47 Elon and Donald "WHY CONVERSATION" 何故会話?
Xのオーナ、Elon Musk (イーロン・マスク)氏が、トランプ大統領候補と2時間超のオンライン対談をXにポストした。みすでにご存じの事と思うし、飯山先生もユーチューブで紹介されている。すみません、私はまだ見ていません。_(._.)_ また、多くの論客が解説をされていると思うが、英語での会話をそのまま引用し、自分の感想をまとめれば頭の整理になるし、また、みなさんにとっても参考になるかもしれない、と考えた。
対談の流れに合わせて、以下の項目についてまとめてみる。
1. 対談の背景
2. 暗殺未遂事件
3. 国境問題 (ハリス大統領候補の無能ぶり)
4. 安全保障(ヴラディミール・プーチン、習近平、金正恩)
5. 経済政策
6. 気候変動
7. その他
1. 対談の背景
まずXの歴史を振り返ってみよう。
ツイッターは2006年3月にジャック・ドーシー他によって起業され、同年7月にサービスを開始した。
トランプ大統領候補(2016年選挙当時)はTwitter(ツイッター)の人気アカウントで、多くのフォロワーを持っていた。しかしツイッターが大きくなるにつれて、Facebook等の主要SNSと同様に、Censership(検閲)を行い、保守派アカウントを次々にバンしてきた。トランプ大統領(当時)は、ツイッターへの投稿をやめ、後に自身で新しいSNSのTruth Social (https://truthsocial.com/)を立ち上げた。2022年2月21日.
一方、Elon Musk(イーロン・マスク)氏は、"to promote free speech on the platform" (プラットフォーム上での自由な言論を促進するため) 2022年10月ににツイッター社をUS$44B(約6兆6千億)で買収し、2023年3月に”X”にサービス名と社名を変更した。
なお英語のPlatformは、政治・思想的に変更せずさまざまな言論が許されているメディアと定義されている。従い、支持政党を鮮明に打ち出すTVや新聞はPlatformとは呼ばれない。本来SNSはこのPlatformだったはずだが、実質的に保守派を排除する場となっていまった。ただし、Facebook他はまだ”Platform”だと主張はしているが。
そして、Truth Social が立ち上がった後、マスク氏がツイッターを買収した。これは何を意味するのか?まさかマスク氏が、事前事業で6.6兆円もの買収をした、とは思えない。当然、事業として十分にペイする、との見込みがあって、投資したはずだ。そして、そのきっかけの一つが、トランプ氏の新しいSNS立ち上げだったのかもしれない。別の見方をすると、トランプ氏とマスク氏は、各々が人気SNSのオーナであり、事業の競争相手になる。
今回の対談は、マスク氏にとっては、Xのユーザ獲得のためであり、トランプ大統領候補には大統領選のため、と互いの利害が一致していた。結果、マスク氏は、”トランプ大統領が正式にXに戻ってくれた”、と公言することができた。まさに、”Win-Win”の成果になった、と言えよう。
私が視聴したのは、以下のトランプ大統領候補のXポスト。(ダブルクリックで対談の録音を視聴できます。)269M(2億7千万回)再生、28.7M人(28百万人)視聴、727K(72万)好きになっている。(米時間 8/13 8:47時点)再生回数が2億回を超えるのはすごい、と思う。2時間を超える対談なので、一回の記事には収まりきらないため、数回に分けて紹介していきたい。
タッカー・カールソン氏がプーチンとの対談を今年2月にXでポストしたとき、やはり累計で2億回を超える再生があり、1億人が”好き”をした。Xでは2億回を超える再生がすでに2回もあったことになる。マスク氏が買収してからXの勢いは冗談抜きですごい。
最初に、私の全般的な印象を述べておく。トランパー(トランプ支持者)である私だから余計にそう見えるのかもしれないが、二人の息がぴったり合い、楽しくノリノリの対談だった。
