の暗殺未遂事件では、”発砲場所の屋根は、傾斜が急すぎて危ないから”とのバカげた理由で、監視対象点からはずし、カウンター・スナイパー・チームも配置していなかった。その結果、暗殺未遂犯にやすやすと発砲を許した。ボンジーノ氏は、”せめて射線を遮るカーテンをおくだけで発砲は防げたはず”、と指摘している。
下の集会での写真にあるように、演者は透明シールド(当然、防弾仕様のはず)で防護されていた。
付け加えると、この集会でのJDヴァンス副大統領の演説は、明確で、説得力があり、かつ非常に分かり易い感動的なものだった。私はヴァンス副大統領候補の演説はトランプ大統領候補よりも優れていると思えた。(むろん、トランプ大統領候補のカリスマ性はまだないが)まだ若いヴァンス副大統領候補がトランプ後のアメリカ保守派をリードする大統領になって欲しい、と願うようになった。
なお、ボンジーノ氏は、10/18にニューヨークのトランプタワーでトランプ大統領候補とのインタビューを、RUMBLEで生放送した。その時のトランプ大統領候補が、私の気のせいかもしれないが、いつもの生気が感じられず、少し疲れているように見えた。いくら元気にゴルフを楽しんでいるとはいえ、さすがに今回の大統領選(実質的に過去3年半を走り抜けてきた)での疲労がたまってきたのかもしれないが。
最後に私の懸念の大きな要因の一つが、Stephen Kevin Bannon(通称スティーブ・バノン)氏が半年間の服役中のため、MAGA運動を直接リードできていない事だ。バノン氏は大統領選後に禁固刑を終わる、という反トランプ派からすると、なんとも都合の良いタイミングでの収監となった。
バノン氏は、2016年の大統領選挙でトランプ陣営の選挙活動をthe chief executive officer 最高執行官としてリードし、見事に大統領選を勝ち抜いた。そしてトランプ政権では、Chief Strategist 最高戦略官として活躍した。ただし7ケ月後には解任されたが、その後もトランプ支持を強力に進め、MAGA運動を主導してきた。
バノン氏は、ネット番組 War Room (Rumbleで放送中)を、経済学者でトランプ政権の経済政策、特に対中国政策で、大統領補佐官として進言した、Peter Navarro (ピーター・ナヴァロ博士)とともに、立ち上げた。
当初のWar Roomは、コロナ・ウイルス問題を主に取り上げ、ワクチン強制接種に絶対反対を草の根運動として展開してきた。ただし、各々の主治医と相談してワクチン接種するかどうかは決めるべき、とワクチンを全面否定したわけではない。
以下、10/8War Roomに登場したマローン博士。同博士は、mRNAワクチンの特許を9個取得している、いわばワクチンの父とも呼べる研究者だ。同博士は、”ハリス・ウオルツ政権になったら言論の自由に対する重大な脅威になる”、と警告を発した。
マローン博士等の良識ある(あくまで私からみて)研究者は、コロナ・ワクチンの強制接種というバイデン政権の暴挙に真っ向から反対し、結果、学会からもまた一部ネットからもバンされた。その体験から、”言論の自由”を強く訴えるようになった。
War Room は、また、バイデン政権の国境開放政策を痛烈に批判し、実際に国境を視察したビデオを公開、麻薬密輸、人身売買等を赤裸々に伝えてきた。
以下、そのバノン氏が収監前に、”何ものも私がこの国を救おうとすることを止められない”、(私は収監されてもMAGA運動を辞めることはない)と表明したWar Room。
バノン氏だけでなく、ピータ・ナヴァロ博士にも同じ半年間の禁固刑が言い渡され、数ケ月前にやっと禁固刑を終わったばかりだった。最近、War Roomに登場したナヴァロ博士。釈放後はさすが、かなりやつれ疲れた様子だったが、最近ようやく元気な顔に戻ったように見える。
この二人の有罪判決は、アメリカ司法があきらかに政治利用されているかを如実に示したものだ。トランプ元大統領のニューヨーク市裁判での”アダルトビデオ女優”の、私からみるとただの売名行為にしかすぎない、訴訟で重犯罪で有罪判決を下したのもその一貫だ、と私は考える。一方で、ハンター・バイデン(バイデン大統領の息子)のラップトップPCは、海外からの理由なき現金収入はあきらかに売国行為であり、まさに重犯罪として裁かれるべきにもかかわらず、司法省では完全にスルーされている。
なお、バノン氏が収監された後は、ナヴァロ博士、ジャック・ポソビック氏等がWar Room放送を続けてきた。しかし主役のバノン氏の戦線離脱の痛手は大きかった。トランプ大統領候補の全米各地での演説集会は大盛況を続けてはいる。しかしそれはあくまで、各地域地域での集会にしかすぎない。やはりネットの全米に向けた発信が投票に与える影響は重く、大きい。
確かに、このWar Roomに変わり、19百万人ものフォロワーを持つイーロン・マスク氏がトランプ支持を公言し、各地の集会でも顔を出し、かつ自身のXアカウントでトランプ支持を発信し続けているのは、心強い限りではあるが。こうした私の危惧は、大統領選の結果、”ただの危惧だった”、と言い捨てられることを心から願ってやまない。
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