57 人に寄り添うトランプ
2021年8月26日、アフガニスタン・カブール空港には、避難のために殺到していた市民を狙う自爆テロが2件発生し、アフガニスタン人170人、米兵13人が亡くなった。以下、BBC Japanの報道。”2023年3月8日、米下院の外交委員会での「アフガニスタン撤退」のバイデン政権の責任追が行われ、現地で惨劇を目のあたりにした米海兵隊のタイラー・ヴァーガス・アンドリューズ軍曹が、涙ながらに当日の惨劇を証言した。
今年8月31日、戦死された13名の米海兵隊員のご遺族が、記念式典を開かれた。その式典には、バイデン大統領とハリス副大統領が招待されていたが、二人とも参加しなかった。(ハリス副大統領は当日はアーリントン墓地からわずか10分程度のところにいた、と報じられた。またバイデン大統領は休養中だった、とのこと)
対して、トランプ大統領候補は大統領選のさなか、ご遺族からの招待をうけて、式典に参列し、またご遺族からの要望で一緒に写真に納まった。
ただし、トランプ大統領候補はこの式典参列のことや、ご遺族との記念写真のことは”X"には一切ポストしていない。唯一、以下のペンシルベニア州での選挙応援集会と、ワシントンDCでの”Moms for Liberty" (自由を求める母たち”という集会の模様を載せている。まあいつものように、ハリスに向けた罵詈雑言(私からみると極めて真っ当な非難ではあるが)をポストはしているが。
私は、トランプ大統領候補が式典に参列されたのは、決して、決して選挙のための人気取りではなかった、と思う。事実、これまでご遺族に電話し、ご遺族の話を聞き、名誉の戦死を遂げた息子さんや娘さんを、ご遺族と一緒に偲んでいた。そう、ご遺族が証言されている。この人に寄り添う気持ちは、故安倍総理と通じるところがあるように私には思える。例えば、北朝鮮に拉致された被害者のご家族を、故安倍総理がトランプ大統領(当時)に紹介したとき、トランプ大統領は、椅子を持ってこさせ、ご家族の話を真摯に聞いた。その後、ご家族に手紙を出し、”北朝鮮からの救出に全力をつくす”、と約束してくださった、と救う会の西岡先生や島田先生が証言されているのは衆知の事実。
しかし我が国には、”安倍、お前は人間じゃない。俺がたたっ切ってやる!”とうそぶいたどこかの大学教授もいれば、そんな戯言に喝采をおくった学生、レガシーメディアが今だに大手を振っているのも事実。
ではアメリカでは、どうだったのか?以下、ハリスのXポスト。
あまりにもバカげた、まさにブーメラン非難なので、訳す意味がない。
要するに、ハリスはトランプ大統領候補に対して、”政治利用するな”、と非難したのだ。
表題写真の左右計6名は、2021年8月26日アフガニスタンで戦死された兵士のご遺族のみなさん。
左上:Jaclyn Schmitz, Step-Mother of Lance Corporal Jared Schmitz…
ジャクリン・シュミッツ 米海兵隊 伍長代理ジェアード・
シュミッツの義母
左中:Jim McCollum, Father of Lance Corporal Rylee McCollum…
ジム・マカラム 米海兵隊 伍長代理 ライリー・マカラムの父
左下:Mark Schmitz, Father of Lance Corporal Jared M. Schmitz…
マーク・シュミッツ 米海兵隊 伍長代理 ジェアード・シュミッツ
の父
右上:Christy Shamblin, Mother-In-Law of Sergeant Nicole Gee…
クリスティー・シャンブリン 米海兵隊 軍曹 ニコール・ギー の
義理の母
右中:Herman Lopez, Father of Corporal Hunter Lopez…
ハーマン・ロペス 米海兵隊 伍長 ハンター・ロペスの父
右下:Steve Nikoui, Father of Lance Corporal Kareem M. Nikoui…
スティーブ・ニコーイ 米海兵隊 上等兵 カリーン・M・ニコーイ
の父
中下:Coral Doolittle, Mother of Corporal Humberto A. Sanchez…
コーラル・ドリトル 米海兵隊 伍長 フンバートAサンチェスの母
ご遺族のみなさんは、各々が上記のハリス(バイデン大統領も同様の非難をしたらしい)のトランプ非難に対して、バイデンとハリスに対して怒りを込めたビデオレターをポストした。
曰く、
・トランプ大統領は私たちに電話してくれて、私たちの話を聞いてくれた。
・私達は、これまでの3年半、バイデンやハリスからの電話を待っていた。
・そして私たちの子供がなぜ殺されなければならなかったのか説明して欲し
かった。
・バイデン、ハリスよ、あなたたちは一度も電話をくれなかったではない
か?