そしてもしかしたら、トランプ政権復活のとき、マスク氏は政府の何かの役職につくのではないか、とさえ感じた。ただしこれは、あくまで私の個人的な希望であり、仮に政府側から申し入れがあったとしても、マスク氏は、”事業運営が忙しい”、とおそらくは断るだろう。だがせめてアドバイザーとして、例えば欧州のDSA対抗等(後述)で、参画してくれたら私は嬉しい。
次に、以下の Bou Loudon(ボー・ルードン)氏という、まだ若干17歳の保守論客のポストを紹介したい。(17歳の論客というのは非常に心強いが、我が国にもそういう頼もしい若者は必ずいると思う。)このポストにある ”the GEN-Z" Z世代は、時々耳にするが、私はよくわからない。どなたかご存じの方がいたら教えて頂きたい。
この統計が本当だとしたら、このインパクトは、”主要メディアが”崩壊する”、という程に大きい。果たして、マスク氏は、legacy media (古臭くなったメディア)の、否定的なコメントをポストしている。”想定通りだが、これだけ多くのメディアが、否定してくれたので、より多くの視聴者が今回の対談を見てくれることになる”、と皮肉を言っている。
レガシー・メディアの”否定的なヘッドライン”は予想した通りだ。彼らは、NPCsそのものだ。
NPC: Non-Player Character ゲーム参加者ではなく、ゲーム管理者が動かすゲームのキャラクターで、自分の思想を持たないか、あるいは、トレンドを盲目的に信じるネットのユーザを指す単語。
では、アメリカの他の主要な保守論客はどう反応したのか? 一言で言えば、”大騒ぎ”はしていない。つまり、トランプ大統領候補は、これまでの主張を、トランプ節全開で繰り返しているが、特に目新しい発言はなかったように、私にもみえる。
トランプ大統領候補もマスク氏も、とにかく話好きで、一旦話し始めると、なかなか止まらず、ノリノリだった。それを象徴するポストを、一つ紹介する。
Bee Gees(ビー・ジーズ)の大ヒット曲に合わせて踊る、マスク氏とトランプ大統領候補。(よくできたAI合成ビデオ)これはトランプ大統領候補があげたビデオらしいが、私は大好きだで、何度も繰り返しみた。楽しくて楽しくて仕方ない。我が国にも、こんな保守派がいたらなあ、と思うのは私一人だけだろうか?また、左翼の人にはどんな楽しみがあるのだろうか、と大きなお世話をやいてしまう。ぜひみなさんにも、スピーカのボリュームをできるだけあげて、見て頂きたい。(近所迷惑にはならないようにお願いする)
そしてこのデュオ・ダンスについて、以下の秀逸なポストがあった。
ドナルド・トランプはイーロン・マスクと踊っているAIビデオをアップしている。(サタデー・ナイト・フィーバの事)
ジョー・バイデンは爆睡し、カマラ・ハリスは、どこかでプレス(メディア)から隠れている
この曲を聴いて、”ああ!なつかしいなあ、、、”と思われた方、間違いなく私とほぼ同世代だと思います。そうです、あのジョン・トラボルタの大出世作、"Saturday Night Fever" 1977年です。間違いなく、この対談の77%を占めた視聴者層にとっては、新鮮に聞こえたはず。(ダンスは今風なんでしょうが)。
余談ばかりになり申し訳ないが、どうしてもジョン・トラボルタについて言っておきたい。私は最近のトラボルタが好きだ。”Michael”マイケルというコメディーで、いかにもだらしない”天使” (例えば、コーヒーにわんさか砂糖を入れ、ボリボリ股間をかくのが癖だが、最後は本当に奇跡をおこしてみせた)を演じていた。それから、”Pel-Ham123”(ぺラム123)は地下鉄ハイジャック犯の役で、デンゼル・ワシントン(地下鉄の統括管理官)と、火花がちるような演技を競い合った。どうも悪役のほうが似合ういい役者だと思う。余談ですみません、、、
ここで、蘊蓄を一つ。
・この対談で、二人はAIについて言及している。詳細は後で説明する
・"fast asleep"のフレーズは、年配のスタンダード好きの方には懐かしい、
以下の曲を思い出すのではないだろうか。
最後の、”never, ever think of counting sheep” 羊を数えることさえ忘れて(眠れるように、羊が一匹、二匹と数えること)がなんとも可愛らしいではないか。
このcounting sheepはいろいろなギャグ漫画に使われているようで、天才”赤塚不二夫”さんが、一匹の羊が、”シェー”、をして垣根を飛び越える、というのがあったと思う。
英語講師っぽい事をいうと、sheepとか fishとかは、collective noun (日本語的には集合名詞で、群れを意識しれている)で複数形扱いになる。sheepsとかは言わない、と先生にならったはず。アメリカ南部のLullaby(子守歌)"で、" Summertime"という黒人の子守がお金持ちの赤ちゃんを寝かしつける感じの歌がある。その歌詞の一節に、
"Fish are jumping" 魚達が次々に(水面から)ジャンプしている
というのがある。(これ、私が学生たちに教えるお約束のフレーズです)
ついでのついでに、私の一番好きなアルバムを紹介させてほしい。
"Here's to love by Carla Helmbrecht with 笹島 明夫"
笹島氏のなんとも暖かいガット・ギターとカーラのボーカルのデュオ。(私には母が娘に歌って聞かせる、子守歌、のように聞こえる)
まだこの曲をご存じなければ、Youtubeで、大御所フランク・シナトラや他の多数のミュージシャンが歌っているのが聞けるので、一度試して頂きたい。"In the wee small hours of the morning"
まあ、今のまさに"Present and Clear Danger" 今ある明らかな危機、にある我が国と世界の実態をしばし忘れ、古き良き時代を懐かしむのも、明日への活力と”戦う”気力を振り絞るためにも、良いではないだろうか。
さて、余談はこれくらいにして、そろそろ本題に戻ろう。
この会話と録音(全部と一部抜き取り)は、様々なXアカウントでリポストされている。むろん、マスク氏自身のアカウントでも複数回リポストされているが、この会話を設定し、サーバにあげたのはマスク氏側で、冒頭、”サーバ攻撃のため公開が遅れた”事を冒頭に説明している。
そして、マスク氏は、なぜ”conversation”(会話)に拘ったのかを口頭で説明し、後にXでも以下のポストで再び説明している。
このマスク氏の意図するところは見事に成功し、その結果が、20百万人の33歳以下の視聴者がこの対談を聞き、今まで良くは知らなかったトランプ大統領候補の”人となり”に触れた、という事になる。
なお、マスク氏は共和党員ではないが、最近トランプ支持を表明し、選挙資金に多額の寄付をした、と公表している。
マスク氏は、EV(Electric Vehicle)の最大手であるTESLA(テスラ)社の創業者でありオーナである。この脱炭素の申し子のようなEVビジネスと、反脱炭素(当面は化石燃料派)であるトランプ大統領候補は、むしろ”水と油”のはずだ。そのマスク氏がトランプ大統領候補を公然と支援するのは、私には違和感があった。なお”TESLA”がEVメーカで、よく似たスペルの”TESRA”はカナダの電力会社なので、注意が必要。
だから、この対談について、トランプ大統領候補の発言もさることながら、私はマスク氏の発言により注目し、WHY TRUMP なぜトランプ支持なのか? が分かるのではないかと期待して聞いてみた。
この対談を聞く前に、私の知るトランプ大統領候補とマスク氏の共通点を以下、まとめてみた。
a.二人とも大成功したビジネスマンである。
かたや不動産業(ビル建設やゴルフ場建設等の不動産開発業)と、テスラに始まり、今ではスペースX、さらにSNSのXの買収、そして将来はトンネル高速鉄道、と主に技術系ベンチャーと、業種は異なるものの、二人とも各々の業界で大成功を収めている。
b.”人と人とのつながり”を大切にする
その大成功の裏には、数えきれないくらいの失敗も体験しているはず。その失敗体験から、”成功しても決して奢らず”、人と人とのつながりを大切にする、ということを学んでいるはず。つまり、事業成功のためには、周りの信頼を得て協力を受ける事が何より必要ということだ。そのためには、どんな人に対しても真摯に向き合い、気さくに接することができる、というキャラクターが、成功者の共通項のように思う。トランプ大統領候補が、人種を問わず、誰に対しても気さくに暖かく接するのは、周知の事実。