・トランプ大統領は、私たちの子供一人一人の名前(ファーストネーム)を
覚えていてくれている。
・私たちの子供は、アメリカのために自分の命を捧げ、金星章(アメリカ軍全
体で最も名誉ある勲章の一つ)をもらったにもかかわらず、その子供たち
への敬意を表さないのはなぜだ!
・トランプ大統領を非難するのはやめろ。あなたたちにはそんな権利はな
い。
また、ご遺族の証言で、トランプ大統領候補と写真をとったのは、ご遺族からの要望があったからだ。”一緒に写真をとって欲しい”、と言われたトランプ大統領候補は断れるはずもない。
以下、表題写真の左上 左上:ジャクリン・シュミッツ氏(米海兵隊 伍長代理ジェアード・シュミッツの義母)の、”胸が張り裂けそうな証言”を紹介したい。
カマラ、あなたは声明は、政治的なスピン以外の何ものでもなく、大統領選でドナルド・トランプに対して自分をよく見せたい一心からのものです。あなたは(これまで)ただの一日たりとも、私達の立場にたった事はなかったではないですか。私たちの子供たちは、あなたの政権の責任で殺されたのだし、あなたにもその責任の一端はあるはずです。アーリントン墓地での出来事は、トランプ大統領候補領が、埋葬された兵士達の遺族によって招待された、という事です。彼ら(トランプ大統領一行)は、これまで何回も何回も、私たちの話を聞いてくれて、子供たちの名前を呼んでくれて、あなた質の政権からなんらかの原因説明がもらえるように、支援してくれていたんです。過去3年以上、私達は何も聞かされず、そして(遺族が)亡くなるばかりだった。あなたの声明のように、(あなた達は)さらに嘘と隠蔽を重ねて、あなたとあなたの政権を良く見せようとしている。しかし、一つだけあなたが述べたことで正しかった事があります。それは、軍人、その家族、そして退役軍人を讃えられない者は、大統領選を戦うべきではない、という事です。だから私は、あなたは(大統領選から)辞退するべきと思います、カマラ。
以下、こうしたご遺族のビデオレターを編集した、トランプ陣営のビデオを紹介したこの項を終わりたい。
追記、今から20年近く前の話だが、仕事で月一程度、ノースダコタ州ファーゴ空港に行っていた。ある時、まるでスコットランド人(スカートをはいてバグパイプを加えたおじいさん)が犬をつれて、空港ターミナルに入ってきた。そして到着ロビーに乗客が現れ始めると、やおらバグyパイプを演奏し始めた。(ワンちゃんはおとなしく横に伏せていた)すると、軍服姿の若い女性が現れ、その場に居合わせて人々が一斉に大きな拍手をし始めた。
おそらく、その女性兵士はサービス(アメリカでは兵役のことを指す)から一時国か退役して故郷に帰ってきたのだろう。バグパイプのおじいさんは、その娘さんの身内の人だったのだろう。もちろん、出迎えで一番喜んだのはそのワンちゃんだったが。今はどうか分からない。おそらくBlue States (民主党政権の州)では、そんな兵士の帰還歓迎はしないのかもしれない。しかし、Red StatesやRed Cities (共和党政権の州や市)では、まだまだこうした兵士の帰還をお祝いする風習は残っていると思いたい。私は、アメリカの真の強さの一つは、そうした民衆の軍人に対する敬意と信頼であり、その信頼に答えようとする一人一人の軍人のように思えてならない。そして、トランプ大統領候補は、そうした民衆の意識を共有し、みずから行動で示せる民衆のリーダだと信じる。
日本時間の明日朝、トランプ大統領候補とハリスのTV討論会が放送される。私は、まず朝起きて、日本対バーレーンのワールドカップ最終予選を見た後、じっくり討論会を見たいと思っている。今回の討論会では、これまでの施策提言をほぼ百八十度方向転換したハリスのカメレオンぶりを、トランプ大統領候補がどう切り崩すのか、TV局(ABC?)がどのようにしてハリス有利になるように司会するのか、さらには討論会の結果をアメリカ保守派がどう評価するのか、しっかり見極めたいと思う。
さらに、ボンジーノ氏が指摘し深刻に懸念している、トランプ大統領候補の次の暗殺計画と米シークレット・サービスの警護能力の不備、についてもまとめてみたいと思う。
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