c.”絶対に成功させる”、という人並はずれた強い意志力をもつ
起業し成功に導くためには、無数の困難に勇気を出して立ち向かい、決して諦めず、くじけない、強い精神力が必要だ。
具体例が思いつかないので、トーマス・エジソンを例に挙げる。エジソンは、”電球”の発明のため、全世界から1000種類のフィラメント素材を集め、全て実験したなかで、たった1種類のフィラメントを選んだ、と伝えられている。記者に、”999回の失敗を繰り返した時、どんな気持ちになったのか?”、と聞かれて、”私は失敗したことなどない。999回の、”機能しない”という事実を知る”成功”を繰り返しただけだ”、と何かの本で読んだ記憶がある。なお、そのフィラメント候補の一つに、京都八幡山の竹も含まれていたらしい。
d. 異常に数字に強い
トランプ大統領候補の演説には、様々な数字がポンポン出てくる。プロンプターで読む事もあるが、どうも頭のなかに主要な数字がきっちり保存され、またいつでも引き出せるようになっているようだ。認知症のすすんでバイデン大統領や、具体的な数字がでてこないハリス副大統領とは、根本的に違うと思う。具体的な事例は知らないが、当然マスク氏も数字には異常に強いはず。でないと、これだけの様々な事業を立ち上げ、成功できていない。
しかし、トランプ大統領候補は、MAGA (Make America Great Again)運動で象徴されるように、熱烈な愛国者である。一方、テスラ社の販売が中国で急伸し、中国にEV組み立て工場を持ち、またバッテリー等の主要部品を中国からの輸入に依存しているグローバル事業運営のため、マスク氏はむしろグローバリスト(反国家主義で、国境を越えた事業で収益を出すのを目指す)だと私は思っていた。そのグローバリストであるはずのマスク氏が、なぜナショナリズム(国家至上主義)になったのか?あるいは最初から実はナショナリストだったのか?
これは私見だが、マスク氏のナショナリズム運動の支援理由の一つには、テスラ社の中国販売が激減し、かつ、中国国内での事業に共産党が強権を奮い干渉すること、等に嫌気がさしてきたのではないか、と推測する。
さらに最近では、マスク氏の事業関心は、スペースX社のロケット開発と打ち上げ事業にシフトしてきた。安価な打ち上げ費用を誇るスペースX社ではあるが、その主な収益源は米国防省であり、巨額の利益が得られる防衛産業だ、という事か。アメリカ国防省等のビルには機密レベルが決まっていて、アメリカ国民でないと、入室を許されないエリアもある。
また、マスク氏が、X(旧ツイッター)を買収したのは。保守派を排除する他のSNSに対抗したためだった。(むろん、事業としてペイするめどがあった)
そして実際に、今回のトランプ大統領候補とのX上での面談を前にして、欧州連合のDSA (Digital Service Act) から警告状が届いた事を明らかにした。このDSAは、我が国ではまだあまり取り上げられていないかもしれないが、今後、世界の自由な言論空間を封殺しようとする恐ろしい企みであることを我々は知るべきだ。
このDSAについて、アメリカ保守派論客の一人であるMike Benz(マイク・ベンツ)氏は、”この法令は、実際にはNATO (North Atlantic Treaty Organization 北大西洋条約機構)という軍事同盟による"cencership" 検閲だ”、と指摘している。私はこの法令はまだ読んでいないが、アメリカ保守者論客は口をそろえて、このベンツ氏の主張を裏書している。
このDSAからの警告状に対して、マスク氏は以下のポストで答えた。
我々(X社)は、欧州の人々が真実を知ることができるように、裁判所での完全に公開された討論を待ち望んでいます。
参考に、ベンツ氏は、自由な言論空間を提供してくれるXの人気が急増昇していると、以下のポストしている。
結局、今回の対談は、マスク氏には”Xユーザ(特に若者)”を増やし、トランプ大統領候補にとっては、若者の有権者の投票を勝ち取った、という
”WINーWIN” の結果になったものと思う。事実、トランプ大統領候補は、マスク氏に、”またやろうぜ!”、と直後に呼びかけている。むろんマスク氏も、”DSAなど恐れるに足らず”、と受けて立つものと思う。
少し話題はそれるが、我が国の保守派論客で、”トランプ復活”をもろ手をあげては望まない人々が結構いる。かつてNATOに対して喧嘩腰になったトランプ大統領を故安倍総理がなだめた、と故安倍総理を賞賛する声が多かった。しかし、NATOは当時から左翼に牛耳られ、”自分達の国を自分達で守ろうとはしない”、”国防予算をアメリカに背負わせている”、とトランプ大統領は分かっていたので、強硬な態度にでたものと私は思う。
誤解がないように、私は故安倍総理が好きで、いつかは台湾高雄にある銅像にお参りにいきたい、と願っている。しかし私には、トランプ大統領のNATO攻撃については、故安倍総理が余計な事をした、ように思える。結果、問題を先送りしただけで、NATO各国の腐敗(左翼化)を防ぐところが、帰って増長させてしまったのではないか、とさえ思えてならない。
しかし、我が国の保守派論客は、だからこそ、トランプ大統領を”猛獣”扱いし、故安倍総理がその”猛獣”をうまく操っていた、と主張しているのではないか、と思えてならない。
トランプ政権が反中になったのは、故安倍総理のレクチャーのため、では決してない。実際には、ピータ・ナヴァロ博士のような中国通が、しっかりトランプ大統領を支えてきたからだ。
また、故安倍総理がイランとの仲裁を申し出て、見事にイランから肩肘をくらわされたことも我々は忘れてはならない。(故安倍総理のイラン会談後、イランは日本ノタンカーを攻撃した。ポンぺオ国務長官は、その危険を事前に故安倍総理に警告していた。
確かに、インドのモディ首相と故安倍総理の個人的なつながりで、インド・太平洋ダイヤモンド構想が成り立ったのは、私も疑いようのない事実と認める。
我が国の保守派論客は、故安倍総理を賞賛したいばかりに、トランプ大統領に対して疑心暗鬼に陥っているように、私には思える。みなさんはどうお考えだろうか?暗殺の銃弾に倒れた安倍総理ご自身が、今日の不当なトランプ復活に対する警戒心はむしろ我が国取り危険だ、と泣いておられるように、私には思える。もう一つ付け加えると、故安倍総理とトランプ大統領は、大のゴルフ好きで、二人でのゴルフを心から楽しんでいたと私も思う。
さて前置が長くなってしまったが、二人がどこからオンライン対談したのかを見ておきたい。
マスク氏は、ワイオミングの友人の牧場(ログハウス)からオンラインしたようだ。以下の写真には写っていないが、マスク氏はXのオーナだから、Xの優れた技術者(特にネット回線とサーバ管理)が各勤務先でオンラインでスタンバイしていたのだろう。
後に、マスク氏はXに、”ハリス大統領候補にもXでの対談に歓迎する”、と招待している。ただし、マスク氏は、”ハリス大統領候補が対談には応じるはずはない”、と思っているはず。ハリス大統領候補は、ここまでメディアのインタビュー、対談には一切出演していない。2020年大統領選挙のとき、バイデン大統領が選挙期間を通じて、”自宅の地下室”に籠ったままだった、のと同じだ、と保守派から批判されている。ハリス大統領候補は、いかに反トランプで、自分には甘いメディアであろうと、インタビューなり、討論に参加し、自分の頭で考え発言する能力はない、と自覚しているのではないか。またメディアも、それを十二分に分かっている証拠と考える。ちなみに、トランプ大統領候補は、ハリス大統領候補に、計3回のTV討論会を提案しているが、今のところ、1回しか承諾していない。
一方、トランプ大統領候補はフロリダ(?)からオンラインしたようだ。
2. 暗殺未遂事件
この対談で、初めて言及されたのが、米シークレット・サービスの警護体制の不備を指摘した事だったように思う。ただし、それはあくまで管理体制の問題点であり、決して現場のエージェントに対する非難ではない。
まずマスク氏は、トランプ大統領候補が銃弾を受けた直後に立ち上がり、こぶしを突き上げ、”FIGHT!”と叫んだ事を、”アメリカ大統領は我々のリーダでなければならない。あの姿が、そのリーダを象徴していた。”と褒めたたえた。なお、マスク氏は、翌日、自身のXアカウントで、”トランプ大統領候補を完全に支持する”と表明した。
トランプ大統領候補は、まず勇敢な元消防所長(奥さんと娘さんを守ろうとして銃弾に倒れ、お亡くなりになった)の死を悼み、ご遺族にお見舞いをしたこと、説明した。また、短時間で巨額の見舞金(数億円)が集まり、ご遺族に渡したが、奥さんは、”見舞金はありがたいが、夫を返して欲しい”、と打ちひしがれておられた、と紹介した。
次に、銃撃に対して、米シークレット・サービスの勇敢な女性警護員Kate(ケイト)がいかに勇敢に自分の体をはって守ろうとしたか、を称えた。そして自分の背後にいた聴衆の多くが逃げまどうことなく、銃撃後も立ち上がり犯人を捜そうとし、スマホで撮影を続けていた、のは未だかつて無い勇敢な行為だと称えた。(むろん、要人警護のプロである、ボンジーノ氏からみると、そもそもその女性警護員は、トランプ候補よりも体が小さく、身辺警護に配置されたことがおかしい、と指摘している。これは、あくまで現場の監督者の問題であり、女性警護官が勇敢にトランプ候補を守ろうとしたことは、同氏も賞賛していたことを追記しておく。
そのうえで、当日の警護体制について、ボンジーノ氏も注目した会話を紹介する。(この録音の開始後約13分30秒後)
この二人の意見は、要人警護の専門家でなくても、暗殺犯は、暗殺対象のできるだけ近くで、かつ、射線(目視)が確保できるAGRビルの屋根を狙撃場所の候補にするは自明のはず。このX上での二人の会話を公開し、世界中の人々が聞く事で、この暗殺未遂事件の不可思議さが明らかになり、間接的ではあるが、事件捜査と警護不備について、議会を中心に調査が進むことを期待したい。
またマスク氏は、トランプ大統領候補が、不法移民数の推移を確認しようとして右(プロンプター?)を向いたため、奇跡的に助かった、事を冗談まじりに、以下のコメントした。
さらに、トランプ大統領候補は、以下のコメントをした。
マスク氏は、重ねてトランプ大統領候補の勇気を称えた。
今のところ、そのカウンタースナイパーがどこに配備されていたのかは明らかになっていない。一般的に報道されている、トランプ候補の演台近くのビルの屋根に配備されていのとは別のチームが暗殺犯を射殺したように思える。また暗殺犯とトランプ候補の距離は400ヤードくらいあった、とするニュース・ソースもある。
以下のポストは、地元警察官がAGRビルの屋根にぶら下がり、体を持ち上げて実際に容疑者(後に暗殺犯と判明した)を目撃した、との証言。
その警察官は、ライフルを向けられ身の危険を覚え、やむを得ず両手を離し、約8フィート下(およそ2.4m)に落下した、とのこと。両手でぶら下がっていたので、容疑者を目視できたものの、ピストルで応戦するか、直ちに無線連絡するか、その両方とも、両手がふさがっていたのでできなかった。また落下した後、足を痛めた、との証言もあった。下のポストの男性は、地元バトラー市警の幹部だったと記憶する。
なお、ボンジーノ氏は、”当初の警護計画ではその屋根にカウンタースナイパーを配備する予定だった。(後で、そのチームは、米シークレット・サービスのカウンター・スナイパー・チームと判明した)それが、実際には配備されなかった”、という内部告発があったと紹介している。これは、極めて重大な現場指揮官の判断ミスであり、あるいは、意図的に警護の穴をあけた、との指摘も免れないだろう。
私個人の感想は、トランプ大統領候補は、本音では米シークレット・サービスと国家安全保障省の、ずさんな警護計画、体制、そして実施について、言いたい事はたくさんあるものと推測する。しかし、あくまで現場の警護官の献身的で勇敢な行動を称え、また聴衆の勇気を称えたのは立派だと考える。さらに、”バトラー市は素晴らしいところで素晴らしい人々がいる。だから私は必ずもう一度バトラー市に行く”、とバトラー市民に約束した。
3. 国境問題 (ハリス大統領候補の無能ぶり)
マスク氏は次に国境問題、Illegal Immigrants (不法移民)について、議論した。(おおよそ開始後20分20秒以降)
マスク氏:
あなたの考えを正確に伝えるなら、”合法的な移民は支持するが、不法入国は閉鎖しなければならない、そして特に検査されていない(特に病気感染していないかどうか)は締め出さねばならない”、という事ですか?
そしてそれは、全ての不法移民が悪い、という事にはない。私は、不法移民ではあっても、ほとんどの人は実際には良い人だ、と思う。しかし、国境を越えてくる人々をしっかりと検査しない限り、良い人か悪い人かの差を見極める事はできないのではないか?それが実際のあなたの考えでしょうか?
トランプ大統領候補:
100%その通りです! ごく簡単に言ってしまうと、”合法的に来てくれ”、そして”検査を受けてくれ”、ということです。
いいですか?カマラは国境(保全)のCzar(ツアー)絶対管理者だったんですよ。今は、そうではなかった、と否定している。
(マスク氏は笑って同意)
私がすること全て、彼女は国境を厳しく守ったんだと主張しているが、しっかり保全できるのは我々ですよ。しかも、彼女はそんなことを言う必要はない、今すぐ国境を締めればすむはずでしょう?彼らはすぐにでもできるはずだ。
トランプ大統領候補は続けて、カマラは、”私の事を真似する”ようになった。例えば私は、ティップ(レストランのウエートレスやゴルフのキャディー等へのチップ)に対する課税を無くす、と1ケ月前に宣言した。最近になって、カマラは私と同じ事を言うようになった。しかし、バイデン政権はIRS (Internal Revenue Service) 徴税局の職員を88千人増員しているでしょう?彼らの多くは、ティップを調べて課税することが仕事だったはず。
またバイデン政権は国境をしっかり保全してきたと言っているが、とんでもない。アメリカだけでなく世界中で、これだけ多量の不法移民が流入した事は未だかつて無い。12百万人の不法移民が流入したと言われているが、私は実際には20百万人くらいだと思っている。そしてそのうちの多くが監獄、牢獄、精神病あるいはもっと大規模の精神科病院、から抜け出した人々であり、またテロリストも多く含まれる。そしてその不法移民は、南アメリカだけでなく、アフリカ、アジア、そして中東、さらにはイスラエルを攻撃した国々からも来ている。
そうして不法移民を止める時間は、3年半もあったのに、彼らは何もしなかった。また現政権にはまだ5ケ月も残っているので、今からでも国境閉鎖はできるはずだが、それはやろうとしない。カマラは、”これからやろうとしている”、と言っているが、それは話だけで、実際にやるはずはない。なぜならカマラはバイデンよりも無能だからだ。
こうしたトランプ大統領候補の話を聞いて、マスク氏はさらに繰り返しこう言った。
そして国境保全が必須であることを認めたうえで、マスク氏は、不法移民の大多数は良い人であり、移民の合法的受け入れ態勢を円滑に速やかに行う事が必要と改めて強調した。
これに対してトランプ大統領候補は、ベネズエラの例をあげた。
さらに、この犯罪者をアメリカに送り込むのは、大規模な犯罪であり、マスク氏が思っているよりはるかに多くの不法移民が、入国していることを強調した。
さらに、マスク氏は以下のコメントをした。
この後しばらく、マスク氏とトランプ大統領候補は、ニューヨーク他で起こった凶悪犯罪について話をした。
3. 安全保障(ヴラディミール・プーチン、習近平、金正恩)
トランプ大統領候補は自分の政権下では戦争は起こらなかったこと、プーチン、習近平、そして金正恩とも少なくとも会話できる、ということを強調した。
ここは、トランプ大統領候補の独壇場で、バイデン大統領、カマラハリス副大統領を、”これでもか”、というくらいケチョンケチョンにこき下ろしている。いわゆるトランプ節が全開したシーンだった。マスク氏は途中爆笑しながら、”そうだ、そうだ!”と合いの手をうち、トランプ大統領候補をうまく、乗せまくったように見えた。
これは全くの私見ではあるが、もしかしたら、マスク氏は”親トランプ”、というよりも、”反バイデン、反カマラ、反民主党”、とくに現バイデン政権の、経済政策(無策無能なバラまき・インフレ政策)と、国境開放、そしてアメリカの安全保障、に嫌気がさしたのではないか、と思える。そして、その反左翼から、トランプ支援に回ったように、私には見えた。みなさんはどうお考えだろうか?
元々リベラル派(だからこそテスラを作った)だったはずのマスク氏が、なぜ保守派のトランプ大統領候補支持に回ったのか?ようするに、このままでは、アメリカという国自体が無くなってしまう、という危機感からだったように私には思える。
例えば、プーチンとはウクライナについてしっかり会話をしてきた。プーチンに対して、”これをするな”、”あれをするな”、と警告してきた。だから私の政権下ではプーチンはウクライナに侵攻できなかった。(むろん、その警告の裏には、ロシアに対する経済制裁や米国内の資金凍結等をちらつかせたはず)
しかし、オバマ政権では、米国内のキーストーン・エクセル・パイプラインは閉鎖した。地下のパイプラインは、鉄道やトラック輸送よりもはるかに自然環境に良いにもかかわらず。一方で、ロシアから欧州へのパイプラインは許した。
私は、イランに対しては経済制裁を加え、イランからテロ軍団への資金供与を止めた。
さらに、北朝鮮の金正恩は、”私はRed Buttonを握っている”と言ってきたが、”俺はもっと大きいRED BUTTONを持っている”、と言ってやった。そして、私が、北朝鮮と韓国の板門店の国境線を金正恩と仲良く一緒に超えたのを覚えていますか?
この時、韓国大統領だった文在寅が同行しようとしたのをドアを締めさせて、トランプ大統領(当時)と金正恩の二人が仲良く手をつないで国境をまたいだのを私は今でも鮮明に覚えている。
これらの話をうけてマスク氏は、”アメリカのリーダは、他国から尊敬され畏怖されなければならない。今の政権のように、小馬鹿にされるようではアメリカを危うくする”、とトランプ復権を望む発言で答えた。
以下は私の記憶で、この対談で語られた事ではないが、参考に追記しておく、
トランプ大統領(当時)は、習近平主席をマーラーゴの自宅で晩餐会に招待した。食事が終りかけた頃を見計らい、側近の持ってきたメモをちらっとみて、習近平主席に、次のように耳打ちした、という話を覚えている。
”あの~、今ね、ISISの幹部をね、トマホーク・ミサイルで爆撃して殺したみたいだよ、、、、、 Would you like some more desert? デザートお代わりはどうですか?”
これを聞いて、習近平は、”青ざめた” つまり”自分もこのトランプに殺されるかもしれない、、、”、と報道されたように思う。
この話、どこまで本当か私には分からない。しかし、”いかにもトランプ大統領ならやりかねないだろうなあ”、と思えた。仮に本当だとしても、これは完全に台本通りの筋書きだったはず。最後の”Would you like some more desert?" が、相手の背筋を凍らせるような、殺し文句ではないか?
いつものことだが、どうも余談が過ぎて、本論がすすまなかった。マスク氏がおそらくは最も話をしたかった、経済政策を含めて、次の記事にまとめることにする。
5. 経済政策
6. 気候変動
7. その他
最後まで読んで頂き、ありがとうございます。
感想や批判等聞かせてもらえると嬉しいです。
では、また